角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

ゆく干支 くる干支 -龍-

2011年12月31日 | 実演日記




今日の草履は、彩シリーズ23cm土踏まず付き〔4,000円〕
【2012年1月1日より4,600円】
ベース色の紺系は定番ながら、組み合わせの金色によって厳かさが生まれます。女性用23cmで作ってみましたので、荘厳なおばさまにお勧めしたいと思います。
2011年最後を飾る「今日の草履」、ベースのプリントは2012年に飛躍する「龍」です。



2011年も残すところ今日一日。昨日のブログに書いたように、大きな大きな出来事のあった一年が終わろうとしています。しかし年が改まろうとも、大晦日と元日でなにほど変わるものなどありません。被災地復興に向けた取り組みは、一分一秒の滞りもなく進んでいくでしょう。

角館草履は、2011年と2012年で少し変わります。今夏からお伝えしている価格変更が、明日の元日からとなりました。ネット通販も、メール受信日時が1月1日に変わったところで価格変更となります。
今しがた、明日からの実演準備が整いました。元日スタートに、幾分気持ちが締まったところです。

来たる2012年も、角館の草履職人として「やるべきをやろう」と思っています。私には龍のような荘厳さもなければ、天に飛翔する躍動感も持ち合わせておりません。私の「やるべき」は草履を編み続けること、そして日々の出会いをブログに綴っていくことでしょう。

2011年に草履コーナーへ立ち寄ってくださった方々、実演を関心高くご覧くださった方々、そして足元に角館草履がある方々、誠にありがとうございました。
2012年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。みなさま良いお年をお迎えください。
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ゆく干支 くる干支 -卯-

2011年12月30日 | 実演日記




今日の草履は、彩シリーズ23cm土踏まず付き〔4,000円〕
【2012年1月1日より4,600円】
紺系でまとめた一品は、いかにも日本のふるさとをイメージさせます。「古き良き時代」という言葉にもオーバーラップしますね。
「紺にエンジ」と同様、「紺に紺」も角館草履の典型色と言えるでしょう。
角館の草履職人の干支でもあった、「卯」のベース生地がこちらです。



ちょうど一年前のブログでは、当時「来年の干支」であった卯プリントの草履をアップしています。私の干支でもあったため、今年は卯プリントをずいぶん編んだ気がしますよ。
そのすべてが、どなたかの足元で活躍しているはずです。この世のどこかで暮らしている草履たちへ、作り手から『がんばろうなっ!』と声を掛けたくなりますね。

今年一年を私なりに総括してみたいと思うのですが、とにかく東日本大震災があまりにも大きすぎて、この一年の喜怒哀楽に深く関係しています。
秋田市駅前の立体駐車場エレベーターで地震に遭ってから、角館までの帰路、真っ暗な一夜、灯油を辛抱する寒さ、映像で伝えられる被災地。地震発生から一ヶ月ほどは、どこか現実離れした事象に感じていました。

4月下旬、そんな世間のことなど知らぬが如く、角館の桜たちは美しい姿を見せてくれました。5月3日~5日の三連休は、いかにも角館らしい賑やかな観桜会になったものです。
ただ例年と異なる現象だったのが、秋田弁を話すお客様の多さなんですね。『震災でお客さんが少ねぇって聞いだがら、みんなで出て来たものぉ』。
中には車で一時間程度の距離に暮らしていて、角館の桜を初めて見たという人までいました。

「災い転じて福となす」。震災で県外のお客様が来られなかった分、地元県民が大勢で角館を散策してくださったのは大きな収穫でしょう。県内在住の角館草履の常連さんが、何人もお買換えに来てくださったのも嬉しい限りでした。

しかし桜の時季が終わると、また静かな角館に戻ってしまいました。桜が終わって静かになるのはいつものことなれど、今年はその静かさが明らかに違っていました。6月頃の角館には、「悲壮感」さえ漂っていましたよ。当時の角館は、元気も生気もなかったように思います。

それが夏を越えて秋を感じる頃になると、それまでとはちょっと違った空気を感じるようになりました。少しずつですが、明らかに散策の人影が増えていたんですね。紅葉シーズンになると、その感触は実感へ変わるようになっていきます。完全復活と言えるかは微妙ながら、天気の良い週末などは武家屋敷駐車場に列が出来るまで回復しました。

今年の漢字に「絆」が選ばれたことでも分かるように、人と人の繋がりや思いやり、あるいは助け合ったり励ましあったりということを、身近に感じた一年だったと思います。
震災のあと結婚や入籍が増えた話を聞くと、やっぱり人は人と共に生きるのが大事ということを、あらためて感じたんでしょうね。

3.11以来、「がんばろう!東北」が合言葉になっています。東北人が頑張っているのは周知の通りながら、その趣旨に賛同し旅行先を東北に選んでくださった方々がたくさんいます。まずこの現実に感謝することが、一年の総括に必要でしょう。
『よくこの時期に東北へ来てくれました』と言うと、『いくらかでもお金を落とせればと思ってねっ』。人の温かみをあらためて感じる会話が、言ってみれば震災のおかげで生まれたわけです。

双子の娘たちがそれぞれ県外で暮らし始めた今年は、東日本大震災という未曾有の大災害の中で「家族」を考える機会にもなったと思います。
角館の草履職人四回目の生まれ年は、生涯忘れえぬ「卯」となりました。
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旅の目的。

2011年12月28日 | 地域の話




今日の草履は、彩シリーズ24cm土踏まず付き〔4,000円〕
【2012年1月1日より4,800円】
12月21日の「今日の草履」とベースが一緒で、組み合わせにベージュ系を使用しました。ベージュと限らず淡い色を組み合わせると、雰囲気がとても優しくなりますね。いつも笑顔の、幸せなお母さんにお勧めしたい一品でしょう。

「旅とは非日常を愉しむもの」。
当ブログでもこのテーマは、何度も話題に出て来ています。『雪が見たくて来ました~』や『街並みに癒されますぅ』、あるいは『明日からまたいつもの生活ですよぉ』の言葉は、角館の旅が日常と異なった証しでしょう。

新聞をはじめとするマスコミは、ここ数日「今年の10大ニュース」を紹介しています。上位は明らかに震災関連、これは国民の一致した意見じゃないですかね。
そんな中に、「ブータン国王夫妻の来日」がありました。お二人の来日でにわかに知ることとなった言葉が、「国民総幸福量」。今年日本でも、都道府県別幸福度調査なるものが話題になりました。

物質的豊かさとは異なる「心の幸福」を計る尺度。この言葉は、実に心地良く耳に入ってくるものでした。国民の9割もが自らを「幸せ」と言える国があるなんて、正直思いも寄りませんでしたよ。そう思って見るせいか、国王夫妻の笑顔も作り物でない気がします。

先日三女が突然、『修学旅行、韓国サ行ってもいい?』。
しばらく前学校からのアンケート調査に、「国内」と記して提出しました。確かその回答が多数を占めたことで、私は「国内」で決定されたとばかり思っていたんです。

学校から再配布されたプリントを読むと、どうやら韓国を目的地とする「枠」があるようです。その枠の人数が埋まらなかったため、「韓国に行ってもかまわない人」を募集する向きの内容でした。

三女が韓国へ行きたいとする希望に、さほどの反対意見は持ち合わせていません。けれども無理を承知で思うのは、ほぼ日本と同じ道を進む好敵手韓国よりも、まったく別の道で幸せを掴んでいるブータンに行かせたいものですね。

旅とは「非日常」を愉しむものですから。
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年末休みは手も休養。

2011年12月27日 | 地域の話




今日の草履は、彩シリーズ22cm土踏まず付き〔4,000円〕
【2012年1月1日より4,400円】
若干シブ目の配色ながら、茶色のお洒落さは生きていると思います。角館草履は多種多様な配色が大きな特徴のひとつですから、来年もシブ目の草履はいくつも編むでしょう。

ようやく、ほんとにようやくという感じです。角館に青空が広がりました。日中はほとんど降雪がありませんでしたから、これからは少し落ち着くでしょう。
しかしまぁ、よく降りましたよ。角館の積雪量は現在80cm、12月としては平年の三倍強だそうです。

しかも12月半ばから真冬日が始まっていますから、結局降った雪はまったく融けませんでした。年明け前から「大寒」のようなもので、地元民もこの先をずいぶん心配しています。大寒のような気候が早くやって来ても、その分春も早いとは誰も思いませんからね。

さて、年の瀬も押し詰まったここ数日に、ネット通販のご注文が相次いでいます。お買換え時期を迎えたのはもちろんとして、価格が変わる前にということもあるでしょう。私としてもそうしてご利用いただければ、夏から告知してきた甲斐があったというものです。

ただ年内いっぱいは手の休養もあって、製作をお休みしています。在庫のないオーダー草履につきましては年明け早々にお作りしますので、少しの間お待ちいただけましたら幸いです。
お届けが年明け後になりましても、ご注文が今年12月31日までであれば、当然ながら現行価格でお届けいたします。
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ふたつの取材。

2011年12月26日 | 実演日記




今日の草履は、彩シリーズ25cm土踏まず付き〔4,500円〕
【2012年1月1日より5,000円】
黒とエンジの相性の良さに加え、「洋」と「和」のマッチングがなかなか面白い草履と思います。やはりお洒落な男性に履いていただきたいですね。

今日は双子の娘たちの運転手で一日が暮れました。今夏自動車学校へ通っていた二人が、本日免許センターでの学科試験に臨んだわけです。結果は二人揃って無事合格。まぁ、日々勉強に明け暮れているはずの学生ですから、自動車免許の学科試験はさほど難解ではないでしょう。

折からの大雪のため、秋田市内もたいへんな混雑です。数年前大雪だった年も、秋田市の除雪状況がヒドすぎる話がありました。それは今年も同じで、県免許センター前の道路は除雪車が通った跡さえなかったですよ。
もっとも除雪が多少綺麗だとしても、基本的な車の多さはどうしようもありませんね。北東北の地方都市とは言いながら、秋田市は30万人をゆっくり超える人間が暮らしています。

この師走、ふたつの取材をお受けしました。ひとつは地元新聞社が秋田市民に向けて発行しているフリーペーパーです。秋田市内は原則全戸配布で、発行部数は15万部だそうです。角館周辺の新聞折込部数と比べると、桁がひとつ違いますね。
原稿校正が終わっていて、小さい記事ながら角館草履の特徴はよく表れていると思います。

もうひとつは大阪からの取材で、中央紙が大阪府民へ向けたフリーペーパーのようです。こちらの発行部数は170万部、角館周辺の新聞折込部数と・・・比較すること自体間違ってますよ。
青森・岩手・秋田の特集記事ですから、角館草履がどの程度掲載されるか分かりません。そんなことより、この記事で北東北三県に関西からのお客様が増えてくれたら、どんなに嬉しいかと思います。

今冬の角館にひとりでもお客様を招くとしたら、やっぱり秋田市のフリーペーパーに即効性が期待できるでしょう。発行日は新年1月6日、翌日からの三連休がせめて天候に恵まれることを願いますね。
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272日間で終了です。

2011年12月25日 | 実演日記




今日の草履は、彩シリーズ23cm土踏まず付き〔4,000円〕
【2012年1月1日より4,600円】
「紫系おまかせ」にぴったりの今日の草履は、やはり和柄がとても美しいと思います。以前にも書きましたが、紫という色は好き嫌いがはっきりしている印象があります。好まない人はまるっきりダメで、好きな人はとことん好き。そんな紫色の草履は、来年もたくさん編みたいと思っています。
美しい和柄のベース生地は、こちらになります。




2011年の公開実演並びに展示販売は、本日をもちまして終了いたしました。今日も寒波による吹雪模様の一日で、最終日を飾るにはちょっと寂しい天候になってしまいましたね。それでも角館あきんど塾の仲間のひとりが、『値段が上がる前に買って行ぐんシ』。
この猛吹雪に、まことにありがたい角館人であります。

今年の年間実演日数は、272日間でした。昨年初めて300日を超えましたから、ちょうど一ヶ月分少ないことになります。その理由は未だ記憶に新しい、東日本大震災ですね。ガソリンも灯油も買えない、散策する人影は皆無、日々伝えられる悲惨な被災地。とても通常の仕事ができる状況ではありませんでした。そう考えれば、この272日間はよく務めたほうかも知れません。

また後日、この一年を総括するブログを書きたいと思っています。元日まで実演はお休みしますが、ブログは出来るだけ更新して参りますので、引き続きのぞいていただけましたら幸いです。

2011年の公開実演を終えて、まずはひとまず今年もありがとうございました。私なりに頑張ったつもりでいる、2011年でありました。
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引き継がれる文化。

2011年12月24日 | 家族の話




今日の草履は、彩シリーズ25cm土踏まず付き〔4,500円〕
【2012年1月1日より5,000円】
「緑系おまかせ」にぴったりな今日の草履は、和柄のうえに爽やかさが感じられます。凛々しいお若い男性にお勧めしたい一品ですね。
亀甲柄に金が鮮やかなベース生地は、こちらになります。



全国のお天気ニュースでも伝えられている通り、北海道から東北地方の日本海側は、大寒波に見舞われています。ほぼ連日真冬日が続き、雪の量もそれなりになってきました。
「雪を見たい」お客様には格好のロケーションになっている反面、クリスマスイヴの夜にイルミネーションなどを愉しみたい若者たちには、少しばかりあいにくの東北地方です。

盛岡市からお越しのお若いカップル。実演よりもまず、草履の配色に感心してくださいました。男性の姪っ子さんに履かせたいと子ども用を探していたのですが、大人用の健康効果を知ると、ご自分用が欲しくなったご様子。結局それぞれお好きな配色を選ばれ、子ども用もお買い上げくださいました。

昨日は埼玉県から盛岡市へ赴任されているお若い男性が、埼玉県のご自宅で待つ奥様へプレゼントにお買い上げでした。今年入籍したばかりと言いますから、離れ離れの生活はちょっと寂しいですね。
間もなくの年末休暇で戻られる際、奥様へ手渡されるそうです。

こうした20歳代のお若い人たちも、角館草履に関心を寄せてくださいます。私にしてみるとこれはかなり嬉しい現実で、日本の文化は間違いなく受け継がれていくと実感できますよ。
と同時に、そういうことを考えるようになった私自身の年齢も実感しますね。

わが家の若者たちが、昨日で全員揃いました。娘三人が喋りだすと、久しぶりのせいもあってか若干うるさいです。でもそのうるささが、まさにわが家なんですね。
アパートでの独り暮らしが始まって9ヶ月、炊事や洗濯などひとまずはしっかりやっているようです。実家にいる僅かな期間に、カミさんから料理なんかも聞いていくのでしょう。これも「引き継がれる文化」のひとつと思います。

さて、2011年の公開実演も、残すところ明日一日となりました。天気はまだ回復しないようですから、お客様の人数も限られたものになるでしょう。そんな日だからこそ「縁」を感じる出会いがあると信じて、ラスト一日を務め上げて参ります。
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昭和人の逝去。

2011年12月22日 | 地域の話




今日の草履は、彩シリーズ23cm土踏まず付き〔4,000円〕
【2012年1月1日より4,600円】
藍色と黒の組み合わせはあまり多くない気もしますが、綺麗なプリント柄同士という理由で選んでみました。昨日の「今日の草履」と同様、金の縁取りがなんとも美しいですね。
女の子が楽しく遊ぶ、「昭和」のプリント柄がこちらです。



三日前、同期生のお父上が急逝されました。享年80歳。師走の真冬日が災いしてか、心臓疾患による急死です。
とても人当たりが良く、「昭和人」らしい堅さを持った御仁でありました。お祭りが大好きで、今年務めた丁内張番の年番長が、奇しくも最期の花道となったわけです。

こちらのお父上に、私は大きなご恩があります。2005年6月、角館草履を発売して一年とちょっとでした。一人でも多くの地元民にこの草履の存在をPRしたかった私は、街中での路上実演を三箇所に計画しました。そのひとつが、こちらの同期生の自宅前だったんです。お父上は二つ返事で、私に実演場所を貸してくださいました。

実演中、お父上とお母上は縁台に腰を下ろし、私とお客様との会話を聞いておられました。お客様が途切れるとよく言われたのが、『あんたはほんとに商売向きだなっ』。
観光で訪れたお客様はもちろん、地元民で近くのスーパーへ買い物に見える方々にも、期待通りのPRが果たせたものです。

その後、真向かいの銀行へ立ち寄った際にお父上の姿を見かけると、自然に声をお掛けしていました。何気ない普段の挨拶程度です。さきほどご焼香に伺ったときお母上が言うのは、『年寄りなもんだがら、声を掛けられるのが嬉しいって言ってらったんだよ』。

今年は同期生のお父上をはじめ、知人である「昭和人」が何人も他界されました。ちょっと近年にない多さです。そういう年廻りに至っていることを自覚して、お世話になっていながらご無沙汰をしている「昭和人」に、想いを寄せるのも必要かと考えています。
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年末も仲良しご夫婦。

2011年12月21日 | 実演日記




今日の草履は、彩シリーズ23cm土踏まず付き〔4,000円〕
【2012年1月1日より4,600円】
配色そのものは角館草履のスタンダードと言いますか、奇をてらわない素直な色と思います。特筆すべきはベースのプリント柄です。桜や折鶴、とんぼといった和柄が金色に縁取られているんですね。
和柄特有の日本らしさのうえに、優美を兼ね備えた平生地はこちらです。



久しぶりの草履職人誕生です。奇遇にも一昨日のブログでご紹介した旧仙北町のおばさまが、今日はご主人を伴い三度目のお訪ねでした。『私とおばあちゃんだけ履いてると、なんかお父さんに悪くって…』とおばさま。ご主人にもまずは試し履きをお勧めすると、すぐさま気に入ってくださいました。

『草履は私がプレゼントするということで…』と、次の目的が草履台だったんですね。布草履経験者であるおばさまは、私が使っている草履台をこのほか気に入ったご様子。現品をご主人にも見てもらい、草履台はご主人からプレゼントしてもらうというシナリオでした。
クリスマスを目前に、ご夫婦お互いのプレゼントが成立したというわけです。

秋田市からお越しのご夫婦、共に70歳代半ばと思います。草履コーナーを見つけるなり、『ははぁ~、これだなっ』とご主人。
詳しく聞いてみると、「角館に面白い草履がある」というのを人づてに聞いて、一度見たいと思っていたそうです。かつて布草履を「なかなか良いもんだ」と感じたご主人のほうが、奥様を誘ったという感じでした。

『へぇ~、案外するもんだねぇ』というのがご主人の第一印象でしたが、素材や健康効果、さらに配色の妙を納得すると、『お前も買えよ』と奥様にもお勧めくださいました。お二人お好きな草履をお選びになり、『早速履いてみるよっ』。

実演席の丸太椅子に腰を下ろすお客様には、ご夫婦連れがとても多いです。ご一緒に遊びに見えて、草履に対する興味も共にあるわけですから、もちろん仲の良いご夫婦に違いありません。
世の中師走で多忙なこのときにも、そんな「仲良しご夫婦」がいらしてくれたことを、とっても嬉しく思います。

今年の実演は、あと四日間です。
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残り一週間を切りました。

2011年12月19日 | 実演日記




今日の草履は、彩シリーズ23cm土踏まず付き〔4,000円〕
【2012年1月1日より4,600円】
冬の新柄から、新しい「茶の草履」です。茶色というのはお洒落なうえに、色の濃さが暖かさにも繋がるのでしょうか。多くのお客様が一目置いてくださいます。そしてお選びになる多くは、比較的年代が若いんですね。
人形面のプリントが面白い平生地はこちらになります。



「今日の草履」をお持ち帰りは、旧仙北町からお越しのおばさまです。11月の半ばにおともだちとお二人でお越しになり、関心高く草履実演をご覧でした。そのときは手持ち資金の都合でご購入を断念され、『値段が上がる前に、来月また来ま~す』とお帰りだったのを憶えています。

そのお二人が再度お越しくださり、それぞれにお気に入りの配色をお選びでした。11月より在庫が増えていますから、むしろそのときお買い上げにならなかったのは正解と思います。おばさまはお姑さんであるおばあちゃんへも、プレゼントにお買い上げでした。

師走も半ばを過ぎ、残すところ十日余りとなりました。天候も合わせたように真冬となっています。『雪が見たくて来ました~』とおっしゃるお客様には、見事に当たった感じですね。
雪の量こそまだたいしたことはありませんが、気温の低さが顕著です。お客様も雪が見られて嬉しい反面、この寒さは歓迎しないのがほとんどでしょう。

さて、今年の実演もあと六日間。ラストの23日~25日の三連休に多くの出会いを期待したいところですが、やっぱり天気が心配です。あまり荒れることなく、今年の最後を飾りたいと願っています。
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