<内宮 ないくう>
「九里きて九里きて九里かえる」という文句は、
いわゆる「埋蔵金」を示す枕詞だと言われています。
徳島県のお隣・高知県の安芸郡東洋町には、
「九里いて九里きて九里かへる 旭かがやく白い椿の咲く丘に」
という歌があるそうですが、
これは盗賊が隠した埋蔵金のことを指しているのだとか。
また、同じく高知市朝倉の鵜来巣山の近辺に伝わる
「朝日夕日さす椿の下に黄金千両漆七桶」
という言い伝えに関しても、「九里……」と同様、
埋蔵金の在処を暗示するフレーズだと聞きます。
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九里きて、九里行って、九里戻る。
朝日輝き、夕日が照らす。 ない椿の根に照らす。
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邪気を払う力が強い椿という植物は、
神社仏閣の境内に植樹されたり
榊の代わりに神事に使用されたりと、
古くから霊樹として崇められてきました。
そして、「朝日夕日さす」という文言を、
枕詞に持つことからもわかるように、
椿の木は太陽信仰と深くつながる
聖なる樹木でもあったのですね。