治しやすいところから治す--発達障害への提言

花風社・浅見淳子のブログ
発達障害の人たちが
少しでもラクになる方法を考える場です。

重い子の言語療法

2019-03-28 09:06:50 | 日記
ツイッターで「40年先生と重い子の言語療法どっちがいい?」とアンケートを取ったら重い子の言語療法について書いてほしいというお声があったのでこっちを書きますが、ツイッターでも言ったようにたいしたことは書けないのです。別に私は現場を見たわけではないし。

このことを思い出したのはついっ友にして花風社クラスタのアルパカさんご子息がSTを卒業になったという朗報を目にしたからです。おめでとうございます!

2年前は知的障害、支援級も無理、一生福祉の世話に、と言われていたのに花風社の言葉以前のアプローチ栄養療法その他に親子で取り組んだ結果発達検査の数値も伸び言葉も出たのであとは時折凡医を問い詰めに行くだけでよいようです。ぱちぱちぱち。これがDSM-5の言っていた正しい知的障害の予後ですね。日本では紹介されてないけどな。

そしてこの朗報がもたらされ私が祝福したのはアルパカジュニアだけではありません。

こうやって治る子が治っていけばいつか重度の子も言語療法のチャンスが来るかも、と思ったのです。

川崎だか横浜だかどっかこのへんでは知的に四歳に達していないと言語療法が受けられないそうです。つまり「やってもムダ」だと思われるのですね。

なんと差別的な、と思いますが考えてみれば東田さんをインチキ扱いしている凡医山猿烏賊山においては内言語なんてないんでしょうから、東田さんインチキ扱いという差別心が「重い子には言語療法を与えない」という「標準療育」になっているようですな。アルパカジュニアは支援級も無理と言われていたけどそこまで重くなかったのか、あるいは自治体によって違うか、あるいは凡医が同じ病院内のSTを営業したか、なんかだと思います。ホームランバー医師がかかわりのある病院でコンサータもらった人をカラス病院の依存症外来にキャッチセールスしたようなもんかもしれません。

まあともかくアルパカジュニアとか、それくらいの子がどんどん治れば、いつかは重い子にも言語療法のチャンスが来るかもしれません。それが役に立つ子もいるかもしれません。アルパカジュニアの場合にはそっちより他の方法が役に立ったようですが。

というのは、言語療法はなんかうがいからとかやるようですが、そういうSTが持っているノウハウを持っていない家庭もあるので、効くこともあるでしょうからね。

措置時代、言語療法はムダと見なされたレベルの人は大人になって入所施設に入れられることが多かったと思います。

そしてそこでラッキーなことに、愛甲さんに会った人たちもいます。
一応更生施設ということになっているので、更生的な何かをやることになり、アリバイ的などうでもいい支援もあったんでしょうけど、中には愛甲さんに巡り会った幸運な人もいます。

そういう人はしゃべれるようになったりしています。そして入所施設を出てより独立性の高い住居に移るという夢をかなえたりしています。つまり、重いからってあきらめられず小さいときにことばの指導を受けていたらまた違った人生だったのかもしれないのです。

やはり治るは正義ですね。自分のうちにとってだけじゃなく、よそのうちにも正義。

と、ただそれだけなんですけど。

今のところ花風社の本で言葉が出たという実績をよくきくのは『脳みそラクラクセラピー』と『人間脳を育てる』ですね。

とくに『人間脳を育てる』のふくらはぎの話。灰谷さんからきいたときは「へえそうなの」としか思わなかったんですけど載せといてよかったですね。というのは、あれで言葉が出たという人が結構いるからです。

何より家でできて無料ですからね。

個人的には『人間脳の根っこを育てる』もおそらく言語によい影響があると思っています。