名南将棋大会ブログ 名古屋

名南将棋大会告知や結果のほか、
将棋が強くなるための記事を書きます。
まずは将棋上達法則を見てください。

大山将棋問題集 20171123

2017-11-23 | 大山将棋研究
後手番大山先生の手です。

第1問


まずは基本手筋。
A 45歩 B 43金 C 36歩

第2問


これがあるので結構大変です。
A 64角 B 46歩 C 24同歩


ここからは先手番米長先生の手を考えます。
第3問


大切な手です。
A 79香 B 86香 C 66桂

第4問


好手でした。
A 56桂 B 12角 C 47角

第5問


勝ちを読み切りましょう。
A 75金 B 74角 C 76飛
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大山将棋研究(712);四間飛車に左46銀急戦(米長邦雄)

2017-11-23 | 大山将棋研究
今日の棋譜20171123
昭和58年3月、米長邦雄先生と第8期棋王戦第3局です。

大山先生は大野流(兄弟子の大野源一先生のことです)53銀からの四間飛車です。これは珍しい組み合わせで、三間飛車ならバランスが良いのですが。

米長先生は急戦で

61金が離れているのがチャンス、ななめ棒銀を採用して弱い角頭を狙います。

大山先生の36歩から45歩というのは手筋の受けです。

大山先生には角打ちがあるので案外難しいです。

ななめ棒銀が進出してまずまずの局面です。ここでいろいろあって、24同金同飛22歩31角33銀は互角、25歩36飛24金31飛成は先手よし、43金には形勢不明、というところでしょうか。本譜は22飛で

23歩に72飛というのが違和感があります。後で袖飛車を見たものでしょう。

米長先生は銀をさばいて36飛というのが良い味です。

大山先生は銀を投入して受けますが

米長先生は桂馬ではなく11香を取りに行きました。

少し米長先生のほうが良さそうですが、26飛はどうだったか。というのは

66桂を食らってしまうと

駒損なのです。この大山先生の74歩が72飛からの予定ですが、敗着になってしまいます。

香車を先着されたのが痛かったのです。74歩で84香なら少し良かったか。

米長先生の自陣角が急所で、75桂が狙いです。

駒損でも93金と変な場所に打たせるのなら構いません。桂馬で追撃して

もう一枚。

1枚とられても

清算して馬取りに銀を出るのがぴったりです。

馬を取れて

迫られましたが

これで詰めろ。

そのまま詰まして投了図です。

大山先生はダブルタイトル戦の王将戦第1局は取りましたが、そのあとは7連敗の結果です。米長先生はこの次の年度に四冠王になった、一番強い時期でした。
大山先生はタイトル戦の連敗で、かなり変わった作戦を採用しました。簡単に悪くなると思ったらずっと難しくて、一時は逆転していたと思います。好調な米長先生に鋭い寄せが出てしまいました。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.31 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:米長邦雄棋王
後手:大山十五世名人
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 4二銀(31)
7 6八玉(59)
8 5四歩(53)
9 7八玉(68)
10 5三銀(42)
11 5八金(49)
12 4二飛(82)
13 2五歩(26)
14 3三角(22)
15 6八銀(79)
16 6二玉(51)
17 5六歩(57)
18 7二玉(62)
19 3六歩(37)
20 8二玉(72)
21 5七銀(68)
22 3二金(41)
23 3五歩(36)
24 同 歩(34)
25 4六銀(57)
26 3六歩(35)
27 3五銀(46)
28 4五歩(44)
29 3三角成(88)
30 同 金(32)
31 2四歩(25)
32 6四角打
33 2六飛(28)
34 2四歩(23)
35 同 銀(35)
36 2二飛(42)
37 2三歩打
38 7二飛(22)
39 3三銀成(24)
40 同 桂(21)
41 3六飛(26)
42 3五歩打
43 同 飛(36)
44 4四銀(53)
45 3四飛(35)
46 4三銀打
47 3六飛(34)
48 1九角成(64)
49 3四歩打
50 3二歩打
51 2二歩成(23)
52 2五桂(33)
53 1一と(22)
54 4六歩(45)
55 同 歩(47)
56 2九馬(19)
57 2六飛(36)
58 5六馬(29)
59 2五飛(26)
60 6六桂打
61 8八玉(78)
62 5八桂成(66)
63 同 金(69)
64 7四歩(73)
65 5七銀(48)
66 3四馬(56)
67 2一飛成(25)
68 5二銀(43)
69 8六香打
70 9四歩(93)
71 4七角打
72 9三金打
73 6六桂打
74 5五歩(54)
75 7四桂(66)
76 9二玉(82)
77 7五桂打
78 5六歩(55)
79 同 銀(57)
80 7四飛(72)
81 8三桂成(75)
82 同 金(93)
83 同 香成(86)
84 同 玉(92)
85 4五銀(56)
86 5六歩打
87 同 角(47)
88 7三香打
89 3四銀(45)
90 6四桂打
91 7四角(56)
92 同 香(73)
93 6五角打
94 7六桂(64)
95 7八玉(88)
96 5七歩打
97 8六飛打
98 8四桂打
99 7五金打
100 7七歩打
101 同 桂(89)
102 5八歩成(57)
103 8四飛(86)
104 7二玉(83)
105 8三飛成(84)
106 投了
まで105手で先手の勝ち
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20171123今日の一手(その606);玉が堅い形を選ぶ

2017-11-23 | 今日の一手

20171123今日の一手

8月6日の名南将棋大会から、JさんとKさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
駒の損得はありません。
玉の堅さは後手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は77角64銀の2枚で68飛も加わりそうです。
後手の攻め駒は33角と62飛の2枚。

総合すれば互角です。

☆ 大局観として
居飛車穴熊は堅いのですが、攻撃の糸口を見つけるのが大変です。問題図では角交換を挑まれましたが、飛角だけの攻めですからあまり怖くはありません。
先手は64銀が不安定な感じがするのですが、どうやらただ取りされるような筋はなく、銀が戦線に加わっている分だけ優位にすすめられるはずです。

角交換するかしないか、先手から角を換えるか後手から換えるか、都合3通りの選択があります。
4筋で歩がぶつかっていますが、歩で取るか桂で取るか取り込ませるか、ここも3通りです。
63銀成か63銀不成か63歩か、保留もありますがここも3通りくらい。
最大27通りの組み合わせですが、考えるべきは先手玉の堅さです。穴熊よりは劣っているとはいえ、出来るだけよい形で終盤を迎えたいです。


× 実戦は55歩と角交換を避けました。

46歩同金24角

こちらから角を使われてみると、先手の角筋が止まっているのでかなり嫌な形です。受け方も難しくて、35歩同歩63歩92飛48飛

飛角銀の働きが弱くなっています。36歩25桂45歩36金57角成

これではっきり後手有利です。45飛34金54歩45金同金66歩

飛金交換で角を使おうとしたものの、止められてしまいました。53歩成があるとはいえ、逆転のチャンスはまわってきませんでした。


○ 33角成と先手から取ると

33同銀右(か同金)で取ると、45桂42銀(か43金)63銀成92飛

53に利きが残るように、また飛先が軽くなるように63銀成が良さそうです。92飛は71角を避けた逃げ方です(63歩だと82飛71角72飛という余地もある)。ここで71角67歩同飛78角64飛89角成84飛

で81飛成や53桂成を狙うのと

77桂と跳ねておいて

78角の筋を緩和して、44歩53桂成同銀同成銀同金61飛成

という指し方がどちらもありそうです。右桂がなくなりますが、高美濃が残っているので先手玉がまだ堅いことに注目しておきます。後手の穴熊は金銀2枚だけ(53金と離れて行く)なので玉の堅さはかなり接近しています。飛車の働きに差があるわけですから、先に駒損しても先手よしとみてよいでしょう。

最初に戻って33角成を同桂なら

45桂とは使えません。45歩46歩48金引

後手を引いて拠点を作らせるのはしゃくなのですが、穴熊も薄くなっています。79角に65飛88角成63銀成

82飛なら71角、92飛なら85飛、と指して悪くないでしょう。

また79角に63歩

とすれば78飛が残るので勢い飛車の取り合いです。68角成62歩成35歩44歩同金52と

これはパンツを脱いだ穴熊ですから と金攻めが大きいです。


○ 45同桂ならば後手から角を換えることになります。

77角成同桂79角65飛88角成66角

44歩はあっても、63銀成82飛53桂成同銀同成銀同金61飛成

45歩とか75角とかがありますから、駒損でも悪くはありません。

後手が79角ではなく44角ならば

63歩77角成62歩成68馬52と

桂を取られても銀を取り返せますからこれも有望です。


△ 後手から角を換えさせる方針で45同歩だと

77角成同桂33角63銀成77角成64飛

は互角くらい。

途中33角に63歩だと

後手が飛車を逃げると67飛と受けやすくなるので取り合いです。77角成62歩成68馬52と46桂

という順か、後手は最後の46桂で24桂42と同金引25銀

という順か。銀を取っても桂銀交換だけですから、堅い穴熊に受けるだけの展開は望ましくありません。


× これも後手から角を換えさせるつもりで63銀成だと

46歩48金引の後、82飛なら33角成同金71角

は先手よしか。

92飛に65飛と浮いて

77角成同桂に35歩が嫌な筋です(桂頭をカバーするために65飛と浮いたのですが)。35同飛44角85飛93桂

飛車は成れても77角成~24桂が厳しいです。


× 63銀不成でも

63銀成の変化と大きな違いはありません。45桂~53桂成の変化、65飛~85飛に74角と打たれる変化、のようになると違いが出てくるのですが。


△ 63歩だと

77角成同桂46歩に同金

と頑張ることができます。57角69飛46角成62歩成、というのが何とか指せそうです。
82飛に65飛と浮いて両取りを避けておきます。79角

くらいでしょう。47金46歩48金引88角成66角99馬44歩

はまあまあとはいえ47香が残ります。

79角の時に47銀

と受けて、88角成66角99馬44歩33金45桂32金引53桂成

と攻めるほうが良さそうです。これは先手よしかも。


○ 65飛を先にして

先ほどの63歩の変化に合流させる方が紛れが少ないです。もちろん46歩に同金と取ります。同じ図ですが

これを目指します。


☆ まとめ

居飛車が玉を固める指し方(居飛車穴熊とか四枚美濃とかミレニアムとか)は戦力が不足します。振り飛車の左銀が左翼の小競り合いに参加していれば、左翼では少し有利な形になるはずです。
(これは普通の振り飛車に居飛車が急戦で挑むのとは逆の展開です。両方の感覚が必要なので振り飛車は難しいです。)
それでも玉の堅さの差は終盤でものを言います。勝つためには中盤で少しでもその差を詰めておくことです。居飛穴には端攻めで金銀の連携を崩す、というのはよく出てきますね。
この問題では端攻めがないのですが、左翼では少し有利(飛角銀と飛角の小競り合いです)なので、なるべく美濃囲いの堅さを保って終盤にもっていきたいのです。右桂を跳ねていることもあり、46歩48金引という形にはしたくないです。

よって45桂と取る形で良くならないかと考えたいです。33角成を入れてから45桂か、単に45同桂か、という比較を考えます。
気が付きにくいですが、65飛46歩同金も成立していました。

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