曽我部絵日記

曽我部昌史の写真絵日記

宇土市の小学校

2008-01-31 | インポート

1月25日



最近のくまもとアートポリスはイベント続き。今度は、宇土市の小学校二つをアートポリスで進めることとなった。二段階のコンペで、今回はその一次審査。
審査に先立って、既存の建物を見に行ってきた。


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一つ目が網津小学校。8学級程度のコンパクトな小学校で、運動公園や石の採掘をしている山や保育園や川が隣接している。周辺環境が楽しい。
正面は体育館。これは立て替え対象外。


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玄関を入るとすぐ中庭に抜けるとか、ところどころ直角じゃない壁があるとか、靴箱周辺のしつらえにちょっと工夫があったりと、楽しい小学校建築の予感。紅葉した柱など、今日のカスタマイズもダイナミック。



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で、一番の特徴がこれ。つまり、教室に廊下がない。渡り廊下が突き当たったところが階段室になっていて、そこから教室に入る。ちょうど、階段室型の団地みたい。そのため、4面ある壁のうち、2面は外に面して開いている。明るい。写真の右側にもう一本渡り廊下がある。



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案内図があった。この図の一番下のブロックが上述の部分。二本の渡り廊下 (縦の細いグレーの部分) の下に外廊下っぽいところ (教室の上に描かれている横方向のグレーの部分) が記載されているが、実際にはこれは無い。



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このステンシルが、そこら中にある。ちょっとだけ変わった小学校っていう存在感が、こういうカスタマイズを誘発し許容しているみたい。



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次が宇土小学校。エントランスから、ただならぬ雰囲気っていうか、建築的期待感が膨らむ。同じ設計者なんだそうな。市役所の建築課の職員だった人が手がけたものだとか。



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低学年棟。2階建て。この写真を撮っている段階では、この校舎の本当の特徴には気がついていない。中がすごい。



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これが中の廊下。照明器具はついていない。で、右手が外部 (北側) で、左手の窓の向こうは中庭。その奥の扉を入ると教室がある。つまり、南面した教室が東西に並んでいて、その北側に中庭を挟んで廊下部分がある。



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教室内部。右が南。夕方遅くなってしまったので暗いけれど、右手の窓が中庭に面している。2面が外部に面しているというのは、網津小学校と共通した特徴。



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高学年棟。3階建て。これは北側をみている。手前のボリュームが2層の廊下部分で、中庭を挟んで3層の教室棟がある。トイレは、この2層の廊下部分に入っている。



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教室内部。右が南。ものすごく開放的。トイレまでの距離が遠いとか、バリアフリー対応ができないとか、入り口が一つなので避難上不安とかの意見があるってことだけれど、掲示面積が足りないというような話はでなかった。



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これが中庭部分。花壇とか池とかがある。廊下を2層に抑えることで、大きな開放感につながっている。



ということで、この日は事前打合せなどをして食事に。それにしても、どちらの小学校もかなり興味深い建物だった。この人、他にどんな建物をつくっているんだろう。



1月26日


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朝から市役所で審査会。この建物も、小学校と同じ設計者の手によるものらしい。四角い建物に大きなルーバーがついている。さらに中の廊下は45度方向に振ってある。



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エントランスのキャノピー。宇土小学校と共通する雰囲気。



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ルーバーは奥行き方向に3倍の大きさだったらしい。その跡も残っている。当時の写真も見たかった。



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これは、初日の集合場所 (保健センター) の隣にあった団地の集会所。これもちょっと開放的。もしや、同じ設計者?



ということで、1次審査も無事終了
2次は、それぞれ5人のファイナリストによる公開審査。メンツがメンツだけに、すごいことになりそう。それにしても審査は気が重い。恨まれるだけだろうしなあ・・・・。