MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『アダムス・ファミリー』(2019年)

2020-10-31 00:46:31 | goo映画レビュー

原題:『The Addams Family』
監督:コンラッド・ヴァーノン/グレッグ・ティアナン
脚本:マット・リーバーマン
出演:オスカー・アイザック/シャーリーズ・セロン/フィン・ウルフハード/クロエ・グレース・モレッツ
2019年/アメリカ

アダムス家の「活かし方」について

 そもそも「アダムス・ファミリー」が漫画なのかあるいは実写として認識されているのか分からないのだが、世界的には『アダムス・ファミリー』(バリー・ソネンフェルド監督 1991年)の大ヒットでこの家族の存在は知られたと思う。個人的にはさらにブラックユーモアが加味された『アダムス・ファミリー2』(バリー・ソネンフェルド監督 1993年)の方が良かったと思うのだが、この二作目が興行的に失敗したために、このシリーズは長い間映画化されなかったのであろう。
 そしてようやく今回アニメーションとして映画化されたのであるが、アニメということでアダムス家とその他の人間たちのキャラにそれほど違いが感じられない。
 『アダムス・ファミリー2』の失敗が影響しているためか、本作はリアリティ番組の司会者であるマーゴ・ニードラーが街中に仕掛けていた隠しカメラを通じて、アダムス家だけでなく誰もがおかしな部分があるという子供向けの「教育ビデオ」のようになってしまっている。
 せめて続編はティム・バートンに任せてみてはどうだろうか。


  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『ダーティハリー4』

2020-10-30 00:59:38 | goo映画レビュー

原題:『Sudden Impact』
監督:クリント・イーストウッド
脚本:ジョゼフ・スティンスン
撮影:ブルース・サーティース
出演:クリント・イーストウッド/ソンドラ・ロック/パット・ヒングス/ブラッドフォード・ディルマン
1983年/アメリカ

「白さ」にまつわる事件の予感について

 今回ダーティハリーシリーズを見直してみて、やはり「ダーティハリー4」が一番良かったと思う理由として、光と影のコントラストを強調した映像も魅力的だが、「白」を引き金とする事件の起こし方が秀逸のような気がしてならない。
 例えば、冒頭で主人公のハリー・キャラハンが行きつけのカフェでブラックコーヒーを頼むのだが、何故かウェイトレスがキャラハンのカップに砂糖を入れ続け、その砂糖の「白さ」が直後の事件を予感させるのである。
 あるいはマフィアのボスのスレルキスの孫娘の結婚式場に乗り込んだキャラハンは殺害された娼婦のリンダ・ドーカーの書き残したメモを背広の内ポケットからスレルキスの目の前で出し、それを見たボスが心臓発作を起こすのだが、キャラハンが持っていた手紙は「白紙」なのである。
 その後、ボスの仇を取ろうとする部下たちに命を狙われるキャラハンが追ってから身を隠したように見えたものは「白い」収納ボックスで、同僚のホラス・キングがくれたパグ犬は白く、終盤においてもキャラハンの目の前で降ろされたクルーガー家の魚屋のシャッタは白く、その直後にキャラハンは襲われるのである。
 この監督の「白」に対するこだわりが、作品を決して「物語」に飲み込ませず、あくまでも「画面」に執着する強い意志を感じさ、クリント・イーストウッドを映画監督として信用してもいいのではないかという気を起こさせるのである。


  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『ペイルライダー』

2020-10-29 00:47:45 | goo映画レビュー

原題:『Pale Rider』
監督:クリント・イーストウッド
脚本:マイケル・バトラー/デニス・シュラック
撮影:ブルース・サーティース
出演:クリント・イーストウッド/マイケル・モリアーティ/キャリー・スノッドグレス
1985年/アメリカ

クリント・イーストウッド流「黒澤明時代劇」について

 冒頭のシーンは1880年頃のカリフォルニア州で黄金の採掘で巨大業者に成り上がっていたコイ・ラフッドがカーボン峡谷の採掘権を持っているハル・バレットが率いる小さな集団を追い出して採掘権を奪おうと刺客たちを送るけっこう長尺のものだが、そのシーンはおそらく『七人の侍』(黒澤明監督 1954年)のクライマックスの決戦シーンをイメージして撮られたものであろう。実際に、その後牧師のなりで現れたクリント・イーストウッドが演じる男の出現に対抗するためにラフッドは悪徳保安官のストックバーンが率いる「七人のガンマン」が現れるのである。
 本作のクライマックスは牧師が「ガンマン」たちを次々と倒していった後に、ストックバーンと差しによる早撃ちの対決となり、牧師は徐々にストックバーンとの距離を詰めていき、最後は近距離でストックバーンに大量の銃弾を浴びせるのだが、それは当然『椿三十郎』(黒澤明監督 1962年)のクライマックスの椿三十郎に斬られた室戸半兵衛の体から噴き出した血飛沫を想起させるものであり、牧師はまさに椿三十郎の「影武者」のように見える。
 つまり本作は黒澤明の時代劇をクリント・イーストウッドの解釈で撮られた作品と捉えるべきものだと思うのである。


  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『夜の訪問者』

2020-10-28 00:27:58 | goo映画レビュー

原題:『De la part des copains』 英題:『Cold Sweat』
監督:テレンス・ヤング
脚本:ドロシア・ベネット/ジョー・アイシンガー/シモン・ウィンセルベルグ
撮影:ジャン・ラビエ
出演:チャールズ・ブロンソン/リブ・ウルマン/ジェームズ・メイソン/ジル・アイアランド
1970年/フランス・イタリア

アクションの徹し方について

 パリ祭を背景にフランスのニースのコートダジュールを舞台にした「問題作」である。
 作品の前半は主人公で船のインストラクターをしているジョー・マーティンと妻のファビエンヌが暮す家に、かつてのジョーの仲間だったホワイティが押し入ってくる「密室劇」で、後半は主犯のロスを救出するためのカーチェイスと、追ってくるカタンガを撒くために娘のミシェルと共に逃げるファビエンヌが草原に火を放ちCG抜きの大火災となるスペクタクルで、こういう作品こそ映画館で観るべきなのである。
 ところがこの作品には不可解な演出があって、何故ジョーがロスの愛人であるモイラとファウストが空港で待ち合わせることを知っているのか説明描写がないのである。さらにロスたちが泊りがけの課外授業を受けていたミシェルを誘拐するシーンも描かれていないところを見ると、それらのシーンは公開前にカットされたのかもしれない。
 因みに原題の意味は「仲間の一人について」といった意味である。


  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『mid90s ミッドナインティーズ』

2020-10-27 00:59:05 | goo映画レビュー

原題:『Mid90s』
監督:ジョナ・ヒル
脚本:ジョナ・ヒル
撮影:クリストファー・ブローヴェルト
出演:サニー・スリッチ/キャサリン・ウォーターストン/ルーカス・ヘッジズ/ナケル・スミス
2018年/アメリカ

アメリカにおけるスケートボードの重要性について

 どこかで観たことがあると思っていたら、ドキュメンタリー映画ではあるが『行き止まりの世界に生まれて』(ビン・リュー監督 2018年)と同様にスケートボードをモチーフにした作品で、例えば、主人公のスティーヴィーが仲間を作るきっかけはスケートボードで、弟を交通事故で失い家に閉じこもっていたレイを外出させるために親友のファックシットがスケートボードで誘うのを見ても、スケートボードはアメリカにおいて仲間をつくる重要なアイテムの一つなのかもしれない。
 しかしスティーヴィーが「ギャップ」に失敗して転落したことをきっかけにルーベン、レイ、ファックシット、フォース・グレードたちの仲間に「正式」に加えてもらったにも関わらず、グループ内の自分の立場を脅かす存在になったスティーヴィーを歓迎できないルーベンとは却って関係がぎくしゃくしだし、プロのスケートボード選手と談笑しているレイとそれを快く思えないファックシットの仲も険悪になるところがグループの関係の難しさであろう。
 靴下も買えないほど困窮しているフォース・グレードがハンディカメラを持って撮影しているのが納得しかねるところではある。
 作品内で使われていたモリッシーの「ウィル・レット・ユー・ノウ」を和訳しておきたい。

「We'll Let You Know」 Morrissey 日本語訳

僕たちはどのようにして悲しむのか?
僕たちはどのようにして悲しんできているのだろうか?
僕たちは君に知らせるつもりだ
僕たちは君に知らせるつもりなんだ
でも君が本当に興味があればの話だけれど

今まで僕たちがどのように死なずにいれたのか
君は不思議がっている
僕たちは君に知らせるつもりだ
僕たちは君に知らせるつもりなんだ
でも君が本当に興味があればの話だけれど

僕たちは全員で笑い
そして、正直に、僕は誓うけれども
それは僕たちに敵意をもよおさせる回転式改札口のようなものだ

僕たちは自分では抵抗できない者たちを急襲するんだ

僕たちが歌う歌は
大した意味を持っているわけではない

僕たちは冷たいように見えるかもしれない
僕たちは君が今まで知り合ったなかで
最も重苦しい人物なのかもしれない
悲惨なことに僕たちは心に残したものを知っている
僕たちは君が今まで知り合ったなかで
最後の本物の英国人なんだ
僕たちは君が今まで知り合ったなかで
最後の本物の英国人なんだ

君は決して知りたくはなかっただろうが

Morrissey - we'll let you know (live)


  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

菅首相の政治家としての覚悟の「無さ」について

2020-10-26 00:18:29 | Weblog


(2020年10月21日付毎日新聞朝刊)

 菅義偉首相が野党時代の2012年に刊行した単行本『政治家の覚悟』を改訂した新書では、旧民主党政権が東日本大震災時に、会議で十分に議事録を残していなかったことを批判し、「千年に一度という大災害に対して政府がどう考え、いかに対応したかを検証し、教訓を得るために、政府があらゆる記録を克明に残すのは当然で、議事録は最も基本的な資料です。その作成を怠ったことは国民への背信行為」などと断じていた部分は削除されたらしい。どの口が言っているんだという感じだが、ここで問題となるのはそういうことではないと思う。議事録の改竄や隠蔽、証拠隠滅などは安倍政権からの常套手段でいまさら驚くべきことではないからである。
 『政治家の覚悟』を出版した文春新書編集部はこの件に関して「官房長官時代のインタビューなどを加えて新たに編集したものであり、特定の文言の削除を意図したものではありません。本の総ページ数など全体のバランスを考えた上で、編集部の判断で割愛しました」と回答している。ここで思い出すのは先日の日本学術会議の任命拒否問題である。菅義偉首相は、6人が除外された99人分の推薦者名簿を決裁直前に見ただけで105人全員分の推薦者名簿は見ていないと発言しており、6人を除外したのは杉田和博官房副長官ということなのである。
 つまり菅義偉首相はいざという時には責任を文春新書編集部や杉田和博官房副長官になすりつけられるように用意は周到なのである。自ら立候補して国のトップに立っていながら何としてでも責任だけは逃れようとしている男をどのようにして信用すればいいのだろうか?
 『政治家の覚悟』とは菅首相の政治家としての覚悟の「無さ」が書かれているのだと思う。
gooニュース
https://news.goo.ne.jp/article/dailysports/entertainment/20201022122


  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「I'm A Man」 The Spencer Davis Group 和訳

2020-10-25 00:32:10 | 洋楽歌詞和訳

I'm A Man - Chicago (Leonid & Friends cover)

 スペンサー・デイヴィス・グループの「アイム・ア・マン」も和訳しておきたい。以前から

ドゥービー・ブラザーズ(The Doobie Brothers)の「ロング・トレイン・ランニン(Long Train Runnin')」と

「アイム・ア・マン」が似ているような気がしていたのだが、問題にはなっていないようである。

影響を受けて「ロング・トレイン・ランニン」は生まれたと思うけれど。

「I'm A Man」 The Spencer Davis Group 日本語訳

俺の「たまり場」は散らかり放題で
頬髯は顎まで達している
俺は音楽に憑りつかれていて
いつも女を口説くために演奏する
俺は自分の時間を使い切り
愛する暇などありはしない
ただ麻薬のような痺れるものを生み出すために座っている

そう
俺は一人前の男だから
それくらいおまえを愛さずにはいられないんだ
そう
俺は一人前の男だから
それくらいおまえを愛さずにはいられないんだ

もしも俺に重大な選択を委ねるのならば
俺は娼婦たちと一緒にいたいね
心の中でくだらないおしゃべりに夢中になっている奴らはみんな
俺たちの心がツッコむ点を晒し
俺たちが出会ういかした女の子たちとの全ての関わり合いを
突っぱねることで
お互いに俺たちの意志がどれほど強いか示すんだ

そう
俺は一人前の男だから
それくらいおまえを愛さずにはいられないんだ
そう
俺は一人前の男だから
それくらいおまえを愛さずにはいられないんだ

俺が人間とは思えず
俺の心が石でできているのではないのかと
疑っている見知らぬ男たちで
満ち溢れている王国の方を向いている王座の上でじっとしながら
俺は自分自身のイメージを保っていなければならない
俺には今まで問題は全くなかったし
俺のトイレは黄金で装飾されているのだから

そう
俺は一人前の男だから
それくらいおまえを愛さずにはいられないんだ
そう
俺は一人前の男だから
それくらいおまえを愛さずにはいられないんだ

Chicago Transit Authority (aka Chicago) - I'm A Man (1969)

Doobie Brothers - Long Train Runnin' (From "Live At The Greek Theatre 1982" DVD & CD)
gooニュース
https://news.goo.ne.jp/article/sponichi/entertainment/sponichi-spngoo-20201022-0090


  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「Gimme Some Lovin」 The Spencer Davis Group 和訳

2020-10-24 20:02:59 | 洋楽歌詞和訳

Steve Winwood - "Gimme Some Lovin" (2020)

 スペンサー・デイヴィス・グループの「ギミ・サム・ラヴィン(愛しておくれ)」も和訳しておく。

因みにこの曲はラヴソングではなくドラッグソングである。

「Gimme Some Lovin」 The Spencer Davis Group 日本語訳

俺の体温は上がっている
俺は玄関前に立っている
20人の野郎たちが玄関をノックしている
だって彼らはもっと欲しいのだから
どうか俺を入れて欲しい
おまえが何を手に入れたのか俺は知らないが
そうむきになるなよ
この場所が楽しいんだ

俺たちが上手くやれて俺はとても嬉しいよ
俺たちが上手くやれて俺はとても嬉しいよ
おまえは俺にも少しは愛を与えなければならないんだ
俺にも少しは愛を与えて欲しい
俺にも毎日少しは愛を与えて欲しいんだ

俺はとても気分が良くなった
全てが楽しく聞こえている
そうむきになるなよ
この場所は熱中の渦の中だ
大変な一日で
俺は何をするべきなのか分からない
ちょっと待ってくれよ
それはおまえにだって起こりえることなんだから

俺たちが上手くやれて俺はとても嬉しいよ
俺たちが上手くやれて俺はとても嬉しいよ
おまえは俺にも少しは愛を与えなければならないんだ
俺にも少しは愛を与えて欲しい
俺にも毎日少しは愛を与えて欲しいんだ

俺はとても気分が良くなった
全員がハイになっている
そうむきになるなよ
この場所は熱中の渦だ
大変な一日で
絶好調なものなんて何もなかったよ
今俺は寛ごうと思う
みんなもそうしろよ

俺たちが上手くやれて俺はとても嬉しいよ
俺たちが上手くやれて俺はとても嬉しいよ
おまえは俺にも少しは愛を与えなければならないんだ
俺にも少しは愛を与えて欲しい
俺にも毎日少しは愛を与えて欲しいんだ
gooニュース
https://news.goo.ne.jp/article/dailysports/entertainment/20201021115


  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「Keep On Runnin'」 The Spencer Davis Group 和訳

2020-10-23 00:59:15 | 洋楽歌詞和訳

Le Spencer Davis Group "Keep on running"

 スペンサー・デイヴィス・グループの「キープ・オン・ランニング」を和訳しておきたい。

「Keep On Runnin'」 The Spencer Davis Group 日本語訳

走り続ける
匿い続ける
いつの日か僕は君の理解を得られる者になるつもりだ
僕は君の恋人になるつもりなんだ

走り続ける
僕の腕から走り出す
いつの日か僕は君の理解を得られる者になるつもりだ
僕は君の恋人になるつもりなんだ

誰もが僕に関する噂をしていて
僕はひどく落ち込む
誰もが僕をせせら笑うから
僕はうんざりしてしまう
走り続けるならば大丈夫だ

走り続ける
僕の腕から走り出す
いつの日か僕は君の理解を得られる者になるつもりだ
僕は君の恋人になるつもりなんだ

誰もが僕に関する噂をしていて
僕はひどく落ち込む
誰もが僕をせせら笑うから
僕はうんざりしてしまう
走り続けるならば大丈夫だ

走り続ける
僕の腕から走り出す
いつの日か僕は君の理解を得られる者になるつもりだ
僕は君の恋人になるつもりなんだ

Keep On Running Spencer Davis Group cover Sarah Collins
gooニュース
https://news.goo.ne.jp/article/rollingstonejapan/entertainment/rollingstonejapan-34814


  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『慕情』

2020-10-22 00:30:25 | goo映画レビュー

原題:『Love Is a Many-Splendored Thing』
監督:ヘンリー・キング
脚本:ジョン・パトリック
撮影:レオン・シャムロイ
出演:ジェニファー・ジョーンズ/ウィリアム・ホールデン/イソベル・エルソム/トリン・サッチャー
1955年/アメリカ

恋人の金言の出所について

 主人公のハン・スーインが恋人のマーク・エリオットとマカオに旅行した際にマークが暗唱する詩はイギリスの詩人のフランシス・トンプソン(Francis Thompson)の「The Kingdom Of God(神の王国)」である。この詩を和訳する意味があるとするならば原題が紛れ込んでいるからである。「」が引用されたフレーズである。

「The Kingdom Of God」 Francis Thompson 日本語訳

目に見えない世界よ
私たちは汝を見る
触れることができない世界よ
私たちは汝に触れる
知ることのできない世界よ
私たちは汝を知る
私たちは不可解な汝をしっかり抱く

魚は大海を見るために飛翔するのか
鷲は大気を見つけるために急降下するのか
もしも彼らがそこで汝の噂を聞くのならば
私たちは止まることがない星々にそれを訊ねる

輪転するシステムが翳りを見せるような場所ではない
私たちの麻痺した想像が高揚する!
私たちは傾聴するだろうか?
漂流する翼が土で閉じられた私たち自身のドアを叩く音を

天使たちは自分たちの古来からの場所を守り
石から変化した翼が起動する!
それこそ汝らだ
「それこそ見慣れなくなった汝らの顔が
その最高のものを見逃す(That miss the many-splendored thing)」

しかし(あまりにも悲し過ぎてこれ以上汝が悲しめない時)
汝の堪えがたい喪失による悲慟が
天国とチャリングクロスの間を敷石で舗装した
ヤコブのはしごの往来に光りを照らすはず

さよう
夜の私の魂と私の娘は
天国の縁にしがみつきながら悲嘆する
みよ
水の上をキリストが歩いている
それはゲェネサレス(Genesareth)のものではなく
テムズ川の水である

Francis Thompson "The Kingdom of God" Poem animation


  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする