天然居士のとっておきの話

実生活には役に立たないけど、知っていると人生が豊かになるような話を綴りたいと思います。

アフロディテの誕生

2012-08-23 | Weblog
 アフロディテは、 愛と美と性を司るギリシア神話の女神です。
 オリュンポスの山の頂に住む12神の内の神ですが、
 ローマ神話では、ヴィーナスと呼ばれていて、そちらの方が知られていると思います。

 アフロディテの父親は、ウラノスとされています。
 ウラノスは、ギリシア神話に登場する天空神で、
 全世界を最初に統べた王とされています。
 ウラノスはギリシア語で「天」の意味だそうです。

 ウラノスは、大地の女神であるガイアの息子であると同時に夫でもあります。
 ガイアとの間にクロノスなど多くの子をもうけますが、
 一つ目の巨人キュクロプスや、
 五十の頭と百の手を持つヘカトンケイルも二人の間の子です。
 ウラノスはその醜怪さを嫌い、彼らを地獄タルタロスに幽閉してしまいます。

 我が子を幽閉されたガイアは大変怒り、
 鎌を用意して子供たちに渡し、一矢報いる策略を練ります。
 ある夜、ウラノスがガイアに覆い被さると、
 末子のクロノスがウラノスの男根を鎌で切り取り、切断された男根を放り投げます。
 この時、男性器にまとわりついた泡(アプロス)から
 アフロディテが生まれ、キプロス島に行き着いたとされています。
 何とも凄い話なのですが、これは古代ギリシアの詩人ヘシオドスが、
 紀元前700年頃に作った「神統記」と言う叙事詩に描かれた、
 アフロディテの誕生の話です。

 ホメロスによると、
 アフロディテはゼウスとディオネの間の娘とされていますが、
 やはりヘシオドスの話の方が面白いですね。
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天叢雲剣

2012-08-09 | Weblog
 天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)は、
 八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)と八咫鏡(やたのかがみ)と共に、
 皇室の三種の神器の一つとなっています。
 草薙剣(くさなぎのつるぎ)・都牟刈の大刀(つむがりのたち)とも呼ばれています。

 神話では、須佐之男命が出雲国で倒した
 八岐大蛇(ヤマタノオロチ)の尾から出てきた太刀でと伝えられていて、
 天叢雲という名前は、八岐大蛇の頭上に常に叢雲が掛かっていた事から付けられました。
 剣は須佐之男命から天照大神に奉納され、天孫降臨の際に瓊瓊杵尊に手渡されます。

 以降、皇居内に天照大神の御神体として八咫鏡とともに祀られていましたが、
 崇神天皇の時代に皇女豊鋤入姫命により八咫鏡とともに皇居の外に祀るようになり、
 途中で垂仁天皇の皇女倭姫命に引き継がれ、
 現在の伊勢神宮内宮に落ち着いたとされています。

 その後、倭姫命から、蛮族の討伐に東へ向かう日本武尊に渡され、
 日本武尊の死後、彼の妻宮簀媛によって、剣を祀るために熱田神宮が建てられました。
 現在も熱田神宮の奥深くに安置されていると言われています。

 江戸時代の神官が神剣を盗み見たとの記録があるそうで、
 これによれば長さは2尺8寸(およそ85センチ)ほどで、
 刃先は菖蒲の葉に似ており、全体的に白っぽく、錆はなかったとの事です。
 現代になってNHKが熱田神宮に取材に行きましたが、
 問題の神剣は見せてもらえなかったようです。
 
 平家滅亡の際に、壇ノ浦で二位の尼が腰に差して入水し、
 そのまま上がっていないとの説もあります。
 三種の神器全てが一度は海に没しますが、
 「吾妻鏡」には天叢雲剣だけを紛失したと記されています。
 しかしながら、この時に所持していた物は
 宮中で元々使用されていた模造品という説もあります。
 僕としては、熱田神宮の剣を学術的に調査すれば、
 また新たな事が分かるような気がするのですが・・・
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