敏腕Pの日々のつぶやき

テアトルシアター代表。担当舞台作品について他、演劇やスポーツ等々の雑感を気の向くままに。

貴公子

2024年05月03日 | 鑑賞

「貴公子」。

下北沢のはずれを拠点とする

某劇団の看板俳優Nを想起するが、

彼の話ではなく……

 

〈予想もしなかった運命に翻弄され、

巨額の遺産相続争いに巻き込まれた

貧しい青年マルコ。

彼の前に現れた美しい顔立ちの男

“貴公子”は味方か? それとも悪魔か?


次々と傑作を放つ韓国映画界から

新たなアクションノワールが登場〉

……と公式HP冒頭をほぼ写してみた。

 

監督/パク・フンジョン

(『新しき世界』『THE WITCH/魔女』)

主演/キム・ソンホ

出演/キム・ガンウ、コ・アラ、

カン・テジュ他

 

 

観た日が、この館(上の写真)での最終日。

ポストカードが枚数限定でプレゼント

と映画館からは告知されていたけれど、

人気俳優の映画初主演作ゆえ

半分諦めつつ階段を上がったのだが、

ラッキーにも頂くことができた。

平日15時お尻からの上映とはいえ、

200のシートに5人程度の入り。

演劇もまだ苦戦しているけれど、

筆者のごく近い公演は完売の回も多い。

たまたまこの回だけなのか、

少々心配になる客席ではあった。

 

あらゆる物価が上がる時世に

映画も昨年から2000円になっている。

『貴公子』を鑑賞したのは中箱で

1900円ながら、庶民のオサイフ事情の

苦しさの影響はゼロではないはずと、

頭の半分で思いながら予告を眺めた。

 

客入りの話はこのへんで。

 

 

カーチェイスで車が走り、

さらにマルコ役のカン・テジュ、

それを追う貴公子キム・ソンホも

走る、ハシル、はしる……。

 

ハリウッド流の緩急至上主義が

徹底されている韓国映画らしく、

フルスピードののちユル〜い笑いを

巧く差し込み、物語の穴に気づかせず

ラストまで観客を引っ張ってゆく。

 

〈莫大な遺産をめぐるバトルと駆け引きは

観客の予想を裏切る展開の連続〉という

謳い文句はやや過剰だけれど、

よい意味で《良質なB級映画》でした

コメント
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