先月から、東映チャンネルでは先ほど亡くなられた梅宮辰夫兄いの追悼OAが始まっており
東映時代の辰兄いって言ったらいわゆる軟派的な作品が多く、先月は「不良番長」とかのメモリアルOAでしたが
今月は、「花札賭博」とこの「血染の代紋」と言った硬派な作品でしたので、「不良番長」シリーズはDVDが全作揃っているってことで
コロナ禍に負けないぞってことで、東映チャンネルで録画したこの作品を・・・
なんと深作欣二さんの作品だったんですね
ってことで東映東京撮影所作品でして、昭和40年の横浜が舞台の現代任侠劇でしたが
見終わってネットで、こんな仕様のポスター画像を見つけました
出演者全員が着流しですね
さらに予定されてんでしょうか、ヒロインに藤純子さんでして一番おっきい図柄ですが
出演されてません
若山富三郎さんも出演されてません
ヒロインは宮園純子さん、主役の文太兄いと辰兄いには絡まれません
鶴田浩二御大の姐さん役ですね
若山さんの立ち位置的な役に長門勇さんが・・・
ま、時代的には“止めてくれるなおっかさん・・・”に迎合したポスターだったようで
ま、時代的には“止めてくれるなおっかさん・・・”に迎合したポスターだったようで
実際の映画の内容は、戦後20年警察庁の暴力団壊滅作戦が効を奏し、
僅かな利権を争い自滅・共倒れ・解散していく暴力組織が生き残りをかけて
いわゆる”企業化“して生き残っていこうと足掻く様を深作流に描いていて
一応は近代化の悪徳ヤクザと古い任侠道を細々と守っていこうっていう手垢のついたヤクザ映画のパターンからは逸脱してないんですが
深作さん「仁義なき戦い」を撮る過度期にあたる作品に当たるのかな
内藤誠と共同脚本ですね
横浜の港湾用地の巨大コンビナート建設に関わるゼネコンによる用地買収の為に
そこに不当に居座る貧困層のスラム街の住人の立ち退きの業務を文太兄いの弱小ヤクザが引き受けた所から話が始まります
が、実はそのスラムで孤児として育ったのが文太兄さん
ある意味矛盾を孕んでいるわけで
そこで一緒に育った辰兄いが立退き金目当てでやってきて
さらにシマを広げる利権として東京から渡辺文雄の悪党組織が
さらにこれまた立退金目当ての浮浪者として長門勇まで現れて
スラム街で生まれ育った二人の男の葛藤劇の中で、さらにもっと古臭いヤクザの鶴田浩二までが登場してくるわけで
“貧困街の住人の身長と立退料を目的に居座る余所者”“目的を達成させる為には手段を選ばず仁義もへったくれもない巨大組織の非情さ”がいわゆるがまん劇のプロットの中で交錯する中で何人かが命を落とすことで
ついに辰兄いと文太兄さんの堪忍袋の緒が切れます
辰兄いは最初から最後まで実はボクサー崩れの堅気なんですね
ボクサーとして目をやられてチャンピオンの夢破れた辰兄さん
弟分のケン・サンダースに自分の夢を託すために立退金が必要だったものの
巨大組織に弟分を殺されて組織に牙を剥く羽目に
辰兄はキャスティングクレジットではトップですが
文太兄さんがシーンもカット数も多い作品だったようで・・・
これまたスラム育ちで今も両親がそこで生活してるんものの組に命を捧げてい死んでいく
待田京介の芝居はこの作品では肝となる見所ですねぇ
鶴田浩二はこう言ったワンパターンの芝居しかできないが、そこに彼のみにしかできない哀愁と色気を感じさせる
最終的に殴り込むものの、全員が死んでしまうのもこの時代の深作節だったような気がする
「不良番長」や「夜の帝王」シリーズのイメージが強い辰兄いのイメージですが
実はヤクザ映画にもかなりな作品に主演されていたんですね辰兄いは
来月なんぞは高倉健さん客演の作品もOAされるようです
1970年製作、日本映画、東映作品
深作欣二脚本・監督作品
出演:菅原文太、梅宮辰夫、待田京介、宮園純子、曽根晴美、南廣、鈴木やすし、ケン・サンダース、室田日出男、沢彰謙、渡辺文雄、内田朝雄、長門勇、鶴田浩二