治しやすいところから治す--発達障害への提言

花風社・浅見淳子のブログ
発達障害の人たちが
少しでもラクになる方法を考える場です。

共存の意味が変わる日本 お誕生日、「禁断の地」静岡旅行ご報告

2024-05-21 10:06:56 | 日記
新横浜駅のホームで新幹線を待っていたら、隣にいた人が何か落とした。
「何か落としましたよ」と言ったら、「アリガトウ」と言われた。サングラス&マスクでわからなかったけど外国の方だった。
「どこまで行きますか? がんばってください」と輪行バッグを指して言われる。
この人も🚴乗りかもしれない。
60歳と61歳の私たちはおそろいで「hill climb」と書いてあるウエアを着ていたので(イタイ)
富士山でも上るのかと思われたのかもしれないが
すみません、今日走るのは真っ平な駿河湾ですっ。

山手線なみに頻繁にくる朝の東海道新幹線の下り。
その合間に修学旅行列車が二本入る。
嬉しさではじけた高校生たちが乗り込む。
こういう当たり前の活動ができない年代があったのだ。
という事実を思い出すと心が痛む。

予約していた「ひかり」に乗る。
実は夫は、東京駅から予約していたそうだ。
なぜなら自転車を積み込める席は限られていて、荷物用のスペースも予約してあるのだが
そこに勝手に荷物を置いてしまう乗客がいがちだから。

「そんなの予約してあるんだから置いていれば交渉すればいいんじゃない。わざわざ東京駅まで戻るなんてめんどくさいわ」ということで、新横浜駅から乗ると、案の定私たちが予約していたスペースは占められていた。
不法占拠しているのはラテン系外人カップルである。

インバウンド旅行者が増えて、窓際を指定していたのにすでに占拠されおとなしく通路側に座らざるを得なかった、みたいな話をよくSNSでみると、「私の席だからどいて」と言えばいいだけなのになあ、と思う。
日本以外の社会では、主張したものが実りを得るのは当たり前なのだ。だから彼らは平気で好きな席に座る。
アエロフロートなど、飛行機でも指定席無視だった。トイレの列も横入りが当たり前。
ロシアは極端にせよ、主張しない日本人はなめられがちだ。
私が安易に海外移住を勧めないのはそういうところもある。
気持ちを察してくれないだけで怒る日本人。周囲もそれを正当に思う繊細チンピラ優勢の国。それを当たり前と思っている人たちが、この国の外で暮らせるとは思えないのだ。

もちろんここは日本。秩序が重んじられ正当性を持つ国である。優先権は指定した人にある。
勝手に座っている人がいたら、きちんと交渉すればいいだけ。
語学ができないから、という声もきくが、日本なのだから日本語で言ってやればいい。案外通じるもんである。

我々は偶然外国語ができたのでカップルにもわかりそうな単純な英語で我々の指定した席&荷物置き場であることを告げ、カップルと荷物をどかした。
家からも富士山は見えるので窓際に座る必要もないが、教育的見地から、指定通り窓際に座り二人をおいやった。
円安でインバウンドが増えるのなら、彼らが秩序を守るよう、教育しなければならない。

「ひかり」は小田原や熱海をすっ飛ばし、40分で静岡に着いた。
夫は最後に外人カップルに「この先予約がなければこのスペース使えるよ」とか言ったら外人カップルは「さんきゅー」とか顔を輝かせていた。
バカである。
予約の客が来たら、ちゃんとどけよ、という意味なのである。わかったかな?

さて静岡。
2020年春には「来ないで」と隣県人を拒んだ県である。

一部の日本人は、日本の人口減少→移民の増加 で国土が乗っ取られることを恐れているが、地方の持つこういう閉鎖性は隣県人にすら向けられているのだから、外国人に向ければ防波堤になってくれるかもしれない。
頑張れ偏屈な地方民たちよ。その偏狭さで行き過ぎた移民政策を阻んでくれ。

静岡駅で自転車を展開。
これから海まで四キロ車道を行くそうだ。
「運転が荒っぽいそうだから気をつけろ」といわれてたのに
さっそく私のチェーンが落ちて、歩道に避難。
ことなきを得た。

そして海ぞいに出たけど、海沿いの自転車道路が工事中。
途中からめんどくさくなって車道を走った。
テトラポットをみながら思った。
昨今阿蘇とか釧路とかの太陽光パネルが問題視されているが、利便性のために景観を優先してこなかったのは昔からじゃんねえ。
そういう民族なんだよ、日本人は。
やがてあのずらっと並んだ太陽光パネルにも騒がなくなるだろう。
地震が起きがちな駿河湾では、津波に対する防衛が大事だろう。
だから人々は醜いテトラポットを受け入れた。

そういう民族だから、そういう人工物を遮断して景観を楽しむ能力も身についている。
富士山は我が家からも見えるが、当然間に電線がある。
それでも私たちは我が家の富士山を愛でるのである。電線はなかったことに脳が勝手に処理する。
そういうわけで、太陽光パネルにもあっという間に慣れる気がする。だってみんな電線にもテトラポットにも慣れたでしょ?

車道を走っていたおかげで、イチゴ屋さんを見つけて停められた。
美味しいイチゴジュースとイチゴ。
練乳をかけるかと言われたけど、そんなもの要らないおいしさ。
晴天の中、今日は日焼けするだろうから、ビタミンCはいっぱい取らないと。
海を見ながらイチゴ食べられるなんて、やっぱり静岡県はいいところだ。

そして先を走る。
やけにテトラポットが減り、天女が下りてきそうな美しい場所だな、と思ったら三保の松原だった。
守るべきところの景観は守るらしい(笑)。
公園の中は自転車を引っ張って歩く。
羽衣の松(三代目)の前で記念写真。

フランス語のガイドに引率されたグループがいた。
フランス語圏の観光客があれだけ数がいるのは、やはり円安なんだろうと思った。
彼らが羽衣伝説に興味があるとは思えないが
富士山の絶景眺望地だったのですね。
いや、みごとなもんでした。
たしか駿河湾サイクリングのガイドブックに、ここが使われていたなあ。

「我が家の富士山より大きいねえ」というバカな会話を交わして、富士山眺望サイクリング。
そして三保半島からフェリーで清水港へ。
自転車を積めるフェリーがサイクリストの間で有名らしいです。
別に走れない距離ではないですが、自転車を連れての船旅もいいもんです。

清水に行くのは初めてだったけど、なんとなく清水市っていうのがあるかと思っていた。
そうしたら静岡市清水区なんですね。初めて知りました。
立派な港。
今年になっていくつ港をみたかな。
石垣港、竹富島、西表島、横浜港、小笠原父島二見港、土浦港
いっぱいみたわ。
清水港で分厚いマグロを食べました。

そして宿へ。
温泉に入って、海の幸を楽しみ、ぐっすり寝ました。
朝起きてまた温泉。そして朝食会場へ。
ご飯をよそって炊飯器をしめようとしたとき、「いいよいいよ。そのままで」と声をかけられました。後ろで待っていた男の人。
相変わらずだな~静岡男子。見知らぬ他人に敬語を使わないのが静岡男子の特性です。
昔は若い女だからため口きかれるのかと思っていたけど、今日で61歳になる私にもやはりため口なのね。一種の方言かな。

そして、目につくのが男性おひとりさまの多さ。
のんきに朝からビールをあけています。
家族がいるけどおひとりさまなのか
あるいは結婚していないのか。
今は男の人にとって結婚て幸せとは限らないから
日曜の朝、ひとりでビールを飲むのもいいんじゃないかな。

というジャパンになりましたね。

と思いながらついているテレビを見ていたら、大の里熱海富士のVTR。
前日のお相撲。すごい取組でした。結果は大の里の勝ちなんだけど、ここでは残念そうに語られている。そうか、熱海富士はここでは郷土力士なんだったね。
熱海富士は静岡男子だけど、かわいい上に言葉遣いも丁寧。親方がしっかりしているからなあ。

二日目も一日遊ぶ予定でしたが、静岡が午後から雨、と予報が変わったので、早めのこだまに予約替え。
また大荷物のスペースも予約。
そこに自転車を入れます。

あとから赤ちゃんを連れた令和ママが乗ってきました。
おじいさんが付き添っています。窓の外にはおばあさん。赤子を連れた娘の里帰り。心配してホームまでついてきた感じ。
ちゃんとベビーカーの場所を予約していたのに、また予約してない人がそこに荷物を置いている。
私たちはさっさとそれをどけてあげて、ベビーカーの場所を作りました。

「どこで降りられます?」ときくと、東京とのこと。
「そうですか。私たち新横浜で下りますから先に荷物出しますね」と言いました。
令和ママは本当に気を使っているよね。
ちょっとでも赤ちゃんがぐずったらびくびくしたり。
泣いている赤子くらいうるさがらない老人になりたいね。

新横浜につく直前、夫と私の連携プレーが始まる。
私が令和ママのベビーカーを一時的に空席によける。
自転車二台を夫がデッキに出す。
私がベビーカーを戻し、「ここに置いておきますね」と令和ママに声をかける。
そうこうするうちに駅に着き、夫と私は自転車をかついでホームに降りました。

そして午後も遊び、お寿司をとって、野菜炒めとサラダとお味噌汁を作って、お相撲をみながら早めのバースデーディナーをしました。

令和六年、61歳になった日本では
インバウンドの外人が勝手な振舞をしたり
一方であたたかく声をかけてくれたり
男性おひとりさまが独身生活を楽しんでいたり
令和ママがびくびくと旅をしていたり

そんな中でもずっと静岡男子はため口でした。

静岡は近かった。
そしてやはりいいところだった。
来るなと言われたときは腹が立ちましたが、知事も変わるみたいだし、今回楽しかったので
また気軽に行きたいと思います。


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