Q. 草履が体にいいってほんと?
これは世間でよく云われてますよね。私も草履職人となって調べたくらいですから、その真意はよく分からない方が多いと思います。
先ツボが当たる位置、つまり親指の付け根なんですが、ここが肩から首にかけての「ツボ」ということがはっきりしています。推し測るに、肩こりや首こりに効果があると思いますね。
「喉」のツボにも関係しているらしく、ヨガをしているお客様に『草履を履くと花粉症の喉にもいいんですよ』と教えられたことがありました。
自分自身の生活を顧みても、朝から晩まで草履を編み続ける生活が通年です。まして視力が弱くメガネなしでは暮らせませんから、どう考えても肩こりがヒドい気がします。確かに肩こりはありますよ、でもかつてサラリーマン時代は長時間の運転で頭痛に悩まされたのが、今はまったくないんです。
草履職人となってからの外履きはもっぱら「雪駄」ですから、これが無関係とは思えないんですね。
そして「足指で掴む」という動作が、バランス感覚を養うのに効果的と云われます。オリンピックに出場する女子体操選手が、日常に「ビー玉を足の指で掴む」練習を取り入れている話を聞きました。バランスを保ち易くするためですが、これが一般人に当てはめると「高齢者の転倒防止」に繋がると思うんです。
足指で掴む動作が容易にできる履物といえば、まさに「編んで作る草履」というわけですね。
ここからは「角館草履」特有の健康効果です。
布を巻いて編みこまれた「イ草」、ご存知の通り畳表の素材です。畳は日本家屋の必需品として存在しているわけですが、それは日本の文化のみならず、気候風土に適しているからでしょう。
さらに「抗菌力」であったり「吸水力」であったり、先人が畳にイ草を使ったからにはそれなりの意味がありました。和を代表する畳の素材が常に足元にある、これが日本人として「心の癒し」にならないでしょうか。
21cm以上の角館草履には、「土踏まず」が定番として付いています。これが適度なマッサージ効果を生んで、血行を促進するんですね。結果として、疲労改善・冷え防止・むくみ解消などが現れてきます。
心臓から遠い場所の血行促進には、「揉む」ことが最適と云われますし、古代壁画にも足裏を揉む健康法が記されているらしいですね。
近年「外反母趾」に悩む女性が増えています。外反母趾の症状が進むにつれ、偏平足も同時に進行するそうです。医師にかかっている女性は、ほとんどがそうお話くださいます。
日常のスニーカーなどももちろんですが、部屋履き草履にも「土踏まず」が付いていれば、尚一層良いことになりますね。
『冬は寒くて履けない』とおっしゃる方がいますが、「五本指靴下」を着用することで解決します。足袋型でも履けるのですが、足指を五本離すこと自体に健康の意味がありますから、出来れば五本指が理想ですね。
『あれは履くのが面倒でねぇ』とおっしゃる方も多いですが、慣れると簡単に履けるようになります。実は私がそうでした。
坂本竜馬の時代から150年ほどが経ち、日本人の履物文化は「靴」に取って代わりました。そのおかげで向上した部分も多いですから、そのこと自体が愚かだという話ではないでしょう。
けれどもそんな靴文化が、足指の働きを退化させたのは本当と思います。人類学だったか遺伝子学だったかの先生が、『これから何万年か経てば、人間の足から小指がなくなる』という話をしたと聞きました。私は案外あり得る話と思っているんです。尻尾の跡が尾てい骨になったように、使わなくなれば退化するのが道理ですからね。
角館草履のご愛用者がよくおっしゃる、『外出から帰ってこの草履を履くと、なにもかもホっとするんですよぉ』の言葉は、足がほんとに喜ぶ履物を示しているんじゃないでしょうか。
これは世間でよく云われてますよね。私も草履職人となって調べたくらいですから、その真意はよく分からない方が多いと思います。
先ツボが当たる位置、つまり親指の付け根なんですが、ここが肩から首にかけての「ツボ」ということがはっきりしています。推し測るに、肩こりや首こりに効果があると思いますね。
「喉」のツボにも関係しているらしく、ヨガをしているお客様に『草履を履くと花粉症の喉にもいいんですよ』と教えられたことがありました。
自分自身の生活を顧みても、朝から晩まで草履を編み続ける生活が通年です。まして視力が弱くメガネなしでは暮らせませんから、どう考えても肩こりがヒドい気がします。確かに肩こりはありますよ、でもかつてサラリーマン時代は長時間の運転で頭痛に悩まされたのが、今はまったくないんです。
草履職人となってからの外履きはもっぱら「雪駄」ですから、これが無関係とは思えないんですね。
そして「足指で掴む」という動作が、バランス感覚を養うのに効果的と云われます。オリンピックに出場する女子体操選手が、日常に「ビー玉を足の指で掴む」練習を取り入れている話を聞きました。バランスを保ち易くするためですが、これが一般人に当てはめると「高齢者の転倒防止」に繋がると思うんです。
足指で掴む動作が容易にできる履物といえば、まさに「編んで作る草履」というわけですね。
ここからは「角館草履」特有の健康効果です。
布を巻いて編みこまれた「イ草」、ご存知の通り畳表の素材です。畳は日本家屋の必需品として存在しているわけですが、それは日本の文化のみならず、気候風土に適しているからでしょう。
さらに「抗菌力」であったり「吸水力」であったり、先人が畳にイ草を使ったからにはそれなりの意味がありました。和を代表する畳の素材が常に足元にある、これが日本人として「心の癒し」にならないでしょうか。
21cm以上の角館草履には、「土踏まず」が定番として付いています。これが適度なマッサージ効果を生んで、血行を促進するんですね。結果として、疲労改善・冷え防止・むくみ解消などが現れてきます。
心臓から遠い場所の血行促進には、「揉む」ことが最適と云われますし、古代壁画にも足裏を揉む健康法が記されているらしいですね。
近年「外反母趾」に悩む女性が増えています。外反母趾の症状が進むにつれ、偏平足も同時に進行するそうです。医師にかかっている女性は、ほとんどがそうお話くださいます。
日常のスニーカーなどももちろんですが、部屋履き草履にも「土踏まず」が付いていれば、尚一層良いことになりますね。
『冬は寒くて履けない』とおっしゃる方がいますが、「五本指靴下」を着用することで解決します。足袋型でも履けるのですが、足指を五本離すこと自体に健康の意味がありますから、出来れば五本指が理想ですね。
『あれは履くのが面倒でねぇ』とおっしゃる方も多いですが、慣れると簡単に履けるようになります。実は私がそうでした。
坂本竜馬の時代から150年ほどが経ち、日本人の履物文化は「靴」に取って代わりました。そのおかげで向上した部分も多いですから、そのこと自体が愚かだという話ではないでしょう。
けれどもそんな靴文化が、足指の働きを退化させたのは本当と思います。人類学だったか遺伝子学だったかの先生が、『これから何万年か経てば、人間の足から小指がなくなる』という話をしたと聞きました。私は案外あり得る話と思っているんです。尻尾の跡が尾てい骨になったように、使わなくなれば退化するのが道理ですからね。
角館草履のご愛用者がよくおっしゃる、『外出から帰ってこの草履を履くと、なにもかもホっとするんですよぉ』の言葉は、足がほんとに喜ぶ履物を示しているんじゃないでしょうか。
草履職人なんですね。
まだ草履って需要あるんだなぁと思いました
鼻緒の部分がツボにあたって健康にいいとか
足指を5本開くのもいいとか
知らなかったので勉強になりました
また来ます
草履に代表される「和」の履物、ことに健康効果を調べてみると、むしろ現代だからこそ需要があるとも考えているんです。
昔は「ほかになかった」から履いたわけですけど、今は「わざわざ」履くんですからね。意味のないことに時間もお金もかけないのは、今も昔も一緒でしょ。