ステージおきたま

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コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

『予兆 女たちの昭和序奏』菜の花座新作タイトル決定!

2018-02-27 09:18:18 | 菜の花座

 やっとこさ、新作の題名が決まった。って、おいおい、締め切り2日前だろが!?締め切り?んなもん、とっくにぶっ飛ばしちまったぜ。やれやれ、いつものことか。

 いや、ほれ、公演日が6月初めから7月中旬に大きくずれこんたろ、だったら、締め切りももっと先でもいいよね、その分、良いもの書くからさ、ってことで、取りあえず2週間、場合によっちゃ3週間、ことによると1か月・・・そんなことはないが、昨日から書き始めたから、なんとか3月半ばまでにゃ完成できるだろ。いや、させんなね!

 おお、忘れてたタイトルね。『予兆 女たちの昭和序奏』!ちょっといいんじゃないか?一昨年やった『女たちの満州』の続編ってわけじゃないが、昭和という時代を女たちがどう生きたか、ずっと興味があるもんだから。昭和と言っても、戦前、昭和前期、昭和4年から7年までの物語になる。

 この時期、何があったかって?その後を大きく左右する歴史的転換があったのよ。それは満州事変!関東軍の上層部が画策して、難癖つけるように侵略戦争を推し進めるきっかけとなった戦争だ。拡大には反対だった天皇の意思なんぞ、まるっきり無視して、現地司令部が次々に既成事実を積み重ね、軍中枢部のなし崩しに追認を得て、戦時体制になだれ込んでいったのさ。

 軍事は国会の権限外、天皇が直接統治するって統帥権ってやつね、この魔法の杖で軍は何でもやりたい放題になっちまった。もちろん、天皇の意見なんて棚上げでさ。軍がこんな身勝手な違法行為に突っ走れたか、って言えば、そりゃ国民の応援が一気に広がったからなんだ。満州は日本の生命線、これを合言葉に、お祭り騒ぎで軍の戦闘行動や満州国建国なんて侵略行為を煽り立てて行ったんだ。

 この転換に力を発揮したのが新聞とラジオ。それまで軍に対しては否定的、抑制的だった論調が、満州事変を境に一夜でぐるりと180度転回しちまった、ひでぇ話だ。当時の朝日、毎日のお先棒担ぎの記事なんてひどいもんだぜ。ここから一貫戦争賛美の旗ふりを続けて、日中戦争で中国全土に戦火を広げ、さらには太平洋戦争に突き進んで世界を相手に無謀な突撃をしてまうことになった。すべてはこの時の、方針変換がきっかけなんだ。この変節への痛切な反省があるから、今の朝日、毎日は権力に対してカウンターの位置を守り続けてるわけだけどね。

 この重大な転換点を、苦々しく思いつつ、文筆活動を続けていた人たちってきっといたはずだって思うわけだよ。それは男より、女たちかな、いや、そうあって欲しいってって願いが今回の作品のテーマだ。大新聞に対して弱小の婦人雑誌の記者たち。政治経済欄中心に対して家庭欄、婦人欄、ここらあたりに抵抗の拠点を見いだせないものかって思ってね。『予兆 女たちの昭和序奏』!

 「予兆」の言葉には、その後の彼女らが流されていく悲惨な時代への透視が暗示されているのは言うまでないが、実は今もまた、そんな「予兆」がリアルを獲得しつつある時代のようにも感じるんだな。その理由は、この作品のもう一つのテーマ、フェイクが魔物になって行く過程、にも関わっている。が、それについては、また別の機会に書こうとするか。

 10人の女たちが奏でた昭和序奏、いまようやく彼女たちは歩み始めたところだ。あっ、男たちも4人ほど、周辺をちらほらするけどね。

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