角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

4月6日~8日お休みです。

2016年03月30日 | 実演日記





今日の草履は、彩シリーズ23cm土踏まず付き[五阡二百円]
桜うさぎピンクをベースに、赤の水玉を組み合わせてみました。桜色の明るく可愛らしい草履に仕上がったと思います。もう角館には探してようやくというくらい雪がなくなりました。四月を目前に、文字通り「春」を迎えた気がします。暖かく可愛い草履がこの季節を愉しんでいるかのようですね。

今年度も残すところ明日一日なりました。今日それぞれに訪ねてくれたふたりの男性。ひとりは旧知の中学校教師で、四月から新たな学校へ赴任するとのことです。あと一年いて教え子の卒業に立ち会いたかったと本音をポロリ。熱血漢で知られる先生ですから、異動先でもしっかりその存在感を示すでありましょう。

もうひとりは同期生の県庁職員です。こちらは秋田県鹿角市からはるか遠い福岡県へ転勤といいます。五十三歳を迎えて初めての九州というのも、わが身に置き換えればなかなかキツいものがありますね。とは言いながらこちらも大事な任務を背負っての転勤ですから、やはり成果を残すべく頑張ってくれるでしょう。秋田県への観光客誘致は私にも直接関わる大仕事ですよ。

さて、四月のお休みを六日・七日・八日とさせていただきます。桜が咲きだすまえに一息入れることにしました。このお休みを利用してわが家も冬から春へ衣替えをしたいと思います。
そしてこのお休みが明けたら、「母の日」までの一ヵ月間をノンストップでまいります。異動も転勤もない草履職人とはいえ、四月中旬からの三週間は寸暇を惜しむ多忙期となります。



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静かな年度末。

2016年03月24日 | 製作日記


今日の草履は、彩シリーズ23cm土踏まず付き[五阡二百円]
右足に青の水玉、左足に赤の水玉で編んでみました。こうした異色のデザインは冬場の在庫作りで愉しんでいます。おそらく一点限りでもう作らないでしょう。だからこそどんなお客様がお選びになるか楽しみなわけですね。
角館観光の本格スタートまであと半月余り、そろそろ気持ちを引き締める時期に差し掛かってまいりました。

娘たちが社会人になってから、わが家では「年度」というものにほとんど無縁です。たとえ娘たちに異動や配置換えがあったとしても、親にはなんの影響も変化もありません。ただしちょっと関係があるとすれば、「退職」に際して草履のプレゼントなんですね。退職される方とその奥様へのペア草履プレゼントは、この三月で3件のお買い上げをいただきました。そうした記念品としてのご利用は作り手にとっても嬉しい限りです。

さて、今年度も残すところ一週間となりました。卒業も入学もそれこそ「卒業」したわが家は実に静かなものです。その分しっかりとお客様をお迎えするとしましょう。角館観光、まもなく本格スタートです!!
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当地のファン。

2016年03月21日 | 実演日記





今日の草履は、彩シリーズ26cm土踏まず付き[五阡八百円]
茶の水玉プリントに、赤の唐草と紺の唐草をそれぞれ組み合わせてみました。水玉プリントはどちらかといえば洋柄ジャンルでしょうが、シンプルなせいか和柄の唐草によく合うと思います。色違いの二点はどのような男性に選ばれるのでしょうか。ご兄弟や父子だったら面白いですね。

お彼岸に入り、雪解けが急ピッチで進んでいます。平地はもうほとんどなくなり、峠でさえ道路はまったくないでしょう。すると隣県のお客様がはっきり増えます。冬道でドライブを控えていた方々が、春の訪れと共に角館を目指してくれるのは嬉しいことですね。この三連休も岩手県からのお客様複数とおしゃべりしました。角館草履のご愛用者も多い地域です。

岩手県盛岡市からお越しのお若い女性ふたり旅。うちのおひとりが劇団わらび座のファンで、今日はご友人を誘い「大曲花火物語」の観劇に訪れたといいます。その舞台に出演している一人と懇意にしている話をすると、『はい、〇〇〇〇さんからここを教えられて…』。
その役者さんが角館草履を紹介してくれたんですね。役者としても良い仕事をしますが、プライベートでもなかなか良い仕事をしてくれました(笑)

試し履きのうえ角館草履を気に入ってくれた女性は、配色選びにも十分な時間をかけて一点をお選びです。四月から始まる新しい舞台を観劇に訪れたとき、また西宮家にも立ち寄ってくださるとのことでした。観劇でも草履でも飲食店でも、桜と武家屋敷以外のファンが増えてくれるのは私の望むところであります。
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春のめぐり合わせ。

2016年03月17日 | 実演日記







今日の草履は、彩シリーズ27cm土踏まず付き[六阡円]
青の水玉プリントに桜うさぎブルーを組み合わせてみました。爽やかな心地よい青空のイメージです。
今日の角館はいかにも春を想わせる陽気となりました。これと合わせたかのように桜の開花予想日が更新され、角館は四月二十一日だそうです。地元に暮らす私たちの感覚ではさらに早くなる気がしないでもないのですが、より確度が上がるのは四月に入ってからでしょう。

東京からお越しのおばさま二人旅。うちのおひとりが草履実演を眺めながら、何かを考えている様子に映りました。いつものように角館草履のご説明をすると、「あぁ、履いてみようかしら」。配色選びをしながらおばさまがおっしゃるのは…

『あたしね、パーキンソン病なの。薬で症状を抑えていて旅行もできるんだけど、足はどうしても冷たいのよ。いつもの旅行じゃあまり買い物しないから、こういう実演みたいなのも立ち止ることってないのに、めぐり会わせかな…』。

こうした強いご縁を感じる出会いがときにあるものです。おばさまの足に温かみが戻るお手伝いが出来たら、今日の出会いは紛れもない「めぐり合わせ」であったろうと思います。履き潰したらまたお訪ねくださるとお約束してくれました。その日が来ることを願わずにはいられません。
「今日の草履」と同じように、そしてまたおばさまとの出会いのように、爽やかで温かい春の青空です。


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春近し。

2016年03月13日 | 地域の話






今日の草履は、仙北市内の女性のオーダー草履です。職場のお仲間へプレゼントとのことで、伝えられたイメージを私なりに配色へ生かしてみました。
贈られる側の女性を一度だけ一方的に見たことがあるのですが、「これが若さだっ!」というくらい元気な女性でした。おそらく黄色はよくお似合いになると思います。「大入プリント」もまた女性のお仕事ならではですから、きっと喜んでくださるでしょう。

冬の角館に賑わいを見せてくれた「角館雛めぐり」は、本日で終了となりました。観光シーズンには少し早い角館にとって、大切な存在に成長したイベントと思います。
このあと桜開花までの一ヶ月余り、特に告知するほどのイベントはないんじゃないでしょうか。それでも県外から観光でお越しのお客様が少し増えてきました。今日も東京からお越しの女性三人旅と、角館や角館草履について親しくおしゃべりしたところです。

世の中が「春」を迎え、通販でのご注文も三月に入って増えてきました。在庫作りに専念できる日はもうそんなに残されていません。三月の残り半分は休まず編み続けるつもりです。
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あれから五年。

2016年03月11日 | 家族の話
今日の角館はいつにも増して人出が少なかったです。
「3.11」外出を控え、夫婦あるいは家族と過ごしたならなんの違和感もありません。

今宵は五年前と同じように、白岩で家族全員過ごすことになりました。
あの日と違うのは部屋に灯りが点いていること。
そして食卓も少しは贅沢かもしれません。
あの日のカップラーメンは美味しいものでありませんでした。

「3.11」家族のありがたみを考える日だと思います。



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冷徹な算数。

2016年03月07日 | 地域の話







今日の草履は、彩シリーズ22cm土踏まず付き[五阡円]
オレンジの無地をベースに、赤基調のとんぼプリントを組み合わせています。オレンジ色の夕焼けに遊ぶとんぼたち…、そんなイメージでしょうか。
ようやく冬が終わりを告げそうな角館には、ちょっと早すぎる景色ですね。しかし綺麗だと思います。

三日間のお休みをいただいた初日の今日、計画通り決算と確定申告作業を終えました。昨年は実演日数が例年より若干少なかったことに加え、草履を編めなかった日が多かったです。「生産量=売上」がちゃんと数字に表れました。情け容赦のない冷徹なまでの判定ですよ(笑)
長く商いをしていればいろいろな年があるものです。今年はスタートから私なりに気合が入っていますから、一年後の決算では達成感を味わいたいと思っています。

昨日東京都杉並区にお住いの男性から、「ご注文フォーム」によるオーダーが届けられました。複数回お送りしている常連さんです。そのメールに綴られていたのは…

今や、家庭になくてはならない必需品です。鶴首して、待っています。


決算内容こそあまり良くなくても、仕事の中身では善いことがたくさんありました。昔から算数より国語や道徳が好きだったのは、五十三歳になっても変わることはありません。
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7日~9日お休みです。

2016年03月05日 | 実演日記



7日~9日の三日間お休みをいただきます。手の休息もありますが、決算並びに確定申告作業をします。一年に一度、避けては通れぬ行事ですよ。
三日間のあいだに角館あきんど塾が主催する婚カツイベントの打ち合わせもあり、手は休ませますが頭はフル回転となる予定です。桜の開花まであと一ヶ月半ほどでしょうか。体も気持ちも忙しない、けれども愉快な春がやって来ます(^^)
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究極のパーソナルギフト。

2016年03月01日 | 地域の話



白岩の父がまもなく76回目の誕生日を迎えます。そこで今回のプレゼントは似顔絵にしました。作者は似顔絵師のmariko画伯。
背景は白岩の山々と田園。首には趣味のカメラ、右手にはこちらも趣味の白岩焼。服装は茶色の作務衣と、すべてこちらの要望通りの仕上がりです。
私はかねがねこの似顔絵というものを、究極の「パーソナルギフト」と考えています。「世界に一つ」は、贈る側と贈られる側双方にとって意義深いんじゃないでしょうか。

おかげさまで角館草履も、そうした観点から贈り物に選ばれる機会が多いです。「あの人にはこんな色を…」と楽しみながらも一生懸命お伝えくださる様子に、作り手のこちらも真剣にならざるを得ません。そして私なりに考えつくし完成した草履を、多くの贈り主が喜んでくださいます。とある似顔絵師は完成した絵を、必ず贈り主(注文者)に手渡しするといいます。注文の似顔絵を手にした贈り主がどんな反応を見せてくれるのか。それが描き手にとって至福のときなのでしょう。

私はネット通販もありますから、すべて手渡しができるわけではありません。それでも草履到着メールに綴られた文言を読ませていただくと、手渡しとはまた違う想像が加わった嬉しさがあるものです。今年も多くのオーダー草履を編むことになるでしょう。その一足一足に込める思いは、贈り主の心に負けてはいけないと思っています。

昨年第一回を開催した「にがおえ桜サミットin角館」は、今年もGWに第二回を開くことがすでに決まっています。技術もさることながら、みんな心を持った似顔絵師ばかりです。そんな彼ら彼女らに負けないよう、今春の草履職人も頑張ってまいります!
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