脳よりも胃袋ばかり満たされる
美和山吹
バラバラ
まとまらぬ意見徳利が一本化
村を出た十人十色の人生譜
人助け離れ離れでゆく臓器
花
苦労した花は明るい色で咲く
梅干しにも花咲く春がありました
戻らない人を待ってる過疎の花
弾む
該当者なしでさっぱり弾めない
アラベスクの中で果てしない鼓動
進化論いつかはひとになれそうで
アルバムに若さこぼれる妻を見る
柱
火柱を抱えた鬼の懺悔録
昭和残像はりついたまま人柱
父の背に天地無用と書いてある
激しい
人々の涙で増した海の水
激しさも老いては隠す術を知る
東北が激しく揺れて国揺れる
白紙
からみ合い白紙に何故か出来ぬ人
白紙には戻らぬ過去がある二人
言い負けて白紙委任を迫られる
あこがれのまま富士様
名峰 富士山
霊峰 富士山
美しい国日本の象徴 富士山
遠くから見てもどの方角から見ても美しい 富士山
一生に一度は登っておきたい 富士山
元気であれば何度でも登りたい 富士山
いつか登ってみたい いつか登ろうと思っていた 富士よ
登る決断ができないまま年を重ねてきた 富士よ
下界の日々の暮らしの中で高く立つ姿を眺めているだけの 富士よ
(つづく)
灰
灰皿にまだ苛立ちを吸い残し
灰を見る人の一生ひとつまみ
散骨の波が奏でる鎮魂歌
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