ブルックリンのBushwick Public Houseに足を運び、「Bushwick improvised Music series」という一連のインプロを観る(2017/9/11)。
ケヴィン・シェイのウェブサイトからFBの告知にたどり着いた。時間前に入ったわたしは客第一号、その後も数人。他に来ても、対バンのミュージシャンやそのガールフレンドなど。東京のライヴハウスと同じようなものだ。
近所に住むスティーヴン・ガウチがこれを定期的に企画しているということで、準備をいろいろとしていた。暇そうにしているわたしにも食べかけの菓子をくれたり、動画を録るためのルミックスは型落ちでたった40ドルだったとか、何だかいい感じ。
■ エリック・プラクス+アーロン・ネイムンワース+ショーン・コンリー+ジョン・パニカー
Eric Plaks (key)
Aron Namenwirth (banjo, g)
Sean Conly (b)
Jon Panikkar (ds)
ベースのショーン・コンリー以外はまるで知らない面々。
リーダーはアーロン・ネイムンワースのようで(口数が少ない)、バンジョーとギターからメタリックな音を出した。またEbowのようなものを弦に近づけて、アンビエントな効果を出した。
やはりコンリーは安定的に不穏であり、指と弓の他に棒を使ったり、弦の下にアルミホイルを巻いたり、手で胴を擦ってまるでドラムスのブラッシュワークのような音を発したりした。
不穏さにはエリック・プラクスのキーボードも貢献していて、ダークな音には惹きつけられた。左手を痙攣させてその側面で鍵盤を叩いたり、憑依したように鍵盤の左右から中心へと攻めたりと、なかなか癖のある人のようだった。構造をその都度創り出すサウンド、つまり構造は無きがごとしか。
●ショーン・コンリー
ヨニ・クレッツマー・トリオ@Children's Magical Garden(2017年)
ヨニ・クレッツマー『Five』、+アジェミアン+シェイ『Until Your Throat Is Dry』(JazzTokyo)(2015-16年)
ヨニ・クレッツマー『Book II』(2014年)
ジェシ・スタッケン『Helleborus』(2014年)
ヨハネス・ウォールマン『The Town Musicians』(2013年)
■ スティーヴン・ガウチ+アダム・レーン+ケヴィン・シェイ
Stephan Gauci (ts)
Adam Lane (b)
Kevin Shea (ds)
cleanfeedなど有名なレーベルからもCDを出しているガウチだが、音は聴いたことがなかった。驚いたことにほぼフラジオの高音で攻め続けるスタイルであり、ほかのふたりのエネルギーと相まって興奮状態を生みだしていた。(演奏後にガウチに訊くと、高音が耳から入るとテンションが上がっていくから好きなんだと言った。)
アダム・レーンのベースはやはり大変なテクニシャンぶりで、特に高速でのアクロバティックな指弾きが特筆すべきものかと思った。
ケヴィン・シェイも負けてはおらず、すさまじくシャープでガジェット的で人間的。とにかく叩く、というよりは、とにかく動く。
●アダム・レーン
アダム・レーン『Full Throttle Orchestra』(2012年)
アダム・レーン『Absolute Horizon』(2010年)
アダム・レーン『Oh Freedom』(2009年)
4 Corners『Alive in Lisbon』(2007年)
●ケヴィン・シェイ
ヨニ・クレッツマー『Five』、+アジェミアン+シェイ『Until Your Throat Is Dry』(JazzTokyo)(2015-16年)
クリス・ピッツィオコス『Gordian Twine』(2015年)
MOPDtK『Blue』(2014年)
MOPDtK『(live)』(2012年)
MOPDtK『The Coimbra Concert』(2010年)
ピーター・エヴァンス『Live in Lisbon』(2009年)
MOPDtK『Forty Fort』(2008-09年)
■ ブリガン・クラウス+アルバロ・ドメーン
Briggan Krauss (as)
Albaro Domene (g, electronics)
ブリガン・クラウスはCDでも前に観たときもよくわからなかった。吉田野乃子さんが「JazzTokyo」誌において、敢えて不自由な吹き方をするのだと書いていて、そのつもりで観ると腑に落ちるところがあった。
クラウスはサックスにタオルを詰め、音が出てこないのに出そうとして吹いた。また、脚にサックスを押し付けて、やはり、音が出てこないのに出そうとして吹いた。それも驚くほどの猛進ぶり。普通は音を消したり抑えたりするものである。かれは吹くために吹かないようにしているのである。
また、アルバロ・ドメーンのエレクトロニクス・ギターとの相性はとても良い。クラウスがギターに擬態する瞬間もあった。
●ブリガン・クラウス
アンドリュー・ドルーリー+ラブロック+クラウス+シーブルック@Arts for Art(2015年)
アンドリュー・ドルーリー『Content Provider』(2014年)
ブリガン・クラウス『Good Kitty』、『Descending to End』(1996、1999年)
近くの場所でもライヴをやっていて、ケヴィン・シェイは掛け持ちだという。ちょうどシェイが、最初のバンドが演奏をはじめたみたいだと教えてくれて、一緒に20分歩いて次の場所に向かった。(既に次のバンドでアダム・レーンと共演するニューマン・テイラー・ベイカーが到着していたし、その次には、前日に観たばかりのトーマス・ヘルトンとジョー・ヘルテンシュタインが共演するようで、居残りたくもあったのだが、ここは選択しなければならない。)
急ぎ足で歩く間、シェイが参加するバンド「Mostly Other People Do the Killing」や「Talibam!」や「People」について色々と話を訊いた。
Fuji X-E2、XF35mmF1.4、XF60mmF2.4