湘南オンラインフレネ日誌

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星槎学園青葉校の実践報告会にお邪魔してきました/観音様は浅草か

2007-07-31 07:52:57 | 引きこもり
星槎学園青葉校の実践報告会に行ってきた。宮沢学園時代、何人かの教員の方々と教科の指導法をめぐって話したことがあった経過もあって、対象となる子が今年いるわけではなかったがお邪魔してきた。

もうひとつの用件は、「卒業生の就職についての地域支援協力ができないか」打診したかったのだった。養護学校の場合、高等部の生徒さんが新卒就労した場合、就労時から3年間相談に乗り、地域の就労生活支援センターにひきついでいく体制をとる。これに準じた形でケアする形は取っていると思うが、実際には軽度発達障害を持った子たちの就労は、多重のセイフティネットをかけていかないと、転職を繰り返してしまう。星槎学園はプレ就労や授業実習をつんでいるので必要ないということになるかとは思っていたが。この辺を話し合う場を設定できないか打診してきたのだった。結果は保留なのだが、授業報告を見せてもらう限りではニーズは薄いように感じられた。

実践例に社員研修によくある手法が使われているのは、企業の要請に即応しているのはわかったが、この研修、当人が納得しているのかなと違和感を感じる場面もあった。

特別講演の松為信雄教授の話は、自分でも口が早いといっておられたが、確かに何とも早い。さすがに大事な論点は切れ味がいいのだが、ともかく総花的。ポイントを絞ってもう一度、続きを聞いてみたいと、あちこちの箇所で思った。親向けの場だが内容は教員の卵・学部生向けの総論の感じだった。今度は時間をかけて、実践例も是非是非というところ。

私は巡回指導の関係で蒲田にはしょっちゅうでかけるのだが、会場のPIO大田区産業プラザを知らなかった。奇妙な三角地に立ったビルで、何回かは目の前を通り過ぎていたのに、ちょっと意外な感があった。

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会の終了後、大急ぎで大森に移動して、大森君(仮名)に会った。途中連絡が入ったものの、爺ぃを30分待たせたのは問題だと彼に注意した。理由は脱力するものだった。親が買物に出かけてしまったので、交通費と喫茶店代がなかったのだと情けなそうに語った。たしかにバイトしていないのだから、それはそうだとうなづいていたところ、突然彼の携帯が鳴り出し、彼は狼狽した応答の後、母親が私に代われというからと、彼の携帯を私に突き出したのだった。

は:「あ、お世話になってます。本当だったんですね…」
と:「彼、うそでもついたんですか、あわててますよ。」
は:「あははは、やだ。ときどき、『先生に会う』と、先生をダシにして、小遣いかせぎしていたんですよ。すみません。」
と:「彼に代わります。」
お:「(母親に)終わったから、帰るから。」
と:「まあ、待ちなよ…。出よう。」

彼の顔面はチックを起こしていた。ぶらぶらと夕方の街を馬込側に向けて歩いた。「成人が小遣いもらっちゃいけないか」と彼は、そっと聞こえるように独り言をいった。

「あのな、5歳のとき、お稲荷さんの賽銭泥棒をやったことがある」と、私は切り出した。境内を出たが、ひとの目が気になって追われて憂鬱になった。誕生日に買ってもらったゲーム盤を年上の友達に売って、数倍の賽銭にして戻してきた。それで解決したと思っていたら、ゲーム盤を買った奴の母親が怒鳴り込んできて、罰があたってしまったのだと悟った。みんなを巻き込んでしまった負い目がしばらくあって、賽銭泥棒なんてやるものじゃないと思ったんだと、彼に話した。実話だ。

「5歳だろ、すげー」といいつつ、彼のチックは治まっていた。

と:「何だよなあ、また、(教科)添削できなかったじゃないか。」
お:「こんどから自転車で来ます…」
と:「自転車あるのに待たせたのか、こら。」
お:「自転車だと金取れないから。」
と:「交通費と喫茶店代の実費、払うから儲からないだろう?」
お:「いや、だから、歩いてきたんです。」

事態は次第に見えてきた。

と:「小遣い銭稼ぎで、喫茶店に来ていたのか!30分待たせて!」
お:「信じてくださいよぉ。」
と:「お前のお稲荷さんに、お参りにいけ!」
お:「お稲荷さんって、ないですよ」
お:「…あ、そっか。」
と:「観音さまだよ。」
お:「はぁっ?」

若い子に通じる例えじゃなかったなと笑いつつ、帰りは浅草線に乗ることに。しかし、この元気があるのに、彼は本校には通えない。自分でもわかっているのに、鍵が開かない。夜間傾聴していなかったら、会話はこれほど軽くは無かったろう。東京までもどり、席にすわって帰ってきた。

夜間傾聴:大森君(仮名)>「ごめんなさい」とあやまりつつ、浅草の地図を彼が開いていたことを話から知り、「お稲荷さん」も「穴守稲荷じゃないぞ」と念を押した。

地図って、ちがうぞ、大森君。

「例えは慎重に、通じないから」、…そうだったのだ。

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帰りの車内、A子から、また電話が入ったのだった。これは今日の課題。

(校正2回目済)
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