原題:『3人の信長』
監督:渡辺啓
脚本:渡辺啓
撮影:鈴木雅也
出演:TAKAHIRO/市原隼人/岡田義徳/相島一之/前田公輝/奥野瑛太/坂東希/髙嶋政宏
2019年/日本
史実に忠実そうで忠実でない時代劇について
有名な織田信長の肖像画を利用しながら、信長の影武者を演じている3人ともに月代をしていないということにどうしても違和感が残るのだが、若い観客には月代の方に違和感を感じるのかもしれない。でも常識で考えてしまうのならば明らかに3人とも信長ではない。
浅井長政を「あざいながまさ」と読ませ、いかにも史実に忠実のように装ってはいるのだが、信長の影武者たちを取り調べている、髙嶋政宏が演じる蒲原氏徳は永禄3年(1560年)の桶狭間の戦いで戦死しており、金ヶ崎の戦いがあった元亀元年(1570年)には存在しておらず、コメディ映画とはいえどこまで史実に忠実なのかよく分からない。
ストーリー展開はそれなりに面白くはあるが、牢屋に入れられる前にTAKAHIROが演じた「信長・甲」が蒲原氏徳たちに言い放った「歯」や「鉄」や「柱」や「蝋燭」などの「前口上」の意味が最後までよく分からなかった。