桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

一難去って

2023-06-03 | Weblog
たまたま隣に座った人が親切で、俺が買い物にも歩けない状態で座っているのが苦痛なことを車掌さんに伝えてくれたことで業務室、横になることが出来た。ホットしたが、それで終わりではなかった。
業務室はクーラーが強い。寒くて寝てなど、いられない。おまけに目の間は喫煙室で、そこに出入りする人がいる度にチャイムが鳴るし、ドンという音がする。出入りする人は絶え間ない始末だ。
日付の変わるころに車掌さんに声を掛けて毛布を頼んだが、総て使用されているとの返事だ。で、グリーン車で使うゴミ集めの大きな紙袋を持って来て貰い、それを頭から被ることにした。 
更に、隣のこだまから毛布を持って来てくれたことで、何とか寒さは防げると思ったが、甘かった。やはり、どこか寒くて眠れたものではない。
もうすぐ3時。まだ動く気配もなく降り続いているし、寝るのは諦めた。
これで暫くは遠出が無くなる最後の外出。凄い体験をしてるなぁ。