はじめて牛腸の写真に接したのは21世紀になるかならないかのころ、書店で『幼年の時間』を目にしたとき。誰もがこちらをじっと見つめていて、その場で降参した。この特異さは、写真家のまなざしが純真だからということではなく、幼少期から早い死を運命づけられていたために、他者を視ることがつねに瀬戸際の行いだったからだろうと思える。
今回の渋谷PARCOでの展示はヴィンテージではなく三浦和人による新たなプリントで、ガラスもない。そのために視線の特異さがさらに強調されているようで、ちょっと動悸がする。新たに編まれた作品集は黒が締まっていて、かつての『SELF AND OTHERS』の眠い印刷よりもはるかに素晴らしい出来(高いので買うのを躊躇している)。牛腸が使ったミノルタオートコードやキヤノンAE-1も展示されていて、なかなか見ごたえがあった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5e/a4/815cf1e850add9c827416263d2de67f3.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5f/ea/b185dc5809e25f8d85a852f26fb2a28b.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/05/80/eee74e3f0adc5a7ce091597a046cd200.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/77/22/c24541fa40754c04082b0fa1f032124b.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2a/64/d3fdf36169c4313c0d80d8cca8a15b98.jpg)