現在、東京都美術館では『ボストン美術館の至宝展』が催されている。「フランス絵画」の
コーナーではクロード・モネ(Claude Monet)の作品が5点展示されているのであるが、
「くぼ地のヒナゲシ畑、ジヴェルニー近郊(Poppy Field in a Hollow near Giverny)」という
1885年に制作された作品がある。これは驚くべき作品だと思う。一見するならばヒナゲシ畑
による遠近法を利用しているように見えるのだが、印象派の作品を観賞する習いとして少し
離れて観るならば、ヒナゲシ畑のみならず奥にあるくぼ地まで色使いなどによって奥行きが
感じられるのである。いまだにモネに驚かされるとは。
(『くぼ地のヒナゲシ畑、ジヴェルニー近郊(Poppy Field in a Hollow near Giverny)』)