リベンジなったか？湘南国際マラソン

　あっ、ヤベッ！寝坊した。なんせモーニングコールなんてない安宿だから、初めてスマホアラーム掛けてみたんだ。そいつが、見事に失敗！起床目標の５時なんてさっぱり鳴らず、はっと目覚めればすでに６時過ぎ！うわっ、ち、遅刻かよぉぉぉ！川崎くんだりまで来て、レース走れずショボショボと帰るのか？

　と、焦って頭に血が上るのを、必死で言い聞かせて、大丈夫、駅まで１０分、待ち時間１５分、湘南電車で大磯まで５０分、シャトルバスが２０分、・・・なんとか、スタート時間にゃ間に合うんじゃないか。と、なりゃ、１時間余分に睡眠確保できたってことで、いいばかりじゃないか、なんて宥めすかして、大慌てで出発したら、なあんだ、車内にゃ、けっこうマラソン参加者も乗ってんじゃないか、いいんだこの時間で、って一安心。

　参加者２万人超の大会、やっぱ、待たされるわ！まず、大磯駅でシャトルバス乗るのに１５分、バスは渋滞で２０分、やっと降りたらそこから歩かされること１０分、荷物預けはスムーズだったが、トイレ待ちの行列で２０分！ようやっとレース集合地点にたどり着いたのはなんと、スタート５分前！でも、まだいい方さ、まだトイレ長い列だもの。

　スタート時間９時すでになってるのに、さっぱりアナウンスがない！てぇか、スタート地点、見えない！イベントステージの司会者まで、フルマラソンスタートしている模様です！って、おいおい。どこじゃどこじゃスタートラインは、グルグルダラダラ引き回されること２０分！道路の一角にちょっとしたお立ち台があって、斎藤さんだぞ、たちが声を張り上げていた。そうか、道路周辺の人家に気兼ねしてマイク使えないんだ、きっと。だったら、会場のすぐ横の道路をスタート地点にして、道路上にずらーっと１８０００人整列させればいいのに、なんて思いついたのは走り終わった後のこと。

　やれやれ走り始められた。これじゃ、正式タイムなんて関係ないな。記録は自分の時計で計測だ。

　多い！とにかく多い！！海岸沿いの片側２車線道路だけど、これだけの人間ひしめくとなると、ぎゅうずめだ。結局、自分のペースで走れるようになったのは、５キロ過ぎかな。それでも、いろんな走り方のランナーが周囲を囲んでいるから、仕方なく、右に左にかわしながら前に出る。こんなことすりゃ末の足失くすってわかっちゃいるけど、ああ、不安だ！

　なんたって、前回の大失態、悲惨なレースの記憶が生々しいからね、ともかく、走りきる、途中歩かない、で、できれば、５時間切る、ってことを固く心に秘めてひた走った。そう、ほんと、沿道の声援応えるでもなく、景色を眺めるでもなく、ただ、ただ路面を見つめ、体の調子に全神経を集中して、ひたひたと走った。ペースは６分３０秒／キロを守る。

　途中、トイレにも長ぁぁぁい列。これじゃ用足すのに５分じゃ済まんだろう、そんなゆとりはないんじゃ、おいらにゃ。次のトイレまで、いや、その次でもいいか？と先延ばしして、比較的空いていて、トイレの数も多そうな場所でトイレ休憩。待ち時間を利用して膝と太もものストレッチ、ただ時間つぶしてなるもんか。

　腹減ってきた。そうか、寝坊で泡食ってパン２個無理やり押し込んだだけだったもんな、そんじゃ、ここらで、おっ、レーズンだってよ、これ初めて。果糖が主成分だし、いいかも、とがばっと一掴み、しばらくはそれを口に運びつつ走った。元気でたぁ、いいぞ、エイドにレーズン。

　折り返しは江之島。おお、６０年ぶりだ。島への渡口はリゾート気分いっぱい！様々な店やホテルが立ち並んでる、うーん、やっぱり変わったもんだなぁ、なんて、写真をパチリ。でもあいにくの逆光だった。

　２０キロ過ぎのエイドステーションで小休止、いつも、この距離からガクッと足が重くなる。しっかり水分と栄養補給して、ストレッチ。走り始めたら、おい、なんか軽くねぇか？足。時計を見ると、６分１０秒を示している。ありゃ、これもしかして、調子いいってことじゃねぇの？両膝の違和感も、あるにゃあるが、痛みまでは進んでない。手をしっかり振ると、自然と足が前に出る。一人、また一人と先行するランナーを抜き去って行く。いいねぇ、飯坂じゃ屈辱まみれで抜かされてったからねぇ。

　ともかく、３０キロ、できれば、３２キロまでは休まずに走ろう、と心に固く決めて足を止めずに走る。ペースはやや落ちたが、大幅ダウンってことにゃなっていない。最後の小休止、腹ごしらえと水分補給とストレッチ。足が攣る兆候は見られない。これだと、用意した瞬間冷却材使わずに済むかもな。それと富士山！おおっ、なんて写真撮る余裕なんかもあったりして。微かに富士山！

　さすがに、ラスト１０キロは辛かった。いつもの通り、あと、９キロ、あと、８キロ、あと、・・・と残りの距離を念仏のように繰り返しつつ走る。途中、応援のおばさんが、自分の弱さに負けるなっ！って叫んでたけど、言われたかねぇよ、止まってる人間に。最後の折り返しまでの長いこと！それでも歩くことも足を引きずることもなく、ゴール！

　記録は４時間４０分５６秒！やったぜぇぇぇぇ！リベンジだぁぁぁぁ。あの屈辱のラスト３キロ徒歩を見返してやったぜ。５時間切れりゃ御の字だって思ってたら、この記録。いい年納めができたってことよ。それも、７０歳台最初のフルマラソンだぜ、ちょっとしたお誕生日祝いってことだろ。

　そうそう、今回上手く行った理由、総括しとかにゃな。まず、天気が味方した。気温１４度、日差し暖かく、風は微風。コースはほぼ平坦だし、エイドや給水所の設置も随所にあって心強かった。ただ、トイレの数は絶対的に不足だったけど。それと、コンプレッションタイツ着たことが成功だったな。後半、太もものあたりが心地よく締め付けられて暖かく感じた。これ、足の攣りと膝の痛みを防いでくれてたんだ、きっと。

　さっ、これで来年春のシーズンに向けて、レースの物色に入れるゾ！