たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

スサノオ・ライン

2019-03-24 09:38:50 | 出雲の神社

 

<佐世神社 させじんじゃ>

 

「スサノオ・ライン」と呼ばれるその道筋は、

朝日たたらで有名な佐田町、

一つ目神の伝承が残る大東町、

そして鋼の町・安来市安来町付近を

一直線に貫く「メタルロード」でもあります。

そして、興味深いことにそれらのどの土地にも、

スサノオに縁する神社や言い伝えが存在するなど、

スサノオ信仰との強い結びつきが伺えるのですね。

 

先日、金屋子神に関する記事の中で、

「スサノオが本当に守りたかったのは、

無計画なタタラ操業によって切り倒された山々だろう」

といった内容の文章を書きましたが、

それを前提に考えるなら、このライン上の山々では、

砂鉄の利権だけでなく、森林資源を巡る攻防が

繰り広げられていたとも想像できます。

 

恐らく、最初に「タタラ」という

最新の製鉄技術を持ち込んだのは、

スサノオ信仰とともに来日した渡来人たちであり、

その多くは奥出雲の先住民に技術を伝授しながら、

採取した砂鉄を「平和利用」していたはずです。

その後、奥出雲の資源を荒らし始めた

「越の八口」の一団と、スサノオ信仰を持つ

人々との争いがスサノオ・ライン上で勃発し、

幾多の「ヤマタノオロチ」の話を

生み出した可能性もありそうですね。