スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

ハイセイコー記念&第三部定理二二備考

2007-11-28 19:20:58 | 地方競馬
 今回から昼の開催となった大井競馬。南関東重賞の第一弾は2歳馬による第40回ハイセイコー記念でした。
 枠は外よりでしたが押して出たヴァイタルシーズが先手を取りきっての逃げ。外にランパンテ,コラボスフィーダ,内にパワフルダンディーと続いてニックバニヤンはその後ろ。前半の800メートルは51秒0。これはスローペースといっていいと思います。
 3コーナーでコラボスフィーダが上昇していくとランパンテは後退。4コーナーにかけてコラボスフィーダはヴァイタルシーズに並びかけにいきましたが,スローの逃げとあってヴァイタルシーズの手応えは楽。結局,直線に入ると追い出されたヴァイタルシーズが後続を寄せ付けることなく逃げ切って優勝。コラボスフィーダが2着で,直線だけ外に出されて追い込んだニックバニヤンが3着でした。
 優勝したヴァイタルシーズは前走の鎌倉記念に続いての南関東重賞連覇。距離面はそんなに不安はないと思うのですが,今後の課題はやはり逃げられなかった場合にどうかということになるのではないでしょうか。前走までの主戦であった左海誠二騎手が今日は2着馬の方を選んだということで乗り換わった川崎の酒井忍騎手は,昨年暮れのテレビ埼玉杯以来の南関東重賞制覇となりました。
 2着のコラボスフィーダは船橋で連勝していた馬。今回は中間に一頓挫あって陣営は少し稽古不足を懸念していましたので,将来性はあるいはこちらの方が上かもしれません。

 竜王戦七番勝負第五局は相矢倉に。部分的に一昨日の王将戦と同じ形になりましたが,今日は▲3五歩といきませんでしたので,▲3七銀型の定跡形に進展。先手が早めに▲2五歩と突き,穴熊に組替え,後手から先攻しそうな封じ手の局面は,あまり見たことがない形です。

 憐憫という感情は感情の模倣affectum imitatioに大いに関係しているのですが,さらにこの感情を詳しく調べるために,第三部定理二二の備考をみておくことにします。ここで憐憫という感情が説明されているからです。ここでスピノザは憐憫について,「他人の不幸から生ずる悲しみであると定義できる」といっています。諸感情の定義というのは『エチカ』においては第三部の最後に一括して示されています。ですので,『エチカ』において憐憫という単語が出てくるのは,実はこの部分が最初なのです。
 この部分の説明を第三部諸感情の定義一八と比べると,少し違っているようにも思えます。まず,後者では同類とされている点がここでは単に他人とされていて,また後者では害悪といわれているのに対し,ここでは不幸といわれています。しかしこれはさして問題にはならないでしょう。
 まず,ここで他人といわれているのは,僕たちが感情の模倣を起こすような他人という前提です。したがって同類というのは,そうした他人のことを意味すると考えればよいでしょう。次に害悪と不幸というのは,ことばのニュアンスとしては若干の違いがありますが,憐憫が悲しみに関係する感情の模倣であることに注意すれば,どちらもそれが同類あるいは他人に対して悲しみを生じさせることと考えるのが妥当でしょう。憐憫が悲しみであるという点ではともに一致しています。よって模倣される感情の方も悲しみであるということは,憐憫が感情の模倣である限り,絶対的な前提となると考えられるからです。
コメント
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