亡くなった日、私たちは父を連れ帰ることができませんでした。
自宅での死亡だったので
検死を待たなければいけなかったのです。
代わりに自宅にはおまわりさんがたくさん来て
ぱちぱち写真を撮っていきました。
一通り事情聴取が終わったあと、おまわりさんはまだあれこれなんかやっていました。
母はおまわりさんたちのためにお茶を入れました。
それと虎屋のようかん。
「浅見さんのご両親から先日贈られてきたのよ」とのこと。
官はお茶とかようかんとか出しても食べないよ、と思いましたが
母としては通夜ぶるまいのつもりだと思ったので黙っていました。
どっちみち事件性のない現場検証。
おまわりさんたちも喜んでくれました。
母と私はすることがないので
お相撲を見てました。
稀勢の里、白鵬に完敗。
「これは横綱が強い。今日は仕方ない。稀勢は一回待ったできてえらかった」
「今日はなんか、稀勢が負けても全然悲しくないね」
「そうだね」
そして母がぽつりと「国技館も一度行ってみたいわ」と言ったので
私は先行予約の抽選に申し込みました。
二日間申し込んでみました。
そうしたら先日、抽選結果が来て
神様になりたての父が、さっそくいい仕事をしてくれたのを知りました。
五月場所十二日目。私のお誕生日。
いい席が当たっていました。
夫に言いました。
「パパは神様になりたてなのに腕がいいみたい」
夫は言いました。
「きっと遊び担当なんじゃない? 遊ぶの好きだから」
相変わらず口の悪い義理の息子。
父は黙って愛をくれた人。
この人は口は悪いけどできることは全部やってくれる人です。
というわけで、私の今年のお誕生日。
私は母に国技館デビューを贈ることができることとなりました。
口の悪い義理の息子は、仕事が終わったあと両国に来て
私たちにちゃんこをごちそうしてくれるそうです。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
自宅での死亡だったので
検死を待たなければいけなかったのです。
代わりに自宅にはおまわりさんがたくさん来て
ぱちぱち写真を撮っていきました。
一通り事情聴取が終わったあと、おまわりさんはまだあれこれなんかやっていました。
母はおまわりさんたちのためにお茶を入れました。
それと虎屋のようかん。
「浅見さんのご両親から先日贈られてきたのよ」とのこと。
官はお茶とかようかんとか出しても食べないよ、と思いましたが
母としては通夜ぶるまいのつもりだと思ったので黙っていました。
どっちみち事件性のない現場検証。
おまわりさんたちも喜んでくれました。
母と私はすることがないので
お相撲を見てました。
稀勢の里、白鵬に完敗。
「これは横綱が強い。今日は仕方ない。稀勢は一回待ったできてえらかった」
「今日はなんか、稀勢が負けても全然悲しくないね」
「そうだね」
そして母がぽつりと「国技館も一度行ってみたいわ」と言ったので
私は先行予約の抽選に申し込みました。
二日間申し込んでみました。
そうしたら先日、抽選結果が来て
神様になりたての父が、さっそくいい仕事をしてくれたのを知りました。
五月場所十二日目。私のお誕生日。
いい席が当たっていました。
夫に言いました。
「パパは神様になりたてなのに腕がいいみたい」
夫は言いました。
「きっと遊び担当なんじゃない? 遊ぶの好きだから」
相変わらず口の悪い義理の息子。
父は黙って愛をくれた人。
この人は口は悪いけどできることは全部やってくれる人です。
というわけで、私の今年のお誕生日。
私は母に国技館デビューを贈ることができることとなりました。
口の悪い義理の息子は、仕事が終わったあと両国に来て
私たちにちゃんこをごちそうしてくれるそうです。
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