湘南オンラインフレネ日誌

フリースクール湘南オンラインフレネ学習的就労支援活動・災害ボランティアの実践を書き溜めていきます。

4/1 岩手の見守り支援関係者宛のメールから/DVD「ひきこもりの若者が地域課題・社会問題と向き合う」を

2012-04-02 05:46:42 | 引きこもり
2012/04/01 記
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車の件、仮設文庫の件がまとまりつつあります。これを遠野まごころネットの関連団体またはまごころネットに届けます。活動の現状、運転等責任者の設定、運営費の捻出等があるので、先方にペンディング状態にあるのですが、その型への第2報ということになります。

差障りのないと思われるところを紹介します。

---- ここから -----

(略)

私は自閉症スペクトラムとか鬱などが背景にある不登校・引きこもりの青少年、若年層の社会復帰活動を核に活動を広げてきた講師&塾屋です。ネットカフェ・パトロールや、夜間傾聴などから、路上に押し出された若い路上生活者の生活支援につないできたという経験をしてきています。もともとは教育畑の人間です。

しかし、私生活では叔父・曾祖母・祖父母・両親の介護から、関連高齢者介護市民活動に接点を持ってきたという側面があり、茅ヶ崎市民活動サポートセンターの管理運営をしている(特非)NPOサポートちがさきという市民活動の中間支援団体に社会活動の企画屋として、結果的に少年から高齢者にまたがる年齢層のソーシャルワーカー的な活動提案をしています。

3月初めの巡回のとき、立根・赤崎・三陸を除く大船渡の仮設と、陸前高田の小友の仮設をまわり、外出困難な方の状況を何箇所かの入居者の方を、東海新報社の記者さんの紹介を手がかりに接点を持ちながら話を伺ってきたという経過があります。(以前にも、竹駒・鳴石団地はまわっていたのですが、それは時期的には7月でした。)

私の頭には、被災緊急支援期をすぎた後の非被災地の支援機運の退潮をくい止めつつ、遠隔地からは支えにくい生活支援をどう被災地と連携させて持続していくかという問い、プロ化していく現地活動の、すそ野をどう作るかといういわば、支援活動の受け皿の部分を考えていかねばということがありました。そして辺縁の浸食が始まる時期、失業保険が切れ、知人も離れるこの時期の孤立死が広がる時期に、何をしたらいいのだろうかという模索には、当事者の声の隙間を感じ取ることが大事と思ったが故の巡回でした。もちろん、数日まわっただけで、すべてがわかるというような了見は持ち合わせておりませんが。

(略)

陸前高田の小友町仮設におじゃましたとき、子どもの本はきているが、大人の本の古本巡回をはじめたいとの意向を伺い、茅ヶ崎の古本提供活動を紹介したところ、つないでほしい旨の要請がありました。小規模仮設8カ所から連携の契機を作りたいとのこと。(略)

古書活動の「セカンド・ブック・アーチ」の許可を得、本の提供を約束してくれましたので、これを車と関連付けようと思います。

話はさらに変わります。湘南には理容組合や美容組合が初期の頃、石巻・南三陸のカット支援に入っています。ところが2ヶ月たたずに支援を引き上げてしまいました。地元の同業者から、営業妨害であるという抗議があったからでした。この苦い経験が、放置自転車提供の活動や、靴の提供活動などを萎縮させました。

今回の連れだし支援もタクシー業界からクレームがつく可能性があると考えると、被災前の南相馬のオンデマンド・バスのような一般向け定期巡回のような形をめざすのではなく、プライベートユースに徹していく方向かなと思うのです。連れ出し支援は、文庫用書籍の巡回配達の合間に、利用者の頼みを聞くという形で、実質的な支援を行なうという、少々卑屈な形を拡げていく方向です。

南相馬型のような地元の方誰でも利用可という形ではなく、対象を外出困難な方の外出支援という縛り、加えて地域を絞って係わるという支援、車を複数台準備し活動を拡げ、大きな車でまとめないという支援です。勿論これは初めから準備を整えて一気に始めるという話ではなく、まずは談話室などへの書籍配達をルーチンワークとし、ニーズを拾い上げていくということから初め、ここで対象となる方達は、仮設のサロンは気後れして積極的に利用できないが、外出そのものは行ってみたいと考えるというような人たちです。心が塞いで専門職の介入が必要な方は、巡回によって探し出すだけです。その方は有資格相談員に連絡するという、いわばバウンダリーな領域の方の取り出し支援を育てられないかと思うのです。

この話はいくつもの問題点を孕んでいます。当事者の自助活動の自主的な芽とどう関係付けられるか、当座3年という仮設生活期の枠内で実行するものなのか、それとも被災者住宅への移行後に引き継いでいく活動なのか、足湯など他の見守り支援とどう関係付けていくのか、連れ出した方に連れ添う方をどう集め、対象者をどう安全帰宅させていくか、事故時、運転者を含む搭乗者の補償をどうするか、維持費をどうするかというような問題です。

しかし、今が一番、孤立者の危険が問われなければならないが、現実問題として、出来るところから始めざるを得ない。心情的にはもどかしいところです。

小友町の入居者の方々の動きのような芽のあるところから、まずは古書配達巡回を始めて行けませんか。テストケースを始動するということ、巡回のモニター機能の評価、自助活動の触媒機能の評価、運営資金調達をどうするかというようなところです。欲張って連れ出し支援を初めから行なうというのではなく、FAX等を当事者に公開し、巡回日に頼まれたものを買っていくというような形から入るのはどうでしょう。

まずは譲渡前車検・寒冷地仕様化・大船渡への移送諸費を湘南で持つということ、日々のメインテナンス諸費と燃料代は基本は運営団体が抱える。湘南では運営費募金を進めるために、見守り巡回文庫通信のHPと紙メディア公開を行ないます。エピソードを送ってもらえば、とても当てにできる金額にはなりませんが募金を返します。

文庫の方は、高齢者向けのビジュアルなものを30冊パック箱、10箱(300冊/回)、巡回車OKなら一週おき巡回ピッチで4ヶ月ごとに新規に入れ替え。古い図書は公共図書館寄贈か回収。巡回車がだめなら、3ヶ月ごとに30冊パックを10ヶ所に郵送し(計1200冊/年 郵送)、車は利用者が出てくるまで、次の車検まで私の家に停めておき、利用者を探します。いずれも冊数増は可能です。

16日は夜行バスが陸前高田市役所に朝着いたら、広田町の慈恩禅寺を訪ね、広田町をみてから、小友町の仮設に向かいます。交通手段次第ですが、陸前高田市役所前か、サンリアかからその夜バスで池袋に帰ります。

まずは文庫で、そこから連れ出し支援へという道、運営費がかかることですから検討していただいて、次の形を探りたいと思います。後方支援者にも分かち合えることを探します。

ボランティアはどの料理を食べるかという自主性の発想からなかなか抜けられません。その受け皿、店やコックさんをどうするという議論は、湘南でもなかなかかみ合いません。そこは仕掛人の領域だからです。だから具体的な形で示さないと、次の活動はなかなか開けてきません。見守り支援はそれぞれの活動がありますが、連携したり、その活動を一般の方に知ってもらうという意欲はあまり感じられません。しかし、市民活動サポートセンターのような場所にいると、活動の海がだんだん干上がってきているのを感じます。有効な活動を届けられるということが、なにより活動のすそ野、活動の海に生気を与えることになります。

今、茅ヶ崎では支援をしてきた団体が、首都圏直下型地震と防災の方に内容をシフトしてきています。それがいけないというのではなく、東北の被災者をどうするのかという問いが空転・風化しないように、気仙地方の状況を、そこへのかかわり企画の提案と同時に返していくことの大切さを感じています。大関さんが百も承知の見えない人々、そういう存在に被災孤立者を作ってはいけないし、それは、ソーシャルワーク的な観点を持ちうる者から話し続けないと、常に物陰に消えてしまうものです。自動車や文庫がすべてとはいえませんが、仮設・みなし仮設・半壊持ち家の方と連携する、非専門職の活動デザインを描き続ける必要があります。

私は大船渡・陸前高田に当分係わります。移動の足が無いのが難。次回は間に合いませんが、数ヶ月に一度は現地に行きます。お役に立てることがありましたら、ご連絡下さい。


----- ここまで -----

31日にあった遠野まごころネットの復興支援検証会議の場でも、非常にシビアな話が飛び交う一方、支援者の議論であるという印象が常に付きまといました。次々に仮設の家族が転出し入れ替わっていく中での、自助活動の形成という事は難しいことですが、連携の息吹を感じさせる活動が作れないものかと常々思っています。また生活上の必要にかみ合うような支援を作る必要を感じます。

コケの一念が通るか、そんな内容で書きました。

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神奈川県の青少年サポート課から「ひきこもりの若者が 地域課題・社会問題と向き合う」というDVDが贈られてきました。「ひとは、自分が必要とされているとき自分が変わります。被災地に引きこもり体験者の支援者が案外多いのも、自己有要感を感じることがあるからではないかと思っています。

25分ものの画像、じっくり見させてもらいます。県サポート課の**さん、感謝します。


夜間傾聴:橋本2君(仮名・訪問の延長戦)



(校正1回目済み)

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