ぱんくず日記

日々の記録と自己分析。

ケーキ

2008-12-24 19:26:00 | 
まず
午後からばばを訪ね、
ばばと一緒にケーキを食い、
帰りにいろいろ支払いを済ませ、
ヘルパーがじじ宅の白菜が切れたと言うので買って
夕方はじじを訪ね、
じじと一緒にケーキを食い。


昔、ケーキというものは
年に一回くらいしか食べられなかった。


バタークリームのバラと
仁丹のような銀の粒がザラザラごてごて飾られた、
そんな垢抜けない甘ったるいケーキが
年に一回の楽しみで心ときめいた、
そんな同じ話を
じじとばばそれぞれと話した。


疲れたなぁ。
でもクリスマスというのは疲れる、
そういうものだ。


ケーキが美味いかどうかはよくわからない。
良質の材料で作られ洗練された味の
昔は手の届かなかった生クリームのケーキは
今では大して珍しくもない。


じじとばばに
小さい生クリームのクリスマスケーキを
1台ずつ買って会計を待つ間、
バタークリームのケーキも隅っこに
安い値段で置いてあるのを見た。
クリームのバラは乗っていなかった。
代わりに
小洒落たマジパンのオーナメントが鎮座していた。


昔、家族全員で囲んだ
あのこってり甘い味の
安いバタークリームのバラの付いたケーキを
一口だけ食べてみたい気がする。

SNS

2008-12-24 03:36:00 | 日常
ちょっと前に
mixi以外のSNSはどうよと思ったので
お友達の方々に習って自分もアカウント取ってみた。


一言コメントの場所に何書こうか迷ったので
『主の祈り』を全文書いたら
見ず知らずの
善良な一般市民の御方が気に留めて
コメント下さった。


「初めましてBですどうしたのですか」


心配して下さったのだろうか。
有難かったので私もコメントを返した。


「初めまして。ちょっと道に迷いました。」


信仰があっても迷う時は迷います。

教会家族

2008-12-24 01:00:00 | 教会
不況で人口の流出する一方の過疎地で
教会のクリスマスにどれだけ大勢の人々を
集める事が出来るかと言えばそれは難しい。
教会員でさえいつ職を失って
或いは職を求めて
他の土地に出て行かなければならなくなるかわからない。


躓いた訳でもなく
教会が嫌になった訳でもないのに
不景気で生活が成り立たなくなって
この土地にいられなくなる、
そんな教会員達が家族単位で
毎年この土地を去って
一昨年よりは昨年、昨年よりは今年、
年毎に集まる人が減っている。


集まる人間の頭数は少なくなったけど
それぞれの家族の中で
これまでに教会に足を運ぶ事の無かった夫や父親が
今日は意を決したように
改まった表情で礼拝の席に着いていた。


高校生の頃に教会に通いながら足が遠退き、
10月に我が子を失って
60年ぶりに教会でクリスマスを迎える方も
孫達と共に礼拝堂に座っていた。


先日、
別のヘルパーさんが私に話してくれた人の事を考える。
ずっと昔に私達の教会に通いながら
足が遠退いたまま20年以上経って寝たきりの生活になり
じじと同じ人の訪問介護を受けている人は
今夜どうしているだろう。
何とか教会のクリスマスクッキーを
渡す事が出来ないか考えて、当のヘルパーと話した。
私達の教会では30年以上も形を変えずに
同じクリスマスクッキーを焼いている。
きっと喜ぶと思いますとヘルパーは言った。
その人はヘルパーさんに言ったという。


「私はいつも聖書を読んでいます。
 人の手を借りなければ
 動く事も何も出来ない不自由な体になって
 自分の病気について考える事があります。
 牧師先生はヨブ記をどう読んでいるんだろう。
 今度あなたが仕事で教会に行ったら
 牧師先生に聞いてきて下さい。」


20年ぶりに
昔のままの星形やツリー形の教会のクッキーを手に取って
その人は何を思うだろう。


普段教会に来た事の無かった家族と
教会から遠ざかって久しい人と
切れて望みが無いかのように見えたつながりが
再び生き返ろうとしている。
折れた枝が再生するように。


これは私達教会家族にとって
大切な事。

匂い桜

2008-12-24 00:09:00 | 教会
教会の玄関に大きな鉢に植えられた
木の枝に鼻が咲いていた。
教会員のある婦人が持って来て飾ったのだ。


匂い桜。
初めて見た。


花の色と葉は桜、
花の形はジャスミン、
香りは薄青紫のヒヤシンスに似ている。


冬でも屋内であれば咲くらしい。

燭火礼拝

2008-12-24 00:03:00 | 教会
教会では
クリスマスに蝋燭に火を点して礼拝する。
いわゆるキャンドルサービスをするので
皆はキャンドル礼拝と呼んでいる。
しかし
私だけがローソク礼拝と呼んでいる。


同じでしょ?
キャンドルとローソクとどう違うの。


牧師先生によると燭火礼拝とも呼ぶらしい。


今日の夕方はその燭火礼拝。
今年もじじを連れて来た。


私がプレゼント交換の品を買ったり
夕食の寿司を電話注文する間に
ヘルパーさんがじじの教会行きの用意を
手伝ってくれていた。
出掛ける時、じじ宅に電話した。
ヘルパーさんが電話に出た。


「今日の教会同行よろしくお願いします。
 出掛ける出来ました?
 間に合いそうですか?」


「あの、私、今こちらに来て、
 出掛ける前にトイレ介助とか着替えとか
 用意しようと思ってたんですが・・・」


「あーそうそう。
 パジャマとか上下ジャージとか、
 だらしない寝起きの服装は絶対止めさせて下さいね、
 きつく言ってきちんと着替えさせて下さい。
 時間は充分あるし服も持ってますから。」


「いえ、あの、それが・・・
 ご本人既にご自分で服を着ておられて。」


「はい?」


「スーツを着ていらっしゃいます。
 私が今こちらに来ましたら既に着替えてらして、
 昔の、20年以上前の
 現役時代のスーツを着ておられます。」


「・・・・・・着れました?
 この20年の間に10kgくらい太ったと思うんですが。
 ていうか、
 どうやって着たんですかね?
 サイズが入ったのも不思議ですが、
 介助も無いのにどうやって着替えたんでしょう?」


「私もわかりません・・・
 キツキツのピチピチみたいですよ。
 でもご本人はもうピシッと椅子に座って
 私を待ってらしたみたいです。
 後はネクタイピンを付けるだけだと仰って・・・」


「キツキツのピチピチ・・・・
 それではトイレに行きたくなった時に
 困らないかな?
 まだ時間あるから別の服に着替えたら?」


「いえそれが、
 もう行くぞと仰って。
 もう教会に行ってしまってもいいでしょうか?」


まさかでしょ。
まだ1時間以上も前だし。
あまり早く行ってもただ待ってなきゃならないし
トイレにも行きたくなるでしょ。
何でそんなにやる気満々なの。


「30分前で充分ですよ。
 それよりも出掛ける直前に
 一度トイレに行かせて下さい。」


「わかりました。
 説得してみます。」


「お願いします。」


夕方4時。
礼拝堂に行くと、
じじは大昔に見覚えのあるスーツを着込み、
ヘルパーさんから「カッコイー!」と言われて
得意満面の笑み。
よかったなじじ。
若いヘルパーさんから褒められて。
そのスーツ、サイズ入ったのは奇蹟だ。


蝋燭の明かりで
礼拝堂は
何ともほのぼの暖かい色に照らされた。


2008年。
じじの幸せなクリスマス。