車泊で「ご当地マンホール」

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久久比(くくひ)神社 in 兵庫県豊岡市下宮

2023年08月14日 08時00分00秒 | 神社仏閣・名所・観光・兵庫県

豊岡市下宮に鎮座される「式内社・久久比(くくひ)神社」。御祭神は『久久遅命(くくのちのみこと)』。

由緒「この社は延喜神名式に記される但馬国城崎郡二十一座のうちの小社で、もと胸形(宗像)大明神と称され、木の神 久久能智命を奉祀した式内社ですが、神社の創立年代は不詳。一説には多紀理比売命・天湯河板拳命(あめのゆかわたなのみこと)を祀ると言われ、末社には八幡社(事代主命)、三柱社(少彦名命)、稲荷社(保食神)の三社がある。」神社案内より

二の鳥居正面に寄り合い所を兼ねた神門

神門の奥に入母屋造りの拝殿

拝殿の蟇股彫刻は、おそらく御神紋を現しているのでしょうが、大きく羽を広げて寄り添う鳥のようにも見えます。

拝殿前左右より神域を守護されるのは、明治37年(1904)7月吉日建立の出雲丹後系の狛犬さん一対。但馬に入ってから、出雲丹後系の狛犬さんが多くなりました。

日本書紀に「木の精・くくのち」の記述がある事から「久久遅とは木の神々の総称」と考えられてきました。また社名の「くくい」はコウノトリの古称・鵠(くくい)であり、かってこの一帯は久久比村と呼ばれていました。

拝殿の奥に鎮座される国指定重要文化財の本殿は三間社流造、こけら葺きで、室町時代:永正4年(1507年)の建立とされます。

江戸時代の記録では「胸形(宗像)大明神」とも称した古社。社殿額には「胸形大明神」の神名が刻まれています。

向拝彫刻は、逆巻く波を従えて大きく身をくねらせる龍。

木鼻彫刻は阿吽の麒麟

境内社「稲荷神社」。御祭神は『保食神』

鳥居の内より神域を守護されるのはお顔の大きな神狐さん一対。

「日本書紀によれば、垂仁天皇の皇子『誉津別(ほむつわけ)』は、三十歳になっても言葉を発する事が出来なかったが、ある日、空を飛んでいる「鵠(くぐい)」をご覧になり、「あれは何という鳥か」と言葉を発せられた。天皇は大いに喜ばれ、『天湯河板挙(あまのゆかわたな)』に、この鵠の捕獲を命じた。彼はこの鵠が飛び行く国々を追って廻り、但馬国(出雲の説も有)で捕らえ、天皇に献じた。その功績により『天湯河板挙』は、鳥取連(ととりのむらじ)の祖神となった。」境内案内より
コウノトリ伝説とよく似た話は各地にあり、代表的な地が「鳥取」。古代、白鳥を捕らえて朝廷に献上する「鳥取部」に由来し、捕らえる場所も、現在の大阪・三重・岐阜・福井・岡山・島根・広島・熊本と広く日本中に分布しています。 ただし、これらの伝説では「白い大きな鳥=白鳥」であり「コウノトリ」と明記されているのは但馬のみです。

拝殿内に保存されていた御神輿。かなり古いもののようですが、大切にされてきたのがとても良く分かります。

古来よりこの一帯は、「コウノトリ」が数多く大空を舞っていた地域だったそうです。「コウノトリ悠然と舞うふるさと」を合言葉に続けられた取り組みは、徐々に実っています。いつの日か、この上空を舞うたくさんの「鵠=コウノトリ」を見られる日が来ますように。

参拝日:2011年3月30日

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御神名一口メモ

『久久遅命(くくのちのみこと)』、伊耶那岐・伊耶那美二神の神生みによって、風の神・山の神・野の神と共に生まれた木の神。 

『天湯河板拳命(あめのゆかわたなのみこと)』、山城国の「鳥取連(ととりのむらじ)」、伊勢国の「美努連(みぬのむらじ)」、河内国・和泉国の鳥取氏の祖とされる。

コメント (2)
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