角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

赤ちゃんがいる風景。

2008年06月30日 | 実演日記


今日の草履は、彩シリーズLグループ26cm土踏まず付き〔4500円〕
緑基調のおかめ・ひょっとこプリントをベースに、合わせは同系の緑です。今も緑が綺麗な角館、こちらの草履も緑大好きさんにはもってこいと思います。

町内にお住まいのおばあちゃん、私が子どもの頃から存じ上げている方です。ときどき散歩のように西宮家をお訪ねで、いつも私へ言葉を掛けてくださいます。今日もお立ち寄りになり、『おっ、頑張ってらんシなっ』。
いろんなおしゃべりをしているうちに、ちょうど編んでいたオーダー草履に話題が移りました。

『この草履は姑さんがお嫁さんへプレゼントだんシもの』とお教えすると、『ほぅ、なんでも買ってやりだぐなるくらいのお嫁さんだばイイどもなぁ』。
どうやら聞かないほうが良い方向へ話が進みそうだったので、すぐさま話題を変えました。相手によっては避けるべき話題もあるんですよねぇ。

見るからに新米おじいちゃんがお越しです。抱っこしている赤ちゃんはいかにも生まれてすぐの様子、『何ヶ月ですか?』とお訊ねすると、赤ちゃんのお母さんと思しき女性が『まだ一ヶ月なんですぅ』。ほんとに可愛いですね。
推測するに、お母さんはご実家のある当町の病院で出産されたんでしょう。生後一ヶ月の「お宮参り」のお帰りでしょうか、若いおばあちゃんもご一緒です。

おばあちゃんが私の草履を興味津々眺めていると、赤ちゃんを抱っこしたおじいちゃんが『台所で履いたらイイんじゃない?』。目は赤ちゃんに向きながら、買ってあげるヨといったご様子でひとり米蔵の中へと入って行きました。そして笑顔のおばあちゃんが選んだサイズは25cmがふたつ、きっとひとつはおじいちゃん用と思いますね。
赤ちゃんがいる家庭というのは、なぜかみんなが優しい気がします。

顔馴染みの若いお母さんが、少々疲れた顔色で歩いてきました。『なにしたおご?』と訊いてみると、『どうやら二人目が出来たみたいで…』。
前々から今年中に二人目の懐妊を願っていたお母さんでしたから、『叶ったねがっ、イがったなっ』と言うと、『良かったんですけど、妊娠と分かったら急につわりが…』。根っから正直者のこの人らしいと思います。
まぁいずれにしても、「赤ちゃん」の話題は明るくてイイですね。

さて本日、わが家の双子が誕生日を迎えました。今日から十六歳です。親の承諾が必要とはいえ、今日から婚姻が法の下で認められる年齢なんですね。もちろんこれから何年も人生勉強を積み重ねての結婚でしょうが、考えてみると十年後にはカミさんが双子を生んだ年齢になります。
おっと、草履職人が老け込むような話題は避けるべきでしたなぁ。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

行くに行けない群馬県。

2008年06月29日 | 実演日記


今日の草履は、彩シリーズLグループ26cm土踏まず付き〔4500円〕
茶色基調の和柄プリントをベースに、合わせは紺です。色調としてはオーソドックスですが、和柄の雰囲気がシブく綺麗と思います。

昨日実演がはじまってすぐ、かつての勤務先の社長が珍しく訪ねて見えました。西宮家の近くに用足しがあったついでとのこと、まだお客様もいなかったせいで久しぶりにゆっくり話が出来ました。
会社を辞めて間もなく十二年が経とうとしていますが、社長と話しているとかつてのサラリーマン生活がついこの間のようにも思えます。

今日はかつての出張コースだった土地からのお客様が相次ぎました。まずは長野県上田市からお越しのご夫婦、奥様が気に入ってくださりご自分用をお買い上げです。
実演に興味津々は、むしろご主人でしたねぇ。おおねむ片足が編みあがるまでご覧になり、『見てると簡単そうなんだけどなぁ』。すると奥様、『ナニ言ってるのぉ。そんな簡単に出来るもんじゃないわよっ』。
しばし楽しい時間を過ごされたあと、奥様はお買い上げの草履を手に持ち、私と記念写真でお帰りです。

宮城県富谷町からお越しのおばさまツアー。30人ほどでしょうか、少し久しぶりにおばさまパワー炸裂の時間でしたねぇ。おひとりはご自分用、もうおひとりはご自分とお嫁さんの分をオーダーくださいました。
たまにはいらして欲しいですね、おばさまパワー全開のお客様。

群馬県太田市からお越しのご夫婦、こちらも奥様が気に入ってくださり、ご自分用をお買い上げくださいました。
今は太田市にお住まいでも、ご出身は同県高崎市なんだそうです。群馬県もサラリーマン生活の中で十年以上訪問した土地ですから、太田市も高崎市も馴染み深い名前です。『○○陶器店は今もお店やってるんでしょ?』とか、『○○デパートは今どんなもんですか?』だの、こうした会話が出来るのもかつてのサラリーマン時代があったればこそですね。

こちらのご夫婦にもお話したんですが、実は双子の娘が今夏群馬県へ行くことになっています。二人が所属する「飾山囃子同好会」が、全国高等学校文化祭とかと言う大会に秋田県代表で出場するんです。一年坊主のふたりはただの“賑やかし役”でしょうが、いずれ四泊五日の日程で参加することが決まっています。

先日「保護者応援隊募集」の紙が配布されましたが、日程を見ると竿灯祭りなどの夏の祭典が終わってすぐでした。お盆に向けて草履生産に鞭打つ時期ですから、とても私は参加出来ません。
開催地は藤岡市で宿泊は高崎市、どちらもかつて車で走り回った土地です。娘たちの舞台を観ながら懐かしい土地の訪問に心揺れましたが、草履職人としての立場を考えると“行くに行けない群馬県”ですねぇ。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

小足に優しい草履。

2008年06月27日 | 実演日記


今日の草履は、彩シリーズLグループ26cm土踏まず付き〔4500円〕
青基調のおかめ・ひょっとこプリントをベースに、合わせは青です。浴衣を想わせるベース生地に清涼感を感じますね、夏向きの配色と思います。

ここ数日は平年並みの気温に戻っています。朝晩は少し寒く日中は若干汗ばむ、ちょうどイイ気候じゃないですかね。ときに梅雨らしい雨もあるのですが、降る時間帯が夜なんですね。西宮家となりの建築現場も、思うように進んでいるようです。

一昨日、ネクタイ姿の比較的お若い男性お三方が訪れました。うちのおひとりが草履を気に入ってくださり、ご自分用をお買い上げです。
試し履きの草履は履き心地を試していただくのが一番なんですが、同時にサイズ確認の意味もあります。男性、女性どちらも計れるよう、23cmと26cmを用意しているんですね。

こちらの男性がなんの躊躇もなく23cmに足を入れました。大きな足の人が小さな草履を履くと、先ツボが伸ばされて履き心地が悪くなります。でも試し履きしているお客様へそれはなかなか言えませんから、伸ばされたら付け直すかくらいに思っていました。
するとこちらの男性、23cmの草履に見事足が収まったんです。靴のサイズをお訊きすると23.5cmとのこと。これまでの実演で男性がご自分用に23cmの草履をお買い上げは、ご年配の方で二人か三人でした。

今日こちらの男性が再度お越しになり、お母上用の草履をお買い上げくださいました。そのサイズは21cm、土踏まずが付くMグループの中で最小です。
成人女性の21cmは、案外珍しくありません。そしてそんな女性によく言われるのが、『履物で色が選べるなんて嬉しいっ!』。

成人用で21cmという履物は、市場にかなり珍しいそうです。『21cmの靴を見つけたら、否応ナシに買わなきゃならないの。次いつ巡り会うか分からないのよぉ』、こんな言葉をよく聞きます。
とりあえず室内履きの草履でよろしければ、角館の草履職人にお任せくださいっ。

そして先の男性は、一年に一度だけ三日間角館に滞在する盛岡市の方でした。この稀な三日間でお母上とご自分用の草履をお買い上げいただけた、この縁にも感謝したいものですね。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

モノの言い方。

2008年06月26日 | 実演日記


今日の草履は、彩シリーズLグループ26cm土踏まず付き〔4500円〕
織物風の和柄プリントをベースに合わせは紺、真ん中にエンジを配してみました。こちらも「和」が活きた配色と思います。
すっかり気に入っていたこちらのベース生地も、残すところあと僅かとなっています。

『意味は分かるんだけどさぁ、あの言い方はないよねぇ』、ときにこんな言葉を耳にします。最近も娘が所属する保護者会でこんな場面があったようで、確かに「言われてやむなし」の内容であっても、人はその言われ方ひとつで素直になれないもんですね。

先日ご実家のお父上の誕生日プレゼントに草履を送った女性が、『すっごく喜んでくれましたぁ』と言って今日またお訪ねくださいました。お父上は草履が届いた電話で、『手作りだから高かったろう、大事に履くからね』と言ってくれたそうです。心の分かるお父上だなぁと感心しました。
贈る側と贈られる側、双方が笑顔になってこそ本当の「贈り物」と思います。

そして女性が私に続けた言葉は、『でもお母さんがねぇ、あたしの分はないのって言うんですよぉ』。
それだけ聞けばよくある話とも思えるのですが、お母上の誕生日はすでに過ぎた四月、草履ではないもののそれなりの贈り物をしたんだそうです。四月は自分だけもらってあんなに喜んでいたのに、今度は今度で「あたしの分」と言われたことに憤慨したんですね。

実の母娘の会話ですから尾を引くことはないにしろ、ここはやはりお母上が『お父さんに素敵なプレゼントをありがとう』とだけ言っておけば、女性も気分良く終わった話なんでしょう。

草履職人はこれまでの人生経験で思います。世の中に生まれる感情の行き違い、あるいは揉め事の多くは原因がこれですね。「モノの言い方」、十分心しなければいけないと感じます。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

職業選択の自由。

2008年06月25日 | 家族の話


今日の草履は、栃木県佐野市にお住まいの男性からの、メールによるオーダー草履です。今年の桜シーズンにお買い上げくださり、気に入っていただけたことでの追加でした。ありがとうございます。
かば草履の中で色目はお任せいただきましたので、鉄媒染とチタン媒染で組み合わせてみました。こちらも気に入っていただけると嬉しいですね。

実演席でよく訊かれるのが、『お弟子さんはいないの?』。「弟子」というのではなく「生徒さん」という立場なら、結構な人数がいることをお伝えしています。すると次に出てくる言葉が、『お子さんはやらないの?』。ブログでもたびたび娘たちの話題を書きますが、もちろん彼女たちにそんな気はかけらもなく、私にしても望んでいません。

中学生になった三女が、学校から「進路希望」の紙を持ってきました。上のふたりのときも三年間書いていた紙ですから、まずはお馴染みですね。
この用紙には、生徒の希望と親の希望を書く欄があります。上の娘のときは最初から最後まで親子の希望が合致していました。まぁ、希望通りの職業に就けるかどうか分かりませんし、その後に希望が変わることだってあるでしょう。でもとりあえずは目指す方向に違和感はなかったです。

さて三女、彼女が希望する職業には少なからず違和感がありました。いきなり否定するつもりはないのですが、まず第一回目の記入欄に私が記した職業は「警察官」。曲がったことが嫌いな三女には、ありえる線と思っています。
今朝三女へ、『ほれっ、書いておいだぞっ』と渡すと、いきなり中を確認しています。すると、『ちょっとぉ、あたしが警察官なんてなれるわけないでしょっ。そんなに頭良くないんだからねっ』。

もちろん警察官も頭が良くなければいけません。と言うか、頭が悪くても構わない仕事なんてあるはずがないですよね。ところが三女が書いていた希望職業は、おそらくかなり狭き門でしょう。
もう少し日にちが経ってから、三女が希望する職業の「ハードル」を調べて教えるつもりです。

ふと思いました。どうせ私が書く職業には抵抗するんでしょうから、次の記入には「草履職人」と入れときましょうかね。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

そしてふるさとへ。

2008年06月24日 | 実演日記


今日の草履は、彩シリーズMグループ23cm土踏まず付き〔4000円〕
紫基調の花柄プリントをベースに、合わせは淡い紫の水玉プリントです。プリントの花は紫陽花ではないようですが、ちょうどいまどきの季節「梅雨」をイメージしてみました。綺麗な配色と思います。

土日の高温から一気に下がりました。今日は20℃に満たないくらいですから、この三日間で15℃もの気温差です。半月のお休み明けですから疲れはないのですが、これは体調を崩してもおかしくない気候ですよ。

一昨日の日曜日、「角館大好きっ!」を自認する栃木県のひまわりさんがお越しでした。突然のご訪問で少々驚いたのですが、ひまわりさんは憧れの「五能線」に乗って来たと気分上々でしたねぇ。
それで土日の異常高温が分かりました。ひまわりさんが角館へお越しのときは、いつも灼熱の高温をお連れになるんです。
『さてっ、明日からまた仕事だっ』、たっぷり愉しんだ秋田県をあとにして、ふるさと栃木県へとお帰りになりました。

昨日のこと、東京都中央区に長年暮らしたというおばさまがお越しです。現在は当地へ嫁がれた娘さんの近くに家を借りて、おひとりでお住まいなんだそうです。おそらく一人娘さんなんでしょう、年齢を重ねたお母上のことが心配で、近くで暮らすことを望んだようです。
『ここで一年半暮らしたのよぉ。でもね、どうしても東京が恋しくて十月に戻ることにしたの』。

『こっちで暮らすのはダメだったですかぁ』とお訊ねすると、『みんな優しくて人はイイのよぉ。やっぱり冬がツラいわね、それと食べ物がちょっとねぇ…』。
角館を気に入ってくださり、終の棲家とされた方を複数知っていますが、やはり課題になるのは「冬」と「食べ物」じゃないかと私も思ってました。

当地でお暮らしの間何度か草履実演をご覧だったそうで、『東京へ帰る前にこの草履だけは買って行こうと思ってねぇ』。
そのお言葉も嬉しく思いましたが、私はこちらのおばさまが角館で暮らせなかったことに悔しさもなかったです。娘さんの意向には反しても、やはり人は帰れるものなら帰りたい「ふるさと」があるとも思うわけです。
またあらためて東京を生活の拠点にして、ときどき角館には来て欲しいと思いますね。

神奈川県鎌倉市からお越しのご夫婦、「今日の草履」をお持ち帰りはこちらの奥様でした。草履をたいへん気に入ってくださり、『東京のほうへは来ないの?』。編める実数を勘案すればとても大都会へは行けないこと、そして私は角館にいたいことをご説明しました。するとご主人、『そうだよ、こういうところにいるからイイんだよっ』。
奥様も私の実演像に共感してくださり、『分かったわ、私のほうで買いにくればイイのねっ!』。

昨今「田舎暮らし」を看板に、地方への移住を促進する動きがあります。もちろんそれらに反意はありませんし、住んでくださる方がいれば嬉しく思います。でも人は、永く暮らした土地を簡単に離れることなど出来ません。それが「ふるさと」じゃないでしょうか。

『角館で暮らしませんか?』よりは、『ときどき角館に来ませんか?』のほうが私としてはしっくり来ますね。

コメント (2)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

それぞれのコミュニケーション。

2008年06月21日 | 実演日記


今日の草履は、彩シリーズLグループ26cm土踏まず付き〔4500円〕
赤と青の銭湯のれんプリントをベースに、合わせはエンジです。こちらも巻かれてしまうと分からなくなるのですが、銭湯のれんの「湯」や「温泉マーク」がプリントされています。面白い草履ですね。

なんでしょ、この暑さは。今日の角館は今期最高の34℃を記録しました。一日でいきなり夏バテ気味ですよ。明日の予想最高気温は30℃、その後は22℃~23℃だそうです。この差がキツいんですよねぇ。

昨日のこと、秋田市から草履をお求めに来てくださったご夫婦がおりました。最初にご夫婦が目指したのはさんさんサンのお店、ちょうど昨年の今頃は「路上ライブ」と称してさんさんサン店頭で実演をしていました。ご夫婦はそのとき私の草履を覚えてくださったんですね。
ご夫婦がさんさんサンをお訪ねのとき、ちょうど私のカミさんがいたんです。カミさんはフツーに『ありがとうございますぅ』と言ったそうですが、おそらくこちらのご夫婦は意味が分からなかったでしょうね。

さんさんサンから西宮家を教えられ、早速来てくださいました。まず目的の草履をお選びになったあと、すぐに「さつき」へと目が移ったんですね。どうやら奥様のほうが鉢モノをお好きなようです。ご主人は、『あんたが好きなら買えばイイよっ』とおっしゃり、奥様は奥様で『お父さんが欲しいなら買えばイイでしょ』。こんなやりとりが15分も続いたでしょうか。

大きなお世話で私が“仲裁”に入り、とりあえずお買い上げだけは決まりました。そして今度は車にどうやって積み込むかでひともんちゃくです。
おそらくこちらのご夫婦は、いつもこうして「仲良し口論」をしているんだと思います。それがおふたりのコミュニケーション方法なんでしょうね。

今日、千葉県は幕張メッセの近くにお住まいというご家族がお越しです。お父さんにお母さん、そして息子さんに娘さんの四人旅…なんですが、お父さんと息子さんは武家屋敷を見たいと言ってそちらへ行き、お母さんと娘さんは西宮家へ行きたいと言って分かれたんですね。
これだけであれば「男同士」「女同士」でありそうな話なんですが、お母さんと娘さんはまた趣味が違ったようです。娘さんは、『もう、お母さんはいつもそうなんだからぁ』とご立腹で、お母さんはそんな言葉もどこ吹く風、『私は次へ行くからねぇ』。

娘さんとしばしおしゃべりして笑ったのは、明日盛岡市でご本人が新婦の挙式なんだそうです。
『まったくこの家族はいっつもこうなんですよぉ。明日の結婚式だってほんとに全員出席するんだかどうだかっ』。
よもや挙式も「自由行動」ということはないでしょうが、なんとも面白いご家族でした。

ご夫婦にしろご家族にしろ、コミュニケーションのとり方も十人十色なんですね。
わが家はと言いますと、まずフツーでしょうかね。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

娘が愛した人。

2008年06月20日 | 実演日記


今日の草履は、彩シリーズLグループ26cm土踏まず付き〔4500円〕
緑基調のおかめ・ひょっとこプリントをベースに合わせは紺、真ん中に緑を配してみました。少しシブ目の配色が、真ん中の緑で明るくなりますね。楽しい草履と思います。

昨日入梅したかと思ったら、今日はまた暑い一日となりました。予想最高気温は27℃、角館はいつでもその上を行きます。盛岡市にお住まいの女性は、今日静岡からのお帰りだそうです。『こっちのほうが暑いですよっ』とおっしゃってましたが、関東・関西より暑い日が今年は少し多いような気がします。
明日は予想で32℃だそうです。角館はいったいどこまで上がるんでしょうか。

大仙市大曲からお越しのご夫婦、以前も私とおしゃべりしたことがあるとのこと、憶えてなくて申し訳なかったですぅ。今日はじっくり草履のご説明をしました。ご主人が試し履きのうえでとても気に入ってくださり、『やっぱりこういうのを履げばイイんだよなぁ』。

おしゃべりは娘さんとそのご主人の話題になりました。『ウヂの娘は馬鹿でよぉ、国際結婚してしまったものぉ』。お国はどちらかお訊ねすると、日本の企業に勤務する東南アジアの男性とのこと。
『国際結婚だけで馬鹿ってごどはねぇんシべっ』と私が言うと、『んだがぁ!? オレだば馬鹿だど思うなぁ』。

そんなおしゃべりをしながら、ひとつの草履をお選びになりました。その草履を履かせたい人というのは、『あの男は仕事馬鹿だがらよぉ、いっつも足疲れるって言うものなぁ。あいづは洒落っ気があるがら、こういう面白れぇ配色がイイどっ!』。
そうなんです、ご自身も奥様も欲しいと言ってくださった草履を、まずは東南アジア出身の婿殿へのプレゼントにしたんですね。
国がどこだの、歳はいくつだのと言っても、やっぱりわが娘が愛した人なんでしょう。

あと十年も経てば、わが家の娘たちも適齢期を迎えます。娘が愛した男性が仮に外国人だったとしたら、私もやはり『馬鹿でねがっ』と言うんでしょうかね。
まだまだとってもイメージできませんなぁ。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

元気の連鎖。

2008年06月19日 | 実演日記


今日の草履は、彩シリーズMグループ23cm土踏まず付き〔4000円〕
黄色基調の金魚プリントをベースに、合わせは同系の黄色です。ベース色に黄色というのは、これまで少なかったような気がします。思い切って合わせも黄色にしてみたところ、「黄色ファン」にはもってこいの草履になりましたね。
編みながら「バナナアイス」を思い出してしまいました。“美味しそう”な草履と思います。

「今日の草履」は、横浜市からお越しのご夫婦がお持ち帰りです。まず奥様が気に入ってくださり、すぐにご主人もとなりました。ふと思いついた奥様、『○○たちも欲しがるかなぁ』。どうやらふたりの娘さんのようです。合わせて4足、合計金額を考えしばし悩んだお母さん、『もうこれでお土産はおしまいっ!』。

聞いてみると、たった今角館駅に降り立ったばかりだそうです。角館の旅、到着から三十分でお土産打ち止めとは、なんか申し訳なかったですぅ。
とっても元気なお母さんは、ご主人とふたり笑顔で街へ向かいました。

愛知県からお越しのおばさま&おじさまグループ、総勢8名ほどでしょうか。米蔵に入って見えるなり「元気」が分かりました。お菓子コーナーでお買い物をしたかと思えば、次は絵をお買い上げです。絵の次はいよいよ私の実演席となりました。うちのお三人が気に入ってくださり、それぞれオーダーです。三人のオーダー確定まで20分ほどの大騒ぎでしたね。

そして次は展示してある「さつき」に向かいました。うちの男性が盆栽好きのようで、ひとつのさつきに興味津々です。掲示板でも触れましたが、名古屋のお客様で秋にさつきを引き取りに見える方がいることを、米蔵スタッフが教えました。するとこちらの男性、『よしっ、来月自家用車で来よう!』。ほんとに本気でした。
こうした元気なお客様がお越しになると、当然のようにこちらも影響を受けますね。

蒸し暑かった今日、午後には雨が落ち始めました。どうやら北東北も入梅のようです。
先日東京都大田区にお住まいの女性から、メールによるご注文をいただいていました。今日届いた郵便振替用紙の通信欄に、メッセージが綴られています。
『イ草の香りも良く、土踏まずが心地よく刺激されて、梅雨時も元気になれそうです。ありがとうございました』。

こちらこそありがとうございました。元気なお客様と出逢うことで、実演席も元気をもらっています。そしてその草履を履いてくださる方がまた元気になる。
なんともイイじゃないですかっ!

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「綺麗」はどれっ!?

2008年06月18日 | 実演日記


今日の草履は、彩シリーズLグループ25cm土踏まず付き〔4500円〕
青基調のおかめ・ひょっとこプリントをベースに、合わせはエンジです。浴衣を想わせるベース生地は、涼しさも感じさせますね。まさにこれからの配色と言えるでしょう。

ほんとに浴衣を着たくなるような気温になりました。はっきり「暑い」と感じるのは数日ぶりですね。明日から雨に向かうせいか、幾分蒸し暑さが加わっています。これくらいの湿度が、草履を編むイ草にはちょうどイイんですけどね。

東京からひとり旅を愉しんでおられるおばさま。娘さんが大の角館好きで、昨年と今年二年続けて桜の季節にお越しだそうです。でも未だ満開には巡り会っていないとのこと、もし今年の満開を観られたら、そりゃあスゴい縁でしたよ。
おばさまはこの旅が初角館、草履もお選びになり『明日は一日角館を観て歩くわぁ!』。思い出深い初角館になってくれればイイですねっ。

実演席側の出入り口から入って見えるお客様は、まず一番に角館草履が目に入ります。すると、『まぁっ、綺麗ねっ!』と言ってくださる方も多いわけです。それが昨日再開した公開実演では、最初の『綺麗ねっ』が草履じゃないんですね。
少しばかり言われ慣れたことで、自意識過剰になっているのかも知れません。草履職人、ちょっと反省です。

その『綺麗』の正体というのは、掲示板へ。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする