角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

原点に立ち返る。

2009年12月31日 | 製作日記


今日の草履は、彩シリーズ22cm土踏まず付き〔四阡円〕
エンジ基調の和柄プリントをベースに、合わせは夜桜です。
今年最後を飾る「今日の草履」は、いかにも日本らしい和柄の競演にしました。明日の元日はブログ更新ができませんから、「日本の正月」に相応しい草履を今日ご紹介したかった意味もあります。
懐かしくも美しいベースの平生地はこちらです。




いよいよ今年最後の一日を迎えました。明朝は元旦、まさに一年がはじまる朝を迎えます。
この一年のブログを振り返っても、365日分のさまざまがありました。過去を振り返り反省すべきは反省し、また未来に向かってひとつ前進することが人としての理想でしょう。そんなことを考えて、今年6年目に入った公開実演が「慣れ」にならないようにすることを、ひとまず2010年の指針にしたいと思っているんです。

今朝31日付け地元紙朝刊に、「読者の皆様へ」という見出しのひと囲みがありました。冒頭にあるのは、『あす元日朝刊から署名記事を増やし、読者の方々にさらに身近な新聞になることができるよう、紙面の充実に努めます』。つまり、一部の記事を除いて一般的なニュースにまで、「記者署名」を付すというわけです。

この意味のひとつに、「農産物の直売」を例えていました。農家の方々は丹精込めて育てた農産物に、生産者の氏名を添えて出荷しています。新聞記事も記者さんの目と耳、あるいは感性に責任を持つと同時に、消費者(読者)と近い存在でありたいというのが趣旨なんですね。

私はこの記事を読んで、角館草履とダブりました。二年ほど前から私が編んだ草履には、トップページからこのブログにリンクする似顔絵を印刷した帯を入れています。これもひとつに「責任」の一端と思っているわけです。
実はそれより強く感じたのは、角館草履の「本質」とでも言うべき公開実演なんです。日々西宮家を訪れる方々との縁を愉しみ、草履を語り角館を語る。この原点に今立ち返ろうというわけです。

これを実践するために必要なこと、それは公開実演の日数ですね。明日からはじまる2010年のスタートを目前に、5年前の気持ちはどんなであったかを考えています。
明けて元日、天気予報は芳しくありません。でも冬はあと二ヶ月余り、春は必ずやって来て桜も咲きます。そんな春を楽しみに、明日からの冬実演に臨みます。

今年一年ありがとうございました。そして明日から、2010年もどうぞよろしくお願いいたしますっ。

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日本人を想う。

2009年12月29日 | 製作日記


今日の草履は、彩シリーズ26cm土踏まず付き〔四阡五百円〕
緑基調の和柄プリントをベースに、合わせは緑です。
プリント柄そのものは女性向きにも思えますが、こうした雅な男性用草履もときにはイイと思います。緑好きさんにお勧めの一品、美しい平生地はこちらになります。




気温こそ平年並みまで下がりましたが、積雪量はここ数日の雨でずいぶん減りました。今は粉雪が舞っている感じで、ヒドく積もる雪ではありません。明日はまた雨が降ると言いますから、さらに積雪が減るでしょう。
ただし大晦日から新年2日まで、寒波が居座り荒れ模様との予報が出されました。大晦日は草履コーナーの搬入日、ずーっと前からなんですが、搬入日と搬出日は天気に恵まれないんですよねぇ。

さて、2009年もあと二日を残すのみとなりました。まさに年の瀬が押し詰まったという感じでしょうか。
わが家のこの師走は、いつもと若干違ったものになっています。今年じっちゃとばっちゃの不幸があったため、餅つきもなければ年賀状もありません。しめ飾りや初詣はどうしようか思案していましたが、まずしめ飾りはナシにしました。初詣は元日を外して出かけようと思っています。

日本では古から、こうした伝統や風習が受け継がれてきました。神仏は人の暮らしと共にあり、願いや敬い、そして自身の戒めにもその存在価値があると思っています。
当地のような田舎では今なおそうした色が濃いのですが、そんな中にも時代と共に省略されたり、解釈が変わってきたりがあるように思います。ムラ社会から「個」を重視する時代になって、“人それぞれ”が世間に広がっているのでしょう。

年の瀬が押し詰まって難しい話を書くつもりはなかったのですが、盆と正月は日本特有の慣わしが存在します。そういう節目のときに「日本人」を想うんですよ。
これから神棚を掃除します。

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スーパーは観光名所!?

2009年12月27日 | 製作日記


今日の草履は、彩シリーズ28cm土踏まず付き〔五阡五百円〕
茶の唐草をベースに、合わせは茶色基調のゴマ粒プリントです。
今年は茶系の草履をたくさん編みました。それまではことさら茶色に関心があったわけではないのですが、いろんな茶色を編んでいるうちにとてもお洒落だと思うようになったんですね。
「今日の草履」は28cm、これでLLグループ3サイズすべてが揃いました。元日初披露となります。

当地の冬の名産といえば、ひとつに「きりたんぽ鍋」があります。秋も深まってくると散策のお客様から、『きりたんぽ鍋食べさせてくれるとこ、あります?』といったお訊ねもありますね。
寒い冬に鍋は欠かせない料理ですが、わが家がきりたんぽを食べるのは年に一度か二度くらいのものです。大好きでしょっちゅう食べるという人もおそらくいるとは思いますが、私の感覚で言えば、きりたんぽは他県の方々にご馳走する田舎料理でしょうか。

この「きりたんぽ鍋」、もうずいぶん前からお土産用のセットが発売されていて、なかなかの人気と聞きます。メインのきりたんぽはもちろん、野菜から出汁まですべて揃ったセットなんですね。届いてすぐ食べられるのが、ヒットしている理由でしょうか。価格は2~3人用で三千円台後半、4~5人用で五千円を超えるくらいです。

お歳暮や贈答用にセットは良しとして、マイカーで旅している方が自家消費用にお買い上げの場合は、スーパーへ行くとずいぶん安く買えるんです。野菜はご自宅の近くから新鮮なものを買えばイイですから、きりたんぽと出汁だけなら二千円分も買えば、5人くらい食べられるんじゃないですかね。
11月5日のブログでご紹介のおばさまじゃないですけど、「旅はその土地に暮らす人と交わること」を想えば、土地のスーパーはまさに名産品の宝庫と呼べる気がします。

テレビ番組「ヒミツのケンミンショー」は、そうした意味でなかなか面白く観ています。確かにスーパーはその土地の食文化そのものですよ。売れないモノを陳列するはずがないうえに、そのモノが必ずしも全国共通の食品ではない場合があります。

少し前のことですが、北海道内でしか販売されていない「ようかんパン」なる菓子パンが紹介されていました。道民には馴染み深くても、本州ではまず認知されていないこのパン。そのときのテレビで製造している会社の人が言うのは、『青森県で販売したことがあったんですが、ぜんぜん売れなかったんですよぉ』。

旭川市に転勤している私の同期生がこの年末に帰省すると言うので、「ようかんパン」を買って来て欲しいと頼んだところ、本日私の手元に届きました。なかなか大きいサイズで、中にクリームが入り、上からようかんを溶かしたような黒い餡がかけられています。この餡は、当地で言う「あやめだんご」の見かけによく似ていますね。
早速一口食べてみると、青森県でぜんぜん売れなかったワケがすぐには浮かびませんよ。子どものおやつに無難な一品と思いました。

各地のスーパーマーケットは、土地の名産品を求めるのに穴場的な存在かも知れませんね。

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後継者問題。

2009年12月26日 | 地域の話


今日の草履は、彩シリーズ26cm土踏まず付き〔四阡五百円〕
先回と同じ辛子色基調の和柄プリントをベースに、緒は薄茶基調の小桜プリント、そしてもう一色金色を合わせてみました。
やはり金が含まれると厳かさを感じますね。上品で綺麗な草履に仕上がったと思います。

今朝から雨が降り続いています。これが温暖化現象なのかと思うのですが、近年は冬の雨がとても多い気がします。昨冬は二月の火振りかまくらが、大雨にたたられました。
今晩には気温が下がってまた雪になるようですが、明日もまた最高気温が高そうです。積雪量はむしろ減るでしょう。

実演のおしゃべりでときに訊かれるのが、『後継者はいるんですか?』。まず普段のお応えは、『身内にはいませんけど、生徒さんたちの中から出てくれば面白いですねぇ』。
わが家は娘三人ですし、なにより本人たちにそんな希望は皆無のようです。そして私も、その考えにまったく異論はありません。

私の同期生や商売仲間には、二代目・三代目として家業を引き継いでる人が何人もいます。思うのですが、引き継いだ人たちは幸せですよね。それは職探しに苦労しなくて済んだなどという話ではなくて、その家業が今後も生業として存在できる見通しがあったからだと思うんです。

角館の商店街には、すでにフツーの住まいとなった「元商店」がたくさんあります。つまり子どもが家業以外に将来を求めたか、あるいは親が家業を継がせなかったかでしょう。「継がせなかった」理由のひとつに、今後生業としては厳しいという判断があったと思うわけです。
もちろん無理に引き継いで商売が立ち行かなくなるよりは、しっかり先を見越して別に進路を求めるほうが、より良いに決まっています。

私の周囲にいる二十代半ばの若者が、今後の仕事に悩んでいます。彼は現在サラリーマン、今の会社に特段の不満を持っているわけではないのになぜ悩んでいるのかというと、父親から「家業を継いでくれないか」と相談されたからなんですね。今まで一度も言われたことのない言葉を聞いて、おそらく父親の年齢もひとつの要素なんでしょう、彼は真剣に悩んでました。

まず私が言いたいのは、彼は幸せですよ。現在の職場からも信頼され、そして父親からも頼りにされている。もちろん彼自身の人柄がそうした環境を生んでいるのでしょうが、求職活動に明け暮れている多くの人たちと比較したら、そりゃあ天と地ほども差があるんじゃないですかね。

そしてもうひとつ、父親の仕事が今後も生業として存在し得るということです。この見通しなくして、大事な息子に転職は言えませんよ。私は彼から相談を受けて、実はこれが一番嬉しく感じましたね。
仮に「転職」を決意したときは、親から引き継いだ仕事が「天職」であることを願いたいものです。

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同志の活躍。

2009年12月24日 | 地域の話


今日の草履は、彩シリーズ25cm土踏まず付き〔四阡五百円〕
辛子色基調の和柄プリントをベースに、合わせは紺基調のお人形さんプリントです。
男性用を想定したLグループ25cmなのですが、可愛い雰囲気の配色になりましたね。辛子色は男性用にも人気がありますから、この草履もそう時間がかからずお選びの方がいらっしゃるでしょう。
可愛い和柄の平生地はこちらになります。




少し久しぶりの暖気になっています。昨夕は雨になりましたし、今日も最高気温が4℃程度まで上がりました。おかげで道路の雪が「ザフザフ」になり、四輪駆動車でなければ難儀するほどです。
真冬日はこの先しばらくなさそうですが、降雪は続く予報が出ていました。重い雪との格闘もしばらく続きそうです。

今日も短時間の外出はあったものの、ほぼ一日草履作りに専念しています。お昼少し前でしたか、テレビから「角館」の言葉を聞きました。NHK秋田放送局の番組ですから、「角館」が出てきてなんの不思議もありません。草履を編む手が止まったのは、『二年前から角館に暮らす京都出身の女性が、冬語りの語り部として活動を始めました』というアナウンサーの言葉でした。
その女性が一体誰であるのか、私は一瞬で分かったわけです。

私は女性よりも、こちらのご主人と先に知り合いました。詳しくは2007年9月23日のブログに綴っています。その後奥様も角館で暮らすようになり、今ではむしろ奥様のほうと逢う機会が多くなっています。そのわけは2008年8月21日のブログに綴っている通り、「かくのだて歴史案内人」として活動がはじまっていたからなんですね。

その奥様が今度は冬語りの語り部を学び、さらなる活動の域を拡げた話題が今日のテレビだったわけです。いや~、ほんとにその一生懸命さには頭が下がりますよ。なにしろ元来は京都のご出身、その後ご主人の仕事の関係で首都圏に暮らし、今度はご主人が角館を気に入ってしまったおかげで奥様も北国暮らしです。今ではすっかりご夫婦共に「角館人」、いやフツーの角館人より角館を知ってますよ。

首都圏でご家庭を持つお子さんたちや、角館の家を訪ねて見えるご夫婦のご友人にも、角館草履のご愛用者が何人もいます。それもこれも歴史案内人である奥様が、そんな方々を私の元にお連れくださったからです。
角館を愛し、その町を訪ねてくださるお客様に角館らしい所を紹介したい。奥様と話してるとそんな気持ちが強く伝わります。それはまさに、われわれと「同志」でしょう。

元日の2010年公開実演スタートを一週間後に控え、「同志の活躍」からエネルギーをいただいた気分です。

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お小遣いの約束。

2009年12月23日 | 家族の話


今日の草履は、彩シリーズ26cm土踏まず付き〔四阡五百円〕
茶色基調の和柄プリントをベースに、合わせは茶色基調のチェックプリントです。
こちらも「和洋折衷」と呼んでイイですね、お若い男性にもいけるお洒落な草履に仕上がったと思います。
魚画が面白いベース生地はこちらになります。




鳩山さんが一部マニフェストに反する決定を下したことで、世間は「批判派」と「擁護派」に分かれてますね。『選挙公約はでたらめだったのか』とする意見と、『大量の国債を発行してまで約束を守って欲しいとは思わない』とする意見、まぁこんな感じでしょうか。
自民党はこれを「詐欺行為」として、激しく批判していました。私もその考えは少なからず持っています。

もう35年も前になりますか、私が中学生だった頃の話です。あるとき母親に、「月額お小遣い制」を申請したことがありました。具体的な金額をこちらから提示した上での申請です。それまで決まったお小遣いというものがなかった私は、必要なものを購入する資金をその都度親に出してもらう代わり、計画性を持って使う自由なお金というものがなかったんですね。

母親はこの申請に対し、『毎月必ずその金額を出す約束はできない』という返答でした。私にしてもまさか借金してまで出してくれとは言えませんから、それはそれで「できる限り」の方向で納得したように憶えています。
結局その金額をもらったのは僅かの期間でした。それは私が新聞配達のアルバイトを始めたからなんです。この給金は私が申請したお小遣いの額より多かったため、親からもらう必要がなくなったわけですね。

三女がこの秋、かつての私のように「お小遣い制」を申請してきました。親しいともだちから、『毎月決まったお金をもらうほうが、安定しててイイよっ』と言われたのが発端だったそうです。中学二年生の女子がお金について「安定」という言葉を使ったことに、ちょっと吹き出しそうになったものです。
つまり毎月決まった額を受給する代わり、お年玉などの臨時収入を得た際は割合を設けて親に返すというのが規則です。中学生にもなるとお年玉こそ一定額をもらえますが、もっと小さかった頃のように、親類縁者から頻繁にお小遣いを得ることはなくなるんですね。

私はこれを承諾しました。その翌月からこれまで、月額お小遣いを支給し続けています。まず中学卒業までの一年数ヶ月はこのままいくでしょう。
家族と言えどもこれは「約束」です。かつての私のときも、母親はウソを言いませんでした。『出せない月もあると思う』の返答は、そのとき最も的確な言葉だったでしょう。ですから私は不確実なお小遣いよりも、もっと確実に収入を得られるアルバイトに向かったわけですからね。

さて三女とのこの約束、もし守られそうになくなったときはどうしましょ。まさか私のほうからアルバイトを勧めるわけにもいきませんから、どこかで支出を減らす方策に迫られます。まずは値上げが決まった私の「タバコ」ですかね。
んっ!? タバコの値上げってマニフェストにありましたかねぇ。

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人の死とふるさと。

2009年12月22日 | 地域の話


今日の草履は、彩シリーズ26cm土踏まず付き〔四阡五百円〕
昨日と同じエンジ基調の和柄プリントをベースに、合わせは紺基調の半纏プリントです。
こちらは昨日と違い「和の競演」ですね。エンジと紺の相性はバッチリですから、なかなかお洒落に決まったと思います。

現在男性用サイズを集中的に編んでいます。元日からの公開実演では主に女性サイズを編む計画で、これは『今編んでいる草履買えますか?』が女性に多いからなんですね。そのためにもお休み中に出来るだけ男性用を創っておきたいわけです。
先日町内の女性からお電話があり、プレゼントしたいサイズが28cmと言われました。元日にお越しくださるそうですから、LLグループも創っておくつもりです。

話は変わって、隣家で不幸がありました。73歳のお母さんなんですが、こちらの娘さんは私の同期生です。昨日葬儀が営まれ、私も参列して来ました。
今年は仏事が多いことを先日のブログでも触れましたが、今年も残すところ十日しかありません。まずこれが最後の仏事になるでしょう。

葬儀の後「なおらい」の席で、『ときどきブログ読んでるんシ』と男性に言われました。葬儀の場であれ、地元の方が角館草履に関心を持ってくださることにありがたさを感じます。『角館どご大好きだんシよなぁ』の言葉にも、素直に嬉しく思いましたよ。
なおらい冒頭神官の挨拶、『73歳という年齢は少し早い気もしますが、子どもに恵まれ孫も出来、命が脈々と繋がっていることに幸せを感じなければいけません』。

命・子ども・家族、これには「ふるさと」と重なるものがあります。大事にしなければいけない、大きなひとつと思いますね。

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気になる存在。

2009年12月20日 | 地域の話


今日の草履は、彩シリーズ25cm土踏まず付き〔四阡五百円〕
エンジ基調の和柄プリントをベースに、合わせは茶色基調のチェックプリントです。
ときに創る「和洋折衷草履」ですね。チェック柄には若さのイメージがありますから、やはりお若い男性向きでしょうか。和が活きている平生地はこちらになります。




全国的な寒波だったここ数日、当地もすっかり根雪となりました。今日はいくぶん暖かい気がしますから、ひとまずピークは過ぎたと思います。でも冬はむしろこれからが本番、気を引き締めてかからなければいけませんね。
スキー場はオープン初日から滑られるというので、たいそう喜んでいるみたいです。この不況のうえにスキー人口が年々減少していますから、関係者が一番“気になる存在”はやはり天気でしょう。

昨晩は今年最後の忘年会、同期生の集まりでした。会場は角館「じん市」、店主も同期生のひとりです。以前のブログでも触れましたが、ほんとにここの料理は旨いですよ。忘年会だけ無理を言って「鍋」を頼むのですが、この味は他にありませんね。なんとしても食べたい“気になる存在”です。

昨晩の話題は主に「経済」でした。深刻な不況とデフレの中で、店じまいに追い込まれる商店や従業員の大量解雇なんていう話は、当地でも決して珍しくありません。本来であれば忘年会真っ盛りの今ごろなのに、街を歩く人なんて探さなければ見つからないくらいですよ。
すると矛先は民主党政権というわけです。こちらの“気になる存在”といえば、やはり小沢さんでしょうか。

さて本日付け地元紙朝刊に、「角館草履」の記事が掲載されました。今月に入って間もなくのこと、秋田魁新報の文化部の記者さんが西宮家を訪ねて見えました。12月6日の日曜朝刊に角館の記事が載るとのことで、最新情報を探していたそうです。
ただ今年の実演最終日が6日でしたから、その日の朝刊ではちょっとマズいお話をしたんです。そのときは『それではまたいずれ…』とのことでお帰りでした。

一昨日そのときの記者さんからお電話をいただき、『記者コラムの形で掲載したい』とのことでした。そして今日の朝刊、その文末には、『さて草履は一足四千円前後。懐事情もあってその場は買わずに失礼したが、あれ以来、気になって落ち着かない。今は実演がお休みだが、年明けには再開するそうなので、また行こうと思っている』とありました。

角館草履も角館の草履職人も、多くの人から“気になる存在”と思われなければいけませんね。

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「クビ」と言わない男。

2009年12月18日 | 地域の話


今日の草履は、彩シリーズ26cm土踏まず付き〔四阡五百円〕
紺基調の半纏プリントをベースに、合わせは紺の絣調プリントです。
紺の同系色合わせは、主に男性用として人気が高いです。一般に「紺が無難」という考え方は否定しませんが、やはり紺には魅力があると思うんです。
勇ましい平生地はこちらになります。




私も紺は大好きな色のひとつです。公開実演でのユニフォームはもっぱら作務衣、この色もやはり紺が一番合うんじゃないですかね。気分転換の意味もあって茶や辛子色も着ますが、どうしても紺が一番多くなります。
公開実演をお休みしているときでさえ、私の服装は作務衣が定番になってしまいました。先日ジャージ姿で米蔵を訪ねたときは、一瞬誰だか分からなかったと言われる始末ですよ。

アメリカ大リーグで活躍している松井秀喜選手が、ニューヨークヤンキースからロサンゼルスエンゼルスに移籍しましたね。守備にも強く固執した松井選手と、DHでしか使わないとするヤンキース側との交渉が決裂したようです。
この結果を受けて、ニューヨーク市民がヤンキースに対して激しい批判を繰り返しているそうですよ。『ワールドシリーズMVPを放出するとはなにごとだっ』『ヤンキースにとって野球はビジネスでしかないのかっ』、中には放出決定を下したキャッシュマンGMに対し、『ゴジラよりキャッシュマンをニューヨークから追い出してしまえっ』なんて過激なものまであるそうです。

私に球団経営なんてまったく分かりませんから、ヤンキースの決定にもどうこう書くつもりはありません。でも『ヤンキースにとって野球はビジネスでしかないのかっ』の意見は、私にもちょっぴり分かるんです。
プロスポーツのオーナーにとって、それはまさにビジネスでしょう。でもフロント側も選手側も、双方「人間」であることに違いはありません。人間であるならば、当然「心」を持っていなければなりませんよね。これなくして世の中は渡れませんよ。

私がかつて勤務していた会社は、ピーク時でも社員数50名程度の小さな企業でした。営業部門は10人弱、来る日も来る日も売上を追うのが仕事のメンバーです。その中にはどうしても売上が低調な社員もいるわけです。
ある日、売上の低調な人が事件を起こしました。車上荒しに遭って売上金を盗まれてしまったんです。それもかなりの不注意だったうえに、会社へ事故報告をしたのは数日が経過してからでした。
これにはさすがの社長も烈火のごとく怒りましたね。私たちもこれをやったんじゃあ、もうタイムカードは無くなるなと思ったものです。

それが社長はとうとう「クビ」という言葉を出しませんでした。この社員のみならず、社長はそれまで誰一人として社員を解雇することがなかったんです。その理由をはっきりと聞いた記憶はないのですが、おそらく社長はどんな人間にもある「長所」を認めていたんでしょう。
もうすでに当時の営業員は二人を残すだけとなりました。事件を起こした人も、今どうしているのか噂さえ聞こえません。

昨日所用でかつての勤務先を訪ねると、店舗の片隅に作務衣が並べられていました。おそらく「仕入れ好き」の社長が買い付けたものでしょう。あいにく冬用ではありませんでしたから、来春になったらひとつ買おうかと思っています。色はやはり「紺」にしますかっ。

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ねんきん定期便。

2009年12月17日 | 地域の話


今日の草履は、昨日ご紹介の奥様用「赤系おまかせ」です。
こちらのベースも先日届いたばかりの新柄で、このたびが初披露となります。矢羽ベースのプリントはまさに「和」を象徴していますし、ときおりのぞく紺の和柄とあいまって、可愛らしさが一段と表現されましたね。
ネットでクロネコヤマトさんの荷物問い合わせを調べたところ、すでに昨日届いたようです。早速履いてくださいね~。

どうやら日本中が冷蔵庫になりました。北海道や北東北ならいざ知らず、四国や九州でも雪になるとか。角館の現在積雪量は20cmほどでしょうか、脅かされたほどは降っていません。
しかも気温が高いですね。最低気温こそマイナスになるのですが、最高はプラス1℃~2℃まで上がります。すると雪が下から解け出すため、その重さときたらタイヘンなもんですよ。
全国的な悪天候で、各地の年末商戦にも悪い影響があるんじゃないですかね。

先日カミさん宛に、「ねんきん定期便」なる青い封筒が届いてました。中を見せられて面白いと思ったのが、かつて会社員だった時代の基本給が記載されているんですね。カミさんは高校卒業後専門学校へ行きましたから、会社勤務は二十歳からとなります。さかのぼること23年前のお給料は、私も見ててちょっと複雑な心境になりました。

どこの地域にもあると思いますが、角館にも市が発行する広報紙があります。そのひとつに短期間のサイクルで発行される「お知らせナビ」というのがあって、この最終ページはハローワークの求人情報なんですね。最新のナビでは、給料月換算で10万円~13万円、有資格職でも20万円程度がほとんどを占めていました。

カミさんが23年前に貰っていた基本給は11万円、最後の会社員生活は18年前になるのですが、このときで15万円となっています。この20数年で当地の給料は、上がるどころかむしろ下がっているくらいじゃないですかね。
デフレに陥っている昨今、確かに衣類や靴なんかは昔より安いですよ。でも教育費をはじめとする生活費全体は下がっているはずがないですから、世の中の大部分が感じる生活苦は当たり前なんですね。

私宛には来ませんかねぇ、「ねんきん定期便」。

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