Sightsong

自縄自縛日記

アースコライド@Apoteka

2017-11-18 14:36:02 | ポップス

バンコク滞在中、夕食を取ったあとに繁華街を抜けて、アポテカ(Apoteka)というライヴバーを覗いてみた。

Earthcollide (g, vo)

目当てはアースコライド(Earthcollide)。FBのページを見ると「Girls Rock Asia」とある。

たどり着いたら、もうギターを弾きながら歌っている。低く太く、ガーリーでもあって、いい声である。アジアにエキゾチックなものを見出す視線も悪くはないが、こんな日常のロック、フォーク、ポップスももっと聴きたいと思ったのだった。彼女は歌い終えると「See you next Thursday!」と叫んですぐに消えた。

Nikon P7800


スティーヴ・レイシー『free for a minute (1965-1972)』

2017-11-18 13:19:25 | アヴァンギャルド・ジャズ

スティーヴ・レイシー『free for a minute (1965-1972)』(EMANEM、1965-72年)を聴く。

未発表や音質改善を含めた2枚組。レイシー30代の記録である。

『Disposability』(1965年)※シンバルの音の歪みを改善

Steve Lacy (ss)
Kent Carter (b)
Aldo Romano (ds)

『"Free Fall" Film Cues』(1967年)※未発表

Steve Lacy (ss)
Enrico Rava (tp)
Karl Berger (vib)
Kent Carter (b)
Paul Motian (ds)

『Sortie』(1966年)※完全な形での最初のリイシュー

Steve Lacy (ss)
Enrico Rava (tp)
Kent Carter (b)
Aldo Romano (ds)

『The Rush & The Thing』(1972年)※未発表

Steve Lacy (ss)
Steve Potts (as)
Irene Aebi (cello)
Kent Carter (b)
Noel McGhie (ds)

どの録音でもレイシーらしい音が聴こえてくる。

シンプルな編成の『Disposability』におけるセロニアス・モンクのチューン「Shuffle Boil」、「Pannonica」、「Coming on the Hudson」では、開かれた自由度の大きな空間で、伸びやかに、気持ちよくベンドさせている。

名盤『The Forest and The Zoo』も同時期の1966年の録音だが、それと同じくトランペットのエンリコ・ラヴァが入ると、音がより細分化され、突っつきあうような音楽の愉しさが溢れ出ている。

ここではケント・カーターがどの録音にも付き合っているが、音色も、また強弱の出し入れも柔軟なことに改めて気づかされた。

そして驚きは、未発表音源の『"Free Fall" Film Cues』である。タイトル通り、『Free Fall』という映画のために吹き込まれたものだが、解説によれば、ひどい映画であり音楽が公表されなくてよかった、とミュージシャンたちは考えたらしい。しかしそれはともかく、モチアンのドラムスがコアに自由にまとわりつくようで、想定以上に過激である。ビル・エヴァンスとの共演を経て、ちょうどキース・ジャレットと一緒にやりはじめたころである。モチアンのひとつの跳躍時期であったのかもしれない。

●スティーヴ・レイシー
レイシーは最後まで前衛だった(『New Jazz Meeting Baden-Baden 2002』)(2002年)
『富樫雅彦 スティーヴ・レイシー 高橋悠治』(2000年)
『Point of Departure』のスティーヴ・レイシー特集(『Sands』)(1998年)
チャールス・タイラー(『One Fell Swoop』)(1986年)
スティーヴ・レイシー+エヴァン・パーカー『Chirps』(1985年)
『Interpretations of Monk』(1981年)
富樫雅彦『セッション・イン・パリ VOL. 1 / 2』(1979年)
スティーヴ・レイシー『Straws』(1977年)
スティーヴ・レイシーのアヴィニヨン(1972-73年)
ザ・ジャズ・コンポーザーズ・オーケストラ(1968年)
スティーヴ・レイシー『School Days』(1960、63年)
セシル・テイラー初期作品群(1956-62年)
Ideal Bread『Beating the Teens / Songs of Steve Lacy』(2014年)
ハリー・コニック・ジュニア+ブランフォード・マルサリス『Occasion』(『Sands』にインスパイアされた演奏)(2005年)
副島輝人『世界フリージャズ記』
村上春樹 編・訳『セロニアス・モンクのいた風景』(レイシーのモンク論)
中平穂積『JAZZ GIANTS 1961-2002』