最適化問題に対する超高速&安定計算

大規模最適化問題、グラフ探索、機械学習やデジタルツインなどの研究のお話が中心

SDPA クラスタ引退

2007年02月13日 01時40分37秒 | Weblog
この2月で稼動してからまる4年になる SDPA クラスタだが(一度 2003年末に CPU を Athlon 1.2GHz から 2.0GHzにアップグレードした)、さすがに老朽化が目立ってきたのと、次の場所には電源も空調もスペースも十分に無いことからもうすぐ引退することになった。この4年間には SDPARA や並列ホモトピー法や他の大学からの使用、さらにオープンキャンパス等での活躍もあった。最盛期には 40台, 80CPU で Linpack で 160GFlops を出した。ただ多くのマシンのメモリが 1Gbyte だったので、40 台を同時に使用した大規模実行には結構制限も多かった。ほとんどのマシンがまだ正常に動作するので、廃棄するのはもったいないが、置き場所、稼動場所もなく仕方がないところだろう。
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ブルーレイのソフト

2007年02月12日 01時30分58秒 | Weblog
Vista と同様であまり盛り上がらない次世代 DVD だが、一度ブルーレイのディスクで映画などを見てしまうと普通の DVD は画質の悪さが気になってかなり見づらい。しかし次世代 DVD はブルーレイにしても販売店でほとんどソフトを見かけない(HD DVD に至っては全く見ない)。レンタルとしても置いてないし、とにかくソフトを得るのが大変だ。しかし両者ともあまり普及していないとは言え、ブルーレイディスク(BD)のシェアが圧倒的に大きい。次世代 DVD はあまり盛り上がらなくて、普及は次々世代 DVD ?あたりからになる可能性もあるだろう。

20世紀FOX、販売店にBDビデオの積極展開を要望

日本での状況については、プレーヤーでのシェアを紹介。次世代DVDの再生/録再機市場全体を100%とした場合、BDは82.7%のシェアを獲得しているという。さらに「この数字にはPLAYSTATION 3は入っていない。こうしたことからも、既にハードではBDが圧倒的有利という状況がおわかりいただけるはず」とした。

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次世代スパコン

2007年02月11日 03時41分41秒 | Weblog
次世代スパコンはもう和光に作るものだと思い込んでいたが、まだ公式には設置場所が決まっていないらしい。例え世界最高速になったとしても一台だけでは、日本全体に対する計算機環境の貢献という意味では、あまり大きなことは期待できない。個人的には研究室レベルで数テラ Flops のマシンを気軽に使用できる方が嬉しい。子供向けのスパコン解説ページがあるが、子供には結構難しそうな内容である。

次世代スパコン拠点、候補地5カ所に・和光市など

 政府が世界最速を目指して開発する次世代スーパーコンピューターの立地候補先が神戸市や埼玉県和光市など5カ所に絞られたことが23日、分かった。 2010年度の稼働を目指し総額約1154億円を投じる国家プロジェクトで、年度内の最終決定に向け自治体間の誘致合戦が一段と激化しそうだ。
 開発主体の理化学研究所が15カ所の候補地の中から5カ所を選んだ。ほかに選ばれたのは仙台市、横浜市、大阪市。大半が研究機関などに隣接している。
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64bit と 32bit

2007年02月10日 05時02分57秒 | Weblog
x86_64 の 64bit 環境では 32bit のバイナリも動作することが知られているが、64bit OS 上で 64bit と 32 bit のバイナリの速度とメモリ使用量を比較してみた。ベンチマークして遊んでいるようにも見えるが、一応これも研究の環境作りの指標になる。OS は基本的に Fedora Core の 64bit で、参考値として一つ Core2Duo を Windows MCE 2005 上の VMWare で動作させたときの値も入っている。バイナリは glpk という線形計画問題や混合整数計画問題(MIP)を解くためのフリーのソフトウェアであり、問題は MIPLIB という MIP のベンチマーク問題集から採用した。
問題によっては 32bit と 64bit で差が見られないことがある(メモリ使用量は 64bit の方が当然多い)。32bit の方が反対に速いこともある。しかし Core2Duo では 64bit の方が優勢になっている。やはり Core2Duo は 64bit でも結構速い。
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Core2Duo と 64bit その2

2007年02月09日 03時23分39秒 | Weblog
前回の比較では Core2Duo よりも他の CPU が古めだったので、64bit Pentium4 (3GHz から 3.9GHz にクロックアップ)も比較に追加してみた。やはり Core2Duo は 64bit でも速い。少なくてもここで使用しているアプリケーションでは明らかに 64bit Pentium 4 に対して優勢である。Core2Duo の同じマシンで 32bit と 64bit の Linux を両方インストールして比較しようと思ったが、SDPA で使用している ATLAS というソフトウェアが Core2Duo の 32bit では、make が簡単には出来ないので、その辺は省略した。
Pentium4 の方のマシンのメモリは DDR2-533 で、Core2Duo のメモリは DDR2-800 であるので、これも結果に影響しているかもしれないが、少なくとも自分のところの Core2Duo には 64bit の Linux をインストールしようという気持ちになってきた。
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卒論発表

2007年02月08日 03時09分27秒 | Weblog
卒論発表会が無事に終了した。六つの部屋で並行して発表会を行っているので、他の部屋のことはわからないが、卒論の概要集を見れば予想がつく。当学科の卒論は他学科でも非常に評判が悪いと聞いている(というより直接指摘された)。その理由は、

1: 新しいものが何もない。レベルが低くてもいいのだが、やはり世界初の何かが欲しい。
2: 教科書などをまる写し。演習やレポート並みのレベル
3: 昨年以前の卒論とほぼ同じ。研究というより伝統工芸に近い。
発表自体も
1: 概要集をそのまま OHP に写す。学会発表でもたまにやっている人もいるが。
2: 発表時間を無視する(止まらない)。
3: まる写しで式を棒読み。というか式すら読めない人がいる。昨年は sinh, cosh を"シンシュ","コシュ"と読んでいた。

当研究室も昨年の卒論は酷かったが、今年は良くやってくれたと思う。楽な研究室は前期で卒論が終わってしまうらしく、それらは大変学生に人気があるようだ。一方厳しく指導しても研究室に配属を希望する学生はいるので、無理に卒論を簡単にしてまで学生を集めたいとは思わない。とにかくこれで最後の仕事も終わった。
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Linux と Vista と 64bit

2007年02月07日 05時44分32秒 | Weblog
昔は Windows も新 OS(Vista) になって 64bit に前面移行かと思われていたが、現時点ではあまり 64bit への移行があまり推奨されていないふしがある。Vista Ultimate なども正式版では 32bit と 64bit 版が両方梱包されているが(DSP 版は別々に販売)、実際には 32bit の方が多く使用されているし、Intel の Core2Duo なども 32bit モードの方に最適化されていると言われている。単純に性能や拡張性などで比較すれば絶対 64bit の方が優れているが、実際には 64 bit の Windows XP Pro などでも多くのソフトウェアが 32bit モードで動作している。
一方 Linux の方は、CPU が 64bit 対応ならば 64bit の OS を選ぶ人が多いだろう。と言うか特別な理由がなければ 32bit を選ぶ必要はないだろう。64bit でも int 型が4byte のままであることから、ソースから make し直すことで簡単に 64 bit に移行できるが、この基本的にソースファイルを持ってきて make するという文化が Linux の 64bit への移行を促進させているのだろう。
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Core2Duo と 64bit

2007年02月06日 04時22分32秒 | Weblog
以前自分のブログにも Core2Duo は 32bit コードは速いが、64bit コードは遅いという話を書いたが、実際に 64bit の Fedora Core 6 をインストールして試してみたら、意外にも結構(かなり) 64bit でも速かった。
SDPA と SDPA-GMP を比較に用いたが、結果は画像ファイルを参照していただきたい。比較相手がやや古い 64bit CPU とは言え、少なくても Core2Duo の 64bit モードが遅いという感じは受けない。SDPA だと Xeon 2.8GHz が Opteron 2.0GHz より高速だが、SDPA-GMP ではこの関係は逆転する。いずれにしても Linux では Core2Duo を 64bit で使用しても良いのではないか。

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大学院のゼミのテキスト

2007年02月05日 03時19分22秒 | Weblog
赴任前からシラバス等の入力をする必要があるので、今年までどんな授業をやっていたのか知らないのだが、昨年のシラバスを見ながら自分流に少し変更した書いた。JABEE などの関係なのか知らないがシラバスの書き方にお達しがあったようで、非常勤の別の大学のシラバスも書いたが書式はほぼ同じで統一されていた。基本的には毎回の授業について内容を書く必要があり、評価基準についても比率付きでシラバスに書かなければならない(出席点 40%, 定期試験 60% など)。大学院の授業も同じのように詳しく記入する必要が出てきた。
大学院の授業(ゼミ)のテキスト&参考図書は以下のものにしよう。

1: Introduction to Algorithms
2: High Performance Computing (Risc Architectures, Optimization & Benchmarks)
3: 珠玉のプログラミング―本質を見抜いたアルゴリズムとデータ構造

3だけ和訳なのは、すでに3の本を持っているので敢えてもう一度原著を買う必要はないと思ったので。1は大著で今まで何回もゼミや授業で使用しているが、いまだに全部終わっていない。2と3も古典的な名著である。コンピュータのアーキテクチャやコンパイラなども大変進歩していて、本の内容がそのまま当てはまらないことも多いが、プログラミングの基本を押さえておくためには格好の本だと思われるので。
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SDPA-GMP の性能(演算結果)

2007年02月04日 06時30分03秒 | Weblog
SDPA-GMP の演算結果と言っても、専門でないと全くピンとこないと思うが、その精度の良さは SDPA と比較してもはっきりとわかる。重要なとこには矢印を引いてあるが、relative gap(相対ギャップ)の値がかなり改善されている。しかも実行可能性の値(p.feas.error と d.feas.error)が SDPA-GMP と SDPA ではかなり異なっている。
よって SDPA では最適解が、
-1.16071450e-01 < 最適解 < -1.16071494e-01
の間にあるように見えるが、SDPA-GMP では
-1.1607142857e-01 < 最適解 < -1.160714285e-01
の間にあるように見える。つまり SDPA の方は最適解の上限と下限の範囲もあまり正確に見積もれていないことがわかる。

SDPA-GMP
phase.value = pdOPT
Iteration = 19
mu = 7.4783838569294650e-13
relative gap = 4.0193471548847818e-12 <----
gap = 4.9357333455734469e-11
digits = 1.0460569811400850e+01
objValPrimal = -1.1607142857e-01 <----
objValDual = -1.1607142858e-01 <----
p.feas.error = 1.7549208696e-11 <----
d.feas.error = 6.5389040265e-74 <----
relative eps = 8.6361685551e-78
total time = 0.650

SDPA
phase.value = pdOPT
Iteration = 18
mu = 1.9133936909156503e-09
relative gap = 4.4012200856036188e-08 <----
gap = 1.2628398360043292e-07
digits = 6.4211524061731708e+00
objValPrimal = -1.1607145007434763e-01 <----
objValDual = -1.1607149408654849e-01 <----
p.feas.error = 2.2897109430708440e-08 <----
d.feas.error = 9.9753538762570315e-14 <----
total time = 0.010

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Cell の性能を引き出す

2007年02月03日 00時15分34秒 | Weblog
ソニーの CEO の発言で現在の PS3 のゲームはハードの性能の 20%から25%しか使い切っていないという発言があったが、これは Cell (218GFlops) のことなのか、RSX (1.8TFlops) のことなのか、全体のことなのかわからないが、そもそも 100 %の性能はまず出せない。いずれにしてもまだ 3,4倍ぐらいは性能を上げる見込みはありそうだ。RSX の方は全く知らないが、Cell の性能を引き出すのは結構難しい。PS3 のゲームを見ていると、どうやって Cell プログラミングしているのか興味があるところだが(企業秘密)、SPE への DMA 転送のレイテンシーや SPE のリングバス上の位置まで考慮した負荷分散等はまだ改善の余地がありそうな感じがする。ローカルストアの領域がもっと多ければと思っている人もいるのではないか。リングバスのトポロジーや性能が今のままではこれ以上 SPE の数を増やしてもあまり性能改善には結び付かないかもしれない。

--2007年のPS3のゴールは何でしょうか。
Stringer:第1四半期の終わりまでに、世界で600万台を出荷します。それから、春には欧州でもPS3を発売する予定で、これはわが社には重要な意味があります(編集者注:欧州では3月23日の発売が決まっている)。発表されているゲームの数は20ほどです。この数は増えていくと考えています。
 どさくさに紛れてあまり知られていませんが、現在発表されているゲームは、性能の20%から25%しか使っていません。ゲームメーカーへの刺激が一定のレベルに達して、より多くの性能を引き出せるようになれば、より素晴らしいゲームが作られるようになるでしょう。

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XP --> Vista 移行?

2007年02月02日 06時03分21秒 | Weblog
今時パソコンの新OSぐらいでそんなに盛り上がるわけはないのだが、特にシニア世代などは苦労して覚えた XP から Vista に移行することは苦痛であって楽しみでも何でもないようだ。Vista に移行しますかというアンケートをやっているが、独占市場で新しいパソコンには Vista しかインストールされていない場合が多い。つまり選択の余地がない以上アンケートをやってもやらせにしか見えない。今回の Vista の問題点は、市場では必ずしも新 OS が必要とされていない(まだ XP で十分という人が多い)ことと、強制的に新 OS に移行させられることである。 そんなに Vista の方が良ければしばらく XP と並存販売して消費者に選択させれば良いと思う。やはり OS ではなくそこで動作するソフトの大事で、今まで使っていたソフトの多くが動かないようでは使っていて苦痛だ。
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地球温暖化

2007年02月01日 02時44分48秒 | Weblog
もう約1年前になるが以下の地球温暖化の特集を録画して見るのを忘れていた。いまだに流体系の計算では世界最高速レベルと思われる地球シミュレーターの活躍も描かれている。地球シミュレーターはソフトウェア技術の改良で当初の予想よりも性能が上がったらしいが、反対にアメリカのロスアラモス国立研究所などにあるスパコンは核兵器の開発に使っていても本当に人類の役に立っているかは疑問である。世界各地の旱魃と地球温暖化の関連性はかなり高くなってきているというのが専門家の多数意見である。日本ではあまり報道されないが、オーストラリアの旱魃やアマゾンや黄河の渇水は相当ひどい状況になっている。

2006年2月18日(土) 午後9時~9時52分 総合テレビ
二夜連続シリーズ 気候大異変
第1回 異常気象 地球シミュレータの警告

第2回 環境の崩壊が止まらない

リサイクル下水、飲むしかない…干ばつ豪、08年から

 【シドニー=新居益】干ばつに苦しむオーストラリア北東部クインズランド州政府は28日、下水を飲料用にリサイクル処理した水を同州の一部で2008年から使用すると発表した。同州は、下水再利用の是非を問う住民投票の取りやめも明らかにした。住民に是非を聞いている余裕がないのが実情という。州政府のビーティー首相は、「大変な決断だが、水を飲まなければ死ぬ。ほかに方法がない」と、住民に理解を求めた。地元紙によると、このまま干ばつが続けば、同州の水源は09年に枯れるという。オーストラリアは現在、史上最悪といわれる干ばつに見舞われており、全国で下水再利用への関心が高まっている。ただ、住民の抵抗感は強く、最大都市シドニーを抱えるニューサウスウェールズ州首相は再利用に反対を表明、これまでのところ再利用を実施している州はない。
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