美和山吹の川柳ブログ***「川柳歳時記」「川柳画」など。***

このブログを始めてから、11年がたちました。
「川柳歳事記」は、良い川柳を読む機会のない人のため載せています。

データベース(始末)

2020-09-10 06:41:54 | データベース
始末
始末書を幾度書いたか向う傷
退院をするスリッパは捨ててゆく
密約を食べて素知らぬシュレッダー
不満分子へ札束の鍵がある
あほらしい下戸な私が後始末
始末書を チャチャッと書ける ようになり
春の乱 無事に過ぎたら 後始末
華やかにあげた花火の後始末
ふるさとに遺る空き家の後始末
だまってする男料理の後始末
始末書の文字を社長に褒められる
悪戯が過ぎて後悔後始末
実印が拍子抜けする後始末
お茶がらの始末で今日を締めくくる
始末書で叱る社長の思いやり
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データベース(セーフ)

2020-09-07 06:58:06 | データベース
セーフ
滑り込みセーフで汗も心地よい
カラオケで セーフラインを 見極める
調味料 セーフかアウトか 匂いにて
走り乗りセーフに安堵玉の汗
父危篤 暗証番号 聞きセーフ
ぎりぎりで下山を決める山のプロ    
期限切れ間際の菓子を無理に食べ
宿題の徹夜でセーフ始業式
追試受け単位揃える四年生
臨終に胸算用の親不孝
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「データベース」(角)

2020-08-07 06:59:15 | データベース

プライドがお辞儀の角度浅くする
もう一度振り向く秋の曲がり角
丸四角妻の日記にある印
角曲がり上司の犬に蹴り入れる
曲がり角いくつも越えて八十路坂
曲がり角曲がり切れずに縄のれん
神さまの死角で駄馬のひとりごと
綿帽子角は出てない家の嫁
レモン転がる予想外の角度へ
頭角を現し友はいま我が師
恋心四角いものも丸く見え
愛されてまあるくなった四角形
三角を積んだら上が狙えない
正確な角度は誰もわからない
我が家へと折れる最後の角が好き
天空のどこを切っても角はない
どの角を曲がってみても向い風
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「データベース」(気のせい)

2020-08-03 07:09:29 | データベース
気のせい
気のせいか 妻の女子会 増え始め
病室のたぶん気のせいわらべ歌
“明日、有給” 妻の舌打ち 気のせいか
気のせいか 俺が構えりゃ 風が吹く
気のせいだ気のせいだおまえから死ね
気のせいか 何故か合コン 休肝日
気のせいか 草木がなぜか 弾んでる
気のせいか. 隣の塀が. 寄ってくる.
病院でいつも言われる気のせいだ
妻の愚痴 元気なせいと 聞き流す
痩せたよと 君は言うけど 気のせいだ
気のせいか令和で増えた大事件
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「データベース」どんどん

2020-07-12 06:56:42 | データベース
どんどん
雲の峰がどんどん黒くなっていく
空き部屋がどんどん増える脳の中
震災でどんどん人間が強くなる
どんどんと友も増えてく旅の先
ポツポツがザーに今日日のゲリラ雨
どんどんと祭り太鼓の勇ましさ
胎動へどんどんわいてくる母性 人の句
物忘れ朝な夕なに進化する 地の句
笑顔ある方へどんどん運も寄る 天の句
電子機器どんどん使う子等の知恵 人の句
影法師どんどん僕の先を行く 地の句
八十路の恋どんどん若くなるここち 天の句
出迎える 位置がどんどん 遠くなり
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データベース(石)

2020-05-21 08:14:18 | データベース

龍安寺どの石ももの言いたそう

転がったとこに住みつく石一つ

ちぐはぐな個性で石が光りだす

いい雨が石の上にも降っている

千年を生きて漬物石と成り

晴れの日へじっと耐えてる土台石

石仏の壁 一介の僧で生き

花咲かす明日へ励む石を積む

石蹴って青のシグナル踏み切れず

夕日背に石もときどき偽装する

おじいさんが逝った庭石たいくつだ

叩いたら石橋割れて水の中

石頭川柳つくりやわらげる

華やかな時がなつかし薬指

石臼も老舗の蕎麦というリズム

原石を探す真夏の甲子園

石一つたった一つで禅の庭

渇き切る喉にゴクリと石清水

登山道命をもらう石清水

家族とはこんなものさと石をける

下積みの石を捨て石にはしない

石臼を飾って店の格を上げ

あめはだめ後に引けない石頭

ご利益へ石段這って奥の院

古代ロマン化石は詩人かもしれぬ

ひめゆりの涙化石にしてならぬ

抱き合ったままで化石になるもいい

身構えて落石注意無事通貨

大雨警報落石注意梅雨最中

砕石場発破合図に人が散る

やわらかい言葉で石も割れました

政治家の襟を正した戒石銘

子のために敷石となる父の汗

仏にも神にも見える丸い石

石仏秋風ふいて回帰する

もうよそう届かぬ石を投げるのは

捨石が効いて地獄を見ずにすみ

三陸で拾った石は文鎮に

石で打つ釘は掠れた音がする

シナリオは無いが打開の石を積む

宝石も拾ったバードウォッチング

躓いた石を積み上げあと一里

意地通す花は石をも割って咲く

母の海抱かれて石も丸くなる

転んでも蹴っても丸くならぬ石

棚田から化石のような息が漏れ

石が音を上げるまで打つ雨雫

少しづつまあるくなって老いる石

土葬がいい化石になれるかも知れぬ

超ミニに見惚れて石に蹴つまづき

たくし上げ両の掌に盛る石清水

 

 

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データベース(気)

2020-05-05 06:33:25 | データベース

気(十四字詩)

(あまりにも多いので、空気、電気、元気などはほとんどカットしました。)

水仙のアピール気品ある香り

まだ燃える意気地が終章遠ざける

茶摘みごろ気の向くままの旅に出る

綿入れに快気祈った介護の日

一杯のお茶に元気をもらう朝

暑気払いこれでと投げた皮財布

向日葵と熱気を競う蝉時雨

時過ぎてもパンダ人気かげりなし

なでしこの花が被災地勇気付け

横槍が入り会議の乱気流

世話女房気配り過ぎて気が重い

ユニクロで少し気取っているくらし

湯豆腐の湯気が話の穂を繋ぎ

風は気配木枯らしもそよ風も

どぎまぎの気配善人なのだろう

書初めも意気込む腕に向かい風

信号は三色四つ目は気持

女医さんと聞いて行く気になった祖父

生きがいを求め気ままな暮らし向き

ぼちぼちの余生気楽な方選ぶ

十指みな覇気が漲る手話の冴え

脂気も粘り気もありまだ八十路

遺言に父の夢継ぐ子の気迫

胃薬を飲んで承諾する弱気

スケジュール母の気合いが埋めてある

細かいこと言うなと土佐の男意気

無邪気さを装っている水中花

素っ気無いレシピで生きる血糖値

気配りはとうに忘れた皮下脂肪

気障な奴へびのベルトでめかしこみ

気取らずに吞めて喋れる友がいい

気配りをいつも忘れぬ妻と居る

朝靄の峰から英気享受する

茶柱で気合の入る朝の靴

まだ生きる気力一枚葉を残し

気晴らしに立つ屋上に緑地あり

気くばりは万全で靴下の穴

気苦労を避けてゆったり家に居る

気前よくみやげを買って旅疲れ

 

 

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データベース(集中)

2020-05-03 06:58:41 | データベース

集中

優子さん 集中砲火 浴びててね

三方良し 集中緩和 西栄え

頭の体操 集中ちゅう 耳にカギ

組んだ腕 肘に意識は 集中し

集中力欠けたところで赤い月

 

*句の中に集中という単語が入った句は少ないので、ある意味チャンスかも)

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データベース(太い)

2020-05-01 07:32:09 | データベース

太い

遅咲きの花です根っ子から太る

苦言そのまま消化吸収して太る

骨太で昭和を生きた父の傘

頼られていよいよ太くなる大樹

激流へさおさす父の太い眉          

農に生き土を愛した太い指

イケメンも良いが太めも温かい

まだ太る元気があって高齢者

骨太の指が自慢の耕耘機

大空へあなたが好きと太く描く

螺旋を描く象と出会って太くかく

がんばれよたった一言太い文字

逆境に耐えた背骨は太くなる

パソコンの進化へ拗ねる太い指

勝った日の対戦記録太く書く

金づるの太いパイプが駄々こねる

人間の幹を苦労が太くする

口笛を吹く少年の太い眉

達人は静かで太いなと思う

シルエットだけから言えば狢です

お寺さんと太いパイプを持っている

悲しみをいっぱい抱いて太ってる

太巻きの寿司の具でいるいい仲間

その中の一字が太い通り雨

 

 

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「川柳歳事記」

2020-04-26 07:49:53 | データベース

葉書

遭難の山絵葉書が遺書になる

絵葉書の花が和ます風便り

沖縄が父の形見にしたハガキ

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