大久保のひかりのうまに足を運び、4夜連続「鳥の未来のための螺旋の試み」、第2夜(2017/11/21)。笛のベルナデット・ツァイリンガー(オーストリア)、ギターのディエゴ・ムーン(アルゼンチン)、コントラバスのMaresukeの3名によるツアーでもある。
1.
鈴木ちほ (bandoneon)
Maresuke (b)
Margatica (朗読)
2.
Bernadette Zeilinger (笛)
Diego Mune (g)
ツァイリンガーは大きな縦笛を横笛のように使い、声を吹き込む。ムーンのギターはいきなり独特なものであり、鳥の翼のように手を使って大きなタッピングを行う。次にエフェクターを使い、小さなハコの中であるかのように反響させる(実際にそうなのだが)。またキーボードのような音を創ったりもして飽きない。透明感、抽象的な抒情、突然の破壊の欲求が混在している。
3.
Bernadette Zeilinger (笛)
森順治 (as, fl)
鈴木ちほ (bandoneon)
笛とサックスの息遣いと、バンドネオンの蛇腹による風とがまずは同じ流れを作り出す。ちほさんの、途中の振幅によりバンドネオンの中にとどめておけないように漏れ出てくる音が印象的だった。
4.
橋本英樹 (tp)
Diego Mune (g)
Maresuke (b)
コントラバスとギターとが現に弓や棒をはさみ、音を同調させる。ここに刺激剤として介入する橋本さんのトランペット。Maresukeさんのコントラバスは、楽器ごと音を自分のほうに引き寄せるという面白さがあるのかな。ムーンがギターをこすり、まるでガラスコップ演奏のような効果を出した。
5.
JanMah 嶋村泰 (g)
Diego Mune (g)
変態的アクティヴなギターデュオ。これは素晴らしかった。みんな興奮しながら聴いていたが、それは演奏者ふたりもそうだったようで、終わってからがっちりと握手を交わしていた。
6.
森下雄介 (tp)
橋本英樹 (tp)
Bernadette Zeilinger (笛)
まるで突っつきあうような分散型サウンド。敢えて凝集を選ばず分散のまま最後まで走る面白さがあった。
7.
Miki Hasegawa (p)
森順治 (bcl, fl)
鈴木ちほ (bandoneon)
森さんのバスクラには、シームレスに横に広がるアルトとはまた違った魅力があって、音が核を作って耳に食い込んでくる。しばらく三者とも模索を続けていたが、後半になり、ピアノがリズムを取り主導権を握った。曲に収斂してゆく過程も面白いものである。
8.
Maresuke (b)
Bernadette Zeilinger (笛)
Diego Mune (g)
ようやくツアーの主役によるトリオ。Maresukeさんは実に柔らかい弓でコントラバスを鳴らしていたのだが、ほどなくして、それを1本の繊維に絞り、震えて切れそうで切れない音を創出した。ムーンさんもギターの弦を指で持ち上げそれに応じた。
ところでMaresukeさんはFMRからCDを出すそうである。どのように独特さが録音されているのか興味津々。
Fuji X-E2、XF35mmF1.4、XF60mmF2.4
●Maresuke
毒食@阿佐ヶ谷Yellow Vision(2017年)
●鈴木ちほ
毒食@阿佐ヶ谷Yellow Vision(2017年)
晩夏のマタンゴクインテット@渋谷公園通りクラシックス(2017年)
北田学+鈴木ちほ@なってるハウス(2017年)
りら@七針(2017年)
齋藤徹+類家心平@sound cafe dzumi(2015年)
●森順治
毒食@阿佐ヶ谷Yellow Vision(2017年)
松風M.A.S.H.@なってるハウス(2017年)
林ライガ vs. のなか悟空@なってるハウス(2017年)
リアル・タイム・オーケストレイション@Ftarri(2016年)
森順治+高橋佑成+瀬尾高志+林ライガ@下北沢APOLLO(2016年)
本多滋世@阿佐ヶ谷天(2016年)
M.A.S.H.@七針(2016年)
森順治+橋本英樹@Ftarri(2016年)
M.A.S.H.@七針(2015年)
●橋本英樹
毒食@阿佐ヶ谷Yellow Vision(2017年)
M.A.S.H.@七針(2016年)
森順治+橋本英樹@Ftarri(2016年)
M.A.S.H.@七針(2015年)