白雲去来

蜷川正大の日々是口実

読書と酒の日々。

2024-04-16 14:54:50 | 日記

4月14日(日)晴れ。

朝食は、ひきわり納豆、焼きのり、タラコ焼、ほうれん草の味噌汁。昼は抜いた。夜は、ミスジ肉、タケノコのから揚げ、厚揚げ焼き。お供は「黒霧島」。酔狂亭にて独酌。

大岡川の川辺、最近は桜並木として有名になり、新しくできたマンションにも「桜並木」などと言う名前がついている。良い天気なので、歩いてみたが、桜は、そのほとんどが葉桜となっていた。最近買った岩波新書の『新・唐詩選』の中に杜甫の「江亭」という詩の解説があり、その中に「寂寂(せきせき)として春は将に暮れなんとする」というくだりがある。訳は「春は寂寂として音もなく、晩春に向かって推移する」。漢詩は、意味が分からなくとも漢文で読んだ方が、心に沁みる。和訳すると、何か味わいに欠けると思う。

中国の話ばかりで恐縮だが、最近読んで面白いと思ったのが『中華美味紀行』(南條竹則著・新潮新書)という本だ。どなたかの旅行記の中で知って取り寄せようと思ったら、残念ながら絶版となっていた。仕方がないので下の子供に頼んでアマゾンで買って貰った。

『あるときは「小林秀雄の蟹まんじゅう」を求めて揚州の小路に入り込み、あるときは杭州の高級料理店で満漢全席の至福に身をゆだね、またあるときは変わりゆく北京下町のもつ煮屋で浅草を思う――。中華文化圏がその懐深くに抱く、千変万化の食文化。その魅力にとりつかれた作家が、縦横無尽の食べ歩きを通じて出会った「ホンモノ」の数々を綴る十五章!』という内容。まだ読了した訳ではないが、この方のファンとなり、続いて『酒仙』(新潮文庫)、『美人料理』(中央公論新社)の二冊を取り寄せた。天気もいいし、陽だまりの中に身を置いて、好きな本を読み、陽が落ちれば、好きな肴を前に、一杯やる。老残の身としては贅沢なことかもしれない。

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