曽我部絵日記

曽我部昌史の写真絵日記

2017年7月3日〜9日

2017-07-09 | 日記
7月9日(日)
「余徳耀美術館外観@西岸エリア(上海)」

最後は、最近美術館が集積している西岸地区へ。一昨年、参加した展覧会場のあるエリア。最初は飛行機の格納庫を活用した美術館。道路側に2割くらい増築したやや複雑な形状のガラス張りの部分があって、カフェやチケット売り場になっている。奥の格納庫部分はそのまま?。


「余徳耀美術館内観@西岸エリア(上海)」

中に入ると空間のサイズをいかした展覧会。カメラの持ち込みは禁止なんだけれど、みんな携帯で撮っている。携帯での撮影は許されているらしい。グリッド状にトラスの梁が入れ子になっていて、屋根の架構とは縁が切れている。クレーン用だったものだろうか。照明などが取り付けられる。屋根は外観としては二連の切妻だけれど、中ではヴォールトになっている。


「ART WEST BUND内観を撮影する石田さんと福島さん@西岸エリア(上海)」

一昨年の展示会場であるART WEST BUNDは閉館(以前は工場跡と聞いていたけれど、どうやらヘリ格納庫跡らしい)。しばらく使っていない様子。周辺のアトリエゾーン(大半は建築設計事務所)は完成していた。僅かだけれど、日曜に仕事をしている人も。


龍美術館外観@西岸エリア(上海)」

最後は龍美術館。隣にはコンテナでゲートがつくられている広場もあって、アート・イベントのための地域らしい。
敷地は、元石炭の積み下ろし場だったところ。石炭積み込みの部分が残されていて、アプローチになっている。建物自体はT字型のコンクリートが、既存の地下駐車場のグリッドに合わせて設置されている。外観の印象からは多摩美図書館とかを思い出すけれど、架構の考え方はまったく異なる。


「龍美術館内観@西岸エリア(上海)」

T字型のユニットはぴたっとくっついているところもあれば、隙間をあけてトップライトになっているところもある。T型のコーナーが曲線を描くことで生まれるT字の交点部分の膨らみは空調ダクトで用いられているみたい。床の壁際にはリターンのスリットがまわっている。ホワイトキューブっていう割り切りからは得られない特有の空間感。
昼食も龍美術館で済ませて、ホテルで荷物をピックアップしてから帰路。あっという間だけれど、濃密な三日間。結局全く雨は降らず。天気予報は大丈夫か?。



7月8日(土)
「武康路の家並み@フランス租界エリア(上海)」

福島さんリサーチによるオシャレ高級カフェでの朝食で格差社会を身体的に理解した後、武康路を歩く。全区間踏破ははじめて。元々の敷地割りを斜めに横断するような道があとから作られたからか、斜めに切断させたようなかたちの建物が点在している。元もとのグリッドでのヴォリュームが飛び出しているような家も。一昨年も立ち寄った老房子芸術中心の書籍コーナーで資料を見ていると、この道は、1910年と1914年の間のどこかで出来たみたい(中国語なので図からの類推)。


「立ち退きが進むアパート@西成里(新天地近く・上海)」

新天地は一大観光ゾーンになっていて以前のリノベ的風情が無くなってきているけれど(今回は行っていない)、その隣接エリアでは、古い建物群を壊してタワーマンションに変わるエリア、古い建物群が残るエリア、古い建物群を活かして観光化が進むエリアが混在している。古い建物も立ち退きが進んでいるところも少なくない。新天地を初めて訪れたのは20年くらい前だったような気がするけれど、この先はより急速に変貌を遂げそう。


「オシャレリノベエリア@西成里(新天地近く・上海)」

オシャレリノベエリアではリノベの作法がこなれすぎてきていて、半ばディズニーランド的に見えなくも無い。とはいえ、ものすごい数の人たちがあつまり、日本と同じか日本よりも単価の高いメニューを楽しんでいる。ちょっと北方向に歩いて、ミシュラン星付き地元的風情のお粥屋で昼食。福島さんの事前リサーチがすばらしい。


「1933老場坊の中@虹口区(上海)」

一昨年の9月にXiaoXiaoさんに連れて行ってもらった隆昌公寓(Longchang Mansion)、既に閉鎖されて解体を目前に控えているような雰囲気の北外灘111芸術園区を経て、1933老場坊。元場のアートゾーン。相当複雑な構成の場だったようで、内部と外部が入り交じる。写真ブームらしくて、撮影を楽しむ若い人たちがたくさんいる。周辺の古い建物のリノベ活用されて、割りと広い範囲が創造地区になっている。


「くまもん@コンビニ(上海)」

1933老場坊から少し西に行ったあたりにある、ずっと昔にみかんぐみで設計を手伝った建物を確認したりして、一旦宿に。一日中、湿度も温度も高い。汗を流してから夕食。福島さんは東京都市大学の先生ってこともあって、大学での教育システムの話しなど。上海展におけるフェーズ1と2の時代に在籍していたスタッフの2/3は大学教員。。。帰り道に宿の向かいのコンビニによると、入口は行ってすぐのところにクマモンコーナー。クマモン人気はここにも。


7月7日(金)
「黄浦川の対岸@外灘(上海)」

朝の飛行機で上海へ。羽田空港で石田敏明さんと、上海のホテルで福島加津也さんと合流して、さっそくまちへ。割りと街中のホテルで、少し歩くとバンドにでる。バンドを歩くのは20年ぶりくらいか。それにしても暑い。日本で検索した天気予報ではずっと雨ってことだったが。。。


「フェーズ2確認中の石田さんと福島さん@上海当代美術博物館(上海)」

夕方、美術館の方との約束に30分ほど遅刻して、上海当代美術館へ。伊東さんの展覧会「曲水流思」を見る。これまでを6つの時代に分割して、それぞれのフェーズごとに関心の中心が示される。石田さんはフェーズ1,曽我部がフェーズ2,福島さんがフェーズ3の時代にいたということで、前半を横断する3人。


「曲水流思が流れ込む@上海当代美術博物館(上海)」

ミュージアムショップでは金額に迷いつつ(全体に高い。格差社会がこういうところにもあらわれるということか)、トッズのステンレス模型を購入。迷ったくせに夕食の店に置き忘れて、取りに戻る。気がついて良かった。


7月6日(木)
「屈曲する航路@機上(徳島→羽田)」

朝一の汽車で徳島に戻り横浜へ。昼前には大学へ到着。台風3号を避けたのか、飛行機のルートがクランクしている。


7月5日(水)
「仕上げの段階を迎えつつある家具たち@赤松防災拠点(美波・徳島)」

朝から赤松の現場へ。天気の良いウチに作業忠の家具を全部外に出して確認。サンダー掛けしてビスを埋木しているので、いつもよりもキチッとして見える。ベルトサンダーをつけていた安物グラインダが壊れるなどのトラブルもありつつ、全体には順調に進んでいるか。


「展示什器の設置が進む内部@赤松防災拠点(美波・徳島)」

ここにきて、外構に並行して一気に内装が進む。展示用の什器も取り付けられ、完成像が見えてくる。展示物の準備も進めなければ。。。


7月4日(火)
「豪雨の中の建物@赤松防災拠点(美波・徳島)」

朝一の電車で徳島方面へ。岡山から乗ったマリンライナーの車掌さんが日和佐を知らないのに驚く。車掌も知らない駅ってことか。。。台風よりも先に現地入りできたんだけれど、昼食から戻ると激しい雨が。どうやら美波町の真上を通る進路になっているみたい。破風の両サイドから落ちる雨も、なんとか側溝に納まっているか。


「桜の木から染料をつくる@赤松防災拠点(美波・徳島)」

敷地近くの二つの倉庫を作業場として使わせてもらっている。片方で家具のサンダー掛けなどを行い、もう片方でカーテンなどを染色するための準備。伐採したソメイヨシノの古木。はじめは樹皮を使っていたんだけれど、木の部分を細かくしたものを使うようになったら、鮮やかな赤い色になる。


7月3日(月)
「甲佐町プロポ模型群@甲佐町

朝一の飛行機で熊本へ。甲佐町のプロポ審査。関係している方々が多いので、例によって司会を担当させていただく。最終的には岡野道子さん+山代悟さんのチームが最優秀に(伊東さんは自分の事務所のOBということで少し躊躇気味?)。ヤナ場での打ち上げという魅力的な企画を遠慮して、翌日に備えて岡山まで移動。

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