治しやすいところから治す--発達障害への提言

花風社・浅見淳子のブログ
発達障害の人たちが
少しでもラクになる方法を考える場です。

zoom講座「医者が教えてくれない育ちのアセスメント」参加募集中です!

2020-08-30 10:25:28 | 日記
お世話になっております。花風社の浅見です。

かねてより告知していたとおり、花風社ではこのたび、
・栗本啓司さん
・大久保悠さん
の対談をzoomにてお届けすることになりました。
テーマは「医者が教えてくれない育ちのアセスメント」です。
その企画意図はこちらのブログをごらんくださいませ。



お子さんが育ちのどの段階にいるのか。
それをつかむと発達のためにできることがなにか、見えてきます。
そしてそのアセスメントの方法は、知能検査等とは異なった生活の中での観察に基づいていますので、病院ではあまり教えてはくれないようです。
むしろ親御さんだからこそできる事が多いようです。
全国でたくさんの方々から呼ばれ、お子さんの育ちを支援しているお二人に「家庭でできるアセスメント」について語っていただきます。

日時 9月13日 (日曜日)
13時半から15時半くらいまで

講師
栗本啓司氏(からだ指導室 あんじん)
大久保悠氏(てらっこ塾)

料金

パターン1 当日視聴のみ 3000円
パターン2 当日視聴+事後録画2週間視聴 4000円
パターン3 当日視聴せず事後録画2週間視聴 4000円

と設定させていただきます。
録画に際しては万全を期し、複数のバックアップ録画を撮る予定ですが、今回講師お二人が離れて暮らしているため、再録は難しいです。
万が一録画が撮れなかった場合には、パターン2の方には4000円のお振り込みのうち1000円を次回以降の花風社講座にお振り替えとさせていただきます。
パターン3の方は、録画が成功した場合、「治そう発達障害どっとこむ」にてお知らせいたしますので、全額をなるべく早くお振り込みください。
ご入金確認次第動画URLをお送りいたしますので、早めのお振り込みが実質の視聴期間を長くします。

当日は見られないけれどもなるべく早く視聴できるように先立って振り込みたいという方は、9月13日以前のお振り込みをお願いいたします。
ただし録画が撮れていなかった場合には、全額を次回以降の花風社講座、あるいは「どこでも治そう」の諸企画にお振り替えいたします。
お振り替え希望の講座はお客様に選んでいただけます。
またこの場合主催者間の送金手数料は花風社が負担いたします。

お申込方法

1 お名前
2 配信先メールアドレス
3 ご希望のパターン

をお書き添えの上、zoom★kafusha.com
(★を@に変えてメールお願いします)

までメールにてお申込ください。
振込口座をご存じの方はそのままお振り込みください。
ご存じない方はお問い合わせください。お返事いたします。
また、この他の企画として
主催者様は別ですが、下記の講座が予定されています。

8月29日

大阪にて藤家寛子さんと廣木道心さんの講演。
テーマは「脱支援のススメ」
詳細・お申込はこちら。



これは浅見も参加予定です。
zoomもありますので遠方の方でも受講できます。
また講演後一週間動画視聴可能ということですので当日聴けない方もチャンスです。


10月11日には
栗本啓司さんと浅見が四国に初上陸します。
高松にて講演とコンディショニング講座を行います。
四国の方、四国にアクセスのよい中国や関西の方
広々としたお城の大広間で人数限定で行われる貴重なコンディショニング講座にどうぞご参加ご検討くださいませ。
詳細・お申込はこちら。



その他10月3日の鹿児島講演も豪華です。
愛甲修子さん、南雲明彦さん、廣木道心さん、浅見淳子で鹿児島の伝統ある地で講演会を行います。
お申込、プログラムの詳細は主催者さんのブログをどうぞごらんください。


今後とも花風社の本と講演をよろしくお願いいたします。


「生涯にわたる支援」という洗脳

2020-08-30 10:20:38 | 日記
昨日8月29日、大阪のからだメンタルラボさんの主催で行われた
藤家寛子さん、廣木道心さんの講演会に現地参加してきました。
GoTo利用の安い日帰りツアーです。
安売りの成果か、新幹線はソーシャルディスタンスをばっちり確保しながらもそこそこお客はいた感じです。
今はちょっと個人的には暑すぎる気がしますが、インバウンドの人たちが本格的に帰ってくる前に、京都旅行なども気軽に行けるかもしれません。
この際だから行きたいところに行き、会いたい人に会っておくといいかもしれません。

藤家さんの話はもう何回も聴いているし、そもそも彼女が治った経過を見てきたわけですが、不思議なことに毎回新しい発見があります。
今回は「洗脳」というキーワードを得られました。

藤家さんの話を聴きながら、私の中で軽いフラッシュバックが起きていました。
決して悪質なものではありません。
そういえば「あの人たちはいずこに?」というフラッシュバックです。
発達障害者支援法前後のバブルで大活躍した人たちや組織。
毎週末行われた講演会。
その当時活躍していた人たち、他県から引っ越してまで頼った支援組織、それはいったいどうなったのでしょうか。最近噂すら聞きません。

藤家さんもそういう組織で支援を受け、そして自発性が高まるにつれ、むしろその自発性を抑えつけられる支援のあり方に疑問を抱き、その後は主体的に動いて今があります。
昨日の講演をzoomでごらんになった方たちが「(支援を受けていた人とは思えない)素敵なたたずまい」と書いていらっしゃいましたが、彼女の今の「たたずまい」は彼女が社会の中で役割を果たす上で獲得してきたものです。

一方で「生涯にわたる支援」をギョーカイは売り物にします。
それに安心できる人もいるのでしょう。その人たちは安心していればいいと思います。
私は先日治ったある方とお話したときのことを思い出します。
自閉症だと診断され、将来は作業所といったところに行くだろうと言われたとき
自分の子がまさか、と思った。
そんなところに送るくらいなら自分で職場作ってもいいと思った。
そして六歳までに治って、選択肢が広がったのです。

特別支援教育でさんざん手厚く?したあげく福祉に送り込む。
その実態をつぶさに見てきたのが廣木さんです。
放課後等デイ、就労支援、グループホーム、ガイドヘルパー、サービス管理者、施設長・・・
と立場を変えて廣木さんは色々な福祉の現場で働きました。
ご子息のおーちゃんさんは重度の知的障害+自閉症という診断をされながら、一貫して地域の学校に学び今はイラストレーターとして個展など開いていらっしゃいます。
地域の学校でできたお友だちが個展に来てくれたり、そういう自由な生活をしています。
廣木さんご家族は地域での暮らしにこだわり続けたけれども、福祉の実態を見ておきたくて様々な現場に身を投じられました。
そして藤家さんが悟ったのと同じ結論に至ります。

結局支援組織が一番支援したいのは自分たち。
どれだけ利用者を囲い続けて離さないか、それが彼らの営業活動である。

たとえば自動車会社だったら、自動車が500台売れるのと5000台売れるのでは売上が違います。
ところが福祉法人というのは、介護区分が重い人がたくさん確保できると儲かる仕組み。それだけ。
だから藤家さんも支援を抜けるとき、さんざん脅されたそうです。
もう困っても助けてあげないわよ。
それは当事者にとって怖いこと。
離れたらひどいことになるかも。だから自分の本当の望みや自発性を押し殺してもめんどりになりつづけるのが安全かも。
多くの人がこの圧に負けてしまっても仕方がない、と藤家さんは言いました。
支援を抜けるときに支援者がかけてくるそういう圧を藤家さんは「洗脳」と呼びました。
たしかに。「障害があるからずっと支援を受けなくてはいけませんよ」という思い込み自体に実は根拠はありませんし、それこそが洗脳なのですね。
でも飛び出してしまったら怖くないんですよね。
「恐怖感の克服」ということを廣木さんもおっしゃっていました。

お二人の対談パートはほとんどが質疑応答になり、現地組からもオンライン組からも活発な回答が寄せられました。
どこから情報を仕入れたのか、お二人のことを初めて知る方も参加してくださっていたようです。学校の先生とか。
初めての方がいきなり「脱支援のススメ」というエッジーな会に参加してくださるのは意外なことですが、それだけ制度が目詰まりを起こしているという問題意識は多くの方が抱えていると思います。
コロナ禍を経験したあとではなおさらです。
廣木さんは特別支援教育を「経済効果0」とおっしゃっています。そのとおりです。手厚い?支援をして挙げ句の果てに福祉に送り出すだけなのですから。
生涯にわたる支援を選ぼうと選ぶまいとそれぞれの自由。
ただ福祉の世界の金の仕組みは知ってから選んだ方がいいと思います。
福祉の真の利用者とはいったい誰か?
そこが話題になりましたね。

非常に実りある会でした。
現地に行って懐かしい顔にも、はじめましての方にも、お会いすることができてよかったです。

お越しいただいた皆様
藤家さん、廣木さん
主催の津田ご夫妻
ありがとうございました。

首都圏で子育てすることの有利さ(私見)

2020-08-12 10:39:01 | 日記
今回、新型コロナの流行が都市部で顕著だったことで
人が密集して住むことの危険等が浮かびあがってきたと思います。
今、「ホモ・サピエンス全史」という本をオーディオでぽつぽつ聴いていますが
ここでも農業始まる→定住→疫病
という流れが語られており
なるほどなあ、と思います。

狩猟採集民だったころのホモサピエンスはさほど疫病の危険にさらされなかった。
密接して定住するようになってから、ということです。

北海道で最初にはやって長野県では感染が少なかったのはなぜか?
それは北海道の方がずっと観光地として人気があるからです。
今長野県は他県排斥運動を必死にやっているようなので、私は首都圏民としてもちろん訪問を控えますし、なんだったら一生行かないどころか、スーパーで見る長野県産レタスさえ避けるようになりました。

私は「新しい生活様式」がすべて定着したら人類は種として弱くなるので最後には肉体の力が勝つだろうと思っていますが
いくつかは残しておいた方がいいものもありそうです。

それは通勤の制限ですね。
リモートワークやなんか。

私自身は20代の頃からそれを意識してキャリア形成をやってきたので
今回それが一気に報われた感じです。

なぜ20代の頃から意識してきたかというと、もう何度も書いていますが
年上のお姉様方(今の私より年下)がだんだん疲弊していくのを見ていたからです。
長く働き続けるには通勤に費やすエネルギーは無駄だと思いました。
同じようにエネルギー使うのでもジムで運動するとすかっとするけど通勤は疲れるだけだし。

そして今回テレワークが多くなって、「都会を離れても生きて行けるかも」と思う人が多くなり
茅ヶ崎とかの中古物件に見学が多い、みたいな話を聴きました。

でも鎌倉はあんまり行かないそうです。
都民もわかっているんですよね。
閉鎖的な土地柄は。

そしてコロナ禍が続くにつれ、他県ナンバー狩りや各自治体凡知事の閉鎖的発言も相次ぎ
今は「帰省警察」や罰当たりな「墓参り警察」も出てきたようで
なんだかんだ都会の方がいいな~という空気も形成され
地方は移住者を増やす絶好のチャンスを逃したかもしれないと思います。

では凸凹キッズの育ちにはどっちがいいのでしょう?
もちろんどちらにもいい点はあります。

田舎のいい点は、発達に欠かせない(と花風社クラスタが発見した)「名もない遊び」に手が届きやすいところです。

だから育ちそのものを見れば田舎は有利かもしれない。
ちょっと方向は違いますが、たとえば秋田県が教育熱心で学力高いとか、そういう風に田舎でもできることはたくさんあります。

でも私は、自分が都会育ちだからというのもあるだろうけど、凸凹キッズの将来が開けるのは都会、とくに首都圏だと思っています。

それはなぜか?

多様な成功モデルを間近に見ることができるから。

たとえば医者や教師を含む公務員がエリート という社会では
成功のパターンが限られており
その限られたパターンに能力が及ばない場合には
同調圧力に合わせておくことが処世術となるでしょう。

とくに学校で埋め込まれる「上の言うことを聴いていたら安泰」という地方公務員メンタリティを解毒することなく社会に出るのかもしれません。
我々民間人が、社会でやっていくためにまず壊さなくてはならないのは学校が仕掛けた「地方公務員養成講座」なのですが。

そして凸凹があると、それがなかなか難しいかもしれません。

ところが都会では教師を含む公務員はエリート層ではなく
医師免許を持っていない人で医師より年収の高い人は別に珍しくないので、医師が最高に尊敬される職業でもなく
むしろ腕の悪い医療者は軽んじられます。

そして、社会的に成功した人たちはむしろ同調圧力から自由な暮らしをしています。

私はこっちの世界を当たり前だと思って育ったので、「四大出た女子には教師しか道がない」みたいな同年代の地方の人たちが味わう閉塞感を知りませんでした。

また、うちの親戚でずーっと田舎に住んでいるおばさんが「医者の娘である」というのを生涯の誇りにしていて
80年生きてきて親の職業以外に自慢がないとはつまらない人生を送ってきたのだろうなあ、と身内ではあるのですがずっと心の中で軽蔑したのですが

今になるとあれも広い世界を知らずに生きてきた老婆だったからだ、とわかります。

あとになって知ったのは
地方は「成功モデル」が本当に乏しいということです。
そういう世界では視野が狭くなるし、非常に限られた成功のパターンから外れると、無力感を感じ、人と同じ事をなぞるのが精一杯になるだろうなと思いました。

首都圏で生きることの有利さは、色々なオプションがあるだけではありません。
多様な成功モデルを目にすることができることです。
成功っていったって大成功でなくていいのです。
たとえば満員電車から自由になっても食い扶持に困らないとか
嫌いなことはしなくて食べていけるとか
嫌いな人とつきあわなくても食い扶持に困らないとか
同調圧力に屈しなくても食べるに困らないとか
そういうささやかな成功です。

おそらく「コロナうつるから帰ってくるな」とか言うような田舎ではそういう自由はないと思うので
私が凸凹さんならやはり都会を選びますね。
それがこのコロナでどう変わるか楽しみに見守ります。


医者が教えてくれない育ちのアセスメント

2020-08-04 08:56:58 | 日記
私の独断の仮タイトルです。
なんのタイトルかというと、来たるべき栗本さん×大久保さん対談のです。
お二人にもまだ打診していませんから、今後変更の可能性があります。
私が花風社のこれからの活動を大局的に見ると、お二人の対談は「発達から医療を追い出す」大作戦の一部と言うことで、今現在の私としてはこのような仮題をつけました。

医療が発達障害者の発達に役に立たないことは皆さんとっくにご存じ。
むしろ邪魔ばかりしてきます。
でも最初の診断のところを医療に握られていますね。
ところが「育ちのアセスメント」は医療は提供してくれない。症状は固定されたものと見なし福祉につなげるだけ。
そこで悔しい思いをする方が多いわけです。

でも六歳までに治ってしまえば普通の学校教育に乗れるのです。

日にちは9月13日に決まりました。
土日がよいだろうと思いました。
動画視聴期間を設けようと思いますが、先日設けたために当日半数しかお越しにならず、もし動画が撮れていなかったときはどうしただろうと思いますので、できるだけ当日の視聴をしていただけるかたちで料金体系を整えようと思います。
しばしお待ちくださいませ。