天然居士のとっておきの話

実生活には役に立たないけど、知っていると人生が豊かになるような話を綴りたいと思います。

人類最古の録音

2015-11-14 | Weblog
 録音と言うと、
 やはり発明王トーマス・エジソンが発明した
 蓄音機が思い出されます。
 1877年12月6日、初めてエジソンが自分の声を録音し、
 再生する事に成功しました。
 しかし、再生は出来ないのですが、
 録音だけ出来る機械ならば、
 それ以前に発明されていました。

 それは、フォノトグラフと呼ばれる機械で、
 1857年にフランス人の
 エドゥアール=レオン・スコット・ド・マルタンヴィルによって、
 発明されていました。
 この機械は、ススを塗布した紙の上に樽状の箱を設置し、
 この箱の底が音によって振幅したものを針に伝え、
 この針で紙を引搔いて音声を記録することができるものです。
 再生出来ないのにどうしてと思われる方もいるかも知れませんが、
 音の性質を図形で記録する事により、研究するためのものでした。
 さらにその後、ガラス板の煤の上に記録を残すようになり、
 保存出来るようになりました。

 この録音を、
 2008年3月28日、フランス科学アカデミーが
 再生に成功したと発表しました。
 21世紀の技術と米国の音声史学者、録音技師、
 科学者などの知恵を結集し、
 紙に刻まれたわずかな溝をデジタル画像で処理することで、
 その音は甦ったそうです。
 録音されていたのは、1860年4月9日に録音された
 女性が歌う、フランス民謡「Au Claire de la Lune(月の光)」で、
 約10秒間にわたり録音されていたとの事です。
 録音状態は素晴らしいとは言い難く、
 聴く人によってはイルカの鳴き声としか
 思えないかもしれないとの事ですが、
 フランス科学アカデミーによれば、
 これこそが世界最古の録音音声との事です。
 ちなみに、女性の名前は伝わっていないようです。
コメント (2)
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