角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

明日から四日間お休みです。

2016年08月21日 | 地域の話









今日の草履は、奈良市の新婚さんペア草履です。若奥様は日本語ペラペラのシンガポール人で、若旦那様の従弟さんが暮らす当地へ二人で遊びにいらしたそうです。
ご希望配色をお訊ねするとご夫婦ともやや迷いました。であればやはり「和柄」でしょう。日本人男性を愛した女性ですから、和柄がキライとは思えませんしね。
本日の便で出発しました。もうすぐ届きますからね~(^^)/

日中の最高気温こそ30℃を超えますが、朝晩の風にはしっかり秋を感じます。お盆が過ぎると角館はお祭りに向けて一気にときが進みますから、暑さが減って熱さが増すといった感じでしょうか。いくつになっても故郷のお祭りは楽しいものです。

わらび座65周年の今夏、8月1日から20日まで「ナイトステージ」なるイベントが行われました。これもまた故郷のお祭りや郷土芸能を表したもので、毎夜50人~80人ほどが短い夏を愉しんだようです。
奈良市の新婚さんの従弟さんはわらび座の地元仙北市神代の方でしたので、このナイトステージをご紹介しました。「明日の晩にでも…」と話していましたからきっと訪れたでしょう。特にシンガポール人の若奥様には観せてあげたいと思ったものです。

私も四度訪れ、そのうち角館あきんど塾メンバーと二度機会が設けられました。二度目はちょっとワルノリしてしまいました。記念写真の中に草履職人が見つけられますでしょうか。




怒涛の如く過ぎ去った今夏、猛暑もありやや疲労感が否めません。明日から四日間夏休みをいただくことにしました。このお休みが明ければ、いよいよ夏の最後を彩る大曲全国花火競技会。また全国からリピーターさんがお立ち寄りくださると思います。
そして角館はお祭りへと加速度を上げてまいります。



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仮想ふるさと。

2016年08月17日 | 実演日記





今日の草履は、青森県つがる市の女性のオーダー草履です。ご希望配色は完全おまかせでしたから、彼女らしい可愛い配色にしてみました。
一年前からのご愛用者で、このたびは洗い替え用にと一ヶ月ほど前のオーダーです。女性のご実家は角館のお隣旧中仙町で、お盆の帰省に合わせてのお引き取りというわけですね。『しばらく飾っておこっ!』ととても喜んでくださいました。故郷の夏も十分楽しまれたことでしょう。

昨日のこと、お仕事で当地に暮らす女性のご両親がお訪ねでした。かねてから知人の女性が西宮家をお勧めしてくれたのだそうです。お二方とも東京生まれというご両親がおっしゃるのは…

『あたしたちには田舎っていうものがないですから、娘がいるここへ来ると故郷を感じるんです~』

この地に暮らす一人として、熱いものがこみ上げる想いでした。田舎を持たない都会人はかなりの人数に上るのではないでしょうか。そんな方々が「仮想ふるさと」に角館や仙北市を想ってくださったら、こんな嬉しい話はありません。

今年のお盆もリピーターさんとの再会が毎日ありました。これからはそんな方々とのご挨拶に、『おかえりなさい!』が相応しいかもしれませんね。
暑さとの闘いはあったものの、今夏も愉快に過ぎていきます。
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自然発生とイベント。

2016年08月07日 | 地域の話


今日の草履は、仙台市泉区の女性のオーダー草履です。細かいところまでご自身でデザインした草履は、ポップ調の楽しいものに仕上がりました。ご来店ですぐにfacebookで繋がった女性は、本日到着した草履を早速投稿してくれました。こうしてお客様の反応がすぐに分かるというのは、なかなか愉快なものです。個人情報等で警戒する向きもありますが、ごく当たり前に利用すれば文明の利器といえるでしょう。

こちらの女性はわらび座の大ファンで、母上様と共に年に二十回はわらび劇場や公演先を訪れるといいます。私の草履もわらび座のみなさんとのfacebookを見て知ったとのこと。こうしたSNSを商いの大きな手段とは今も考えていないのですが、自然発生的にお客様が増えるのは歓迎すべきと思います。これからも様々な投稿をしてまいりますが、基本は「趣味」とお考えいただければ幸いです。

さて昨夜、第8回かくのだて絵燈籠夏まつりが開催されました。猛暑の夏は夜の街を賑やかにします。昨夜も例年に増してお客様が多かったですね。














気ままに訪れ、気ままに愉しむ。自然発生的に人が集まり、ひとりひとりが祭りを彩る。「やらなければならない」とか「行かなければ申し訳ない」とかではなく、「やりたい」「行きたい」がイベントに相応しい自然発生なのでしょう。

明日一日だけお休みをいただくことにしました。少し体を休めてお盆の繁忙期へと向かいます。


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白岩大名行列。

2016年07月31日 | 地域の話


今日の草履は、愛知県犬山市のおじさまのオーダー草履です。比較的ご年配の男性でしたが、自らこちらの配色をご指定でした。紫の無地をベースに持ってくるだけでもお洒落なのに、組み合わせのエンジ桜が極めつけですね。男性であれご年配者であれ、足元のお洒落は日常を愉しくすると思います。
ご家族分4足揃って明日の便で出発です。もう少しで履いていただけますよ~(^^)/

北東北にもいよいよ本格的な夏がやって来ました。一昨日29日は朝から夏空が広がり、午前10時頃でしたか梅雨明けが発表されました。その途端気温がみるみるうなぎ上り、角館の最高気温が34.4℃を記録しました。いきなりこの気温は、北東北に暮らす私たちにいささか酷ですよ。午後3時頃には平常心で草履が編めなくなり、いつもより二時間ほど早い帰宅となりました。昨日と今日も33℃前後まで上がりましたが、体も少しずつ慣れてくるのでしょう。今日は定時まで務めてきました。

さて、秋田の短い夏を彩るお盆行事を一つご紹介します。私が現在居住する集落、白岩の大名行列です。直近で平成十年の開催ですから、実に十八年ぶりの開催となりますか。殿様に家臣の侍が追従する行列とは異なり、平時は百姓として汗する若者たちが、侵略者に対して組織される「軍」なんですね。長州藩高杉晋作の奇兵隊を思い起こさせます。わが家のある道沿い白岩街道を行進し、土地の古刹「雲巌寺」を目指します。そこで棒術の披露とささら舞が行われると聞きました。日中ですから私は西宮家で仕事をしておりますが、ご関心のある方にはぜひご覧いただきたいと思います。


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祈りの草履。

2016年07月26日 | 実演日記







今日の草履は、仙北市内の女性のオーダー草履です。わらび劇場「ハルらんらん♪」で桜月姐さんを演じる奥様から、「げんない」で小田野直武を演じるご主人への誕生日プレゼントを承りました。
ご希望配色は、「ご主人が好きな紫色をベースに直武風」。そうした無茶ぶりに俄然ファイトが湧く草履職人であります。

ベースの水玉は降りしきる角館の雪を表しました。あれだけの画を描く男ですから、直武はきっと心の優しい侍だったと思います。その心を暖色の組合せで表現しています。

「げんない」の県内公演は8月28日湯沢市、29日北秋田市。これまでの人生でやりたいことを何かに阻まれた経験をお持ちの方には、ぜひ観てほしい舞台です。劇中直武の台詞にあるのが、「秋田の画は祈りです」。角館草履もまた、足と心の健康を祈るばかりであります。




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逆サプライズ。

2016年07月22日 | 実演日記





今日の草履は、女性用が劇団わらび座音響スタッフさんのオーダー草履です。お好きな色が紫とのことでしたから、紫色をベースに「ゆかた美人」を表現してみました。
男性用は、「ハルらんらん♪」に出演している客演さんのオーダー草履です。赤の唐草と紺無地をご指定で、デザインはお任せでした。そこでせっかくですから愉快な草履にしたいと、タイトルを「よこしまな心」としてみました。もちろん彼がよこしまな心を持っているわけではありません。シャレの分かる愉快な青年なんですね。

昨夜わらび座内にあるお食事処を会場に、集まれる人たちで「オーダー草履引き渡し式」を執り行いました。みなさんに配色をご覧いただきながら、ご注文主による履き初めも行います。思い思いに写真を撮って、これもまた愉快なものですよ。






先月「初わらび座」を堪能した、西宮家レストランの料理長も参加しました。料理長がみなさんに何か差し入れをしたいと言うので、誕生日を迎えたばかりの女優さんお二人の名前を入れたバースデーケーキを持参しました。よもやおっさん二人がケーキを持ってくるとは、かなりのサプライズだったようです。
しかし私が驚いたのは、それぞれご愛用の草履を持ち寄るという「逆サプライズ」でした。作者冥利に尽きるとはこのことでしょう。いささかの感動をいただきましたね。



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日ごろの環境。

2016年07月14日 | 地域の話







今日の草履は、千葉県君津市の女性のオーダー草履です。封書でいただいたご注文書には、過去の「今日の草履」がプリントアウトされていました。「まったく同じでなくていいので近い配色を…」ということなんですね。
ブログやfacebookにアップする草履は、一点限りもしくは数足限りの配色ばかりです。ですから過去の配色をまったく同じで再現するのは不可能に近いのですが、そのときの手持ち素材でかなり近い草履に仕上げられる場合があるんですね。「今日の草履」はまさにそんな一品となりました。
本日の便で出発済みです。早速履いてくださいね~(^^)/

いかにも梅雨らしい空が続く角館です。昨日は梅雨の晴れ間で32℃と思えば、今日は朝から降り続く雨で24℃止まり。それでも湿度の高さでやや蒸し暑く感じていたら、鹿児島県からお越しのご家族が「肌寒いくらいですね」。日ごろの環境がいかに体に染みついているかでしょう。
順調なら梅雨明けまであと二週間はないと思います。酷暑はツラいと言いながら、北国の短い夏が待ち遠しい気持ちもありますね。

角館あきんど塾と仙北市商工会青年部が主催する「第8回かくのだて絵燈籠夏祭り」は、8月6日(土)です。その前の今月はすでに飲み会が三つ決まっています。短い夏を待ち焦がれ、そして行く夏を惜しむときに「生ビール」は欠かせません。
…のような話をしたら、「冬も飲むよね」とカミさんに言われました。日ごろの環境がいかに体に染みついているかでしょう。
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笑う門には福来たる。

2016年07月08日 | 実演日記
「武田鉄矢 今朝の三枚おろし」というラジオ番組をYouTubeで聴いています。実在の書物を読んだ雑感を自己流の屁理屈でいかにも哲学的に語るこの番組は、自宅作業のBGMに定着しました。人様の言葉を引用し己の都合の良いように解釈を加えるあたり、案外私も似たところがあるのかもしれません。

最近聴いたテーマは、「笑う門には福来たる」。人はそれまで経験したことのない壁にぶつかったり、手に負えない不運が重なったりすると、精神的にどん底へ突き落される状態に陥ります。極限まで追い詰められたときに現れる現象が、「もう笑うしかねぇや…」。実はこれが、本来持っている脳の働きなんだそうです。

人はどんな状態にあっても、「笑顔」を作ればほんの少し気持ちが上向きます。腹を抱えた大笑いでなくとも、膝を叩く爆笑でなくとも、ふっと小さな笑顔だけでその効果はあるのだそうです。開き直りに向かう重要な一歩が、この「笑うしかねぇや」なんですね。

そしてその心境に達しやすいのは、平時に努めて笑顔でいられる人といいます。笑顔を作るには一定の努力が要るものです。これを日常に怠らずやっている人は、どん底からの立ち直りが早いといえるでしょう。

「福が来たから笑うのではなく、笑うから福が来る」。いつも笑顔作りに努力するのは、己が窮地に陥ったときの、まさに「保険」というわけです。今日はわらび劇場のみなさんが遊びに来てくれて大いに笑いました。明日も出来るだけ笑いましょう(^^)




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想い出の実演日記 第四話。

2016年07月07日 | 実演日記
「命を削る」2006年8月3日

およそ十年前の夏の日、お見受けするところ五十歳代の女性が一人入って見えました。私の草履を見て一番に「配色」を話題にされる旅人と出会いますが、こちらの女性もそうした典型例でした。紺の唐草の草履を見つけた女性は、「日本の祭りが表現されてて素敵ね!」。
その日編み上がったばかりの一点をお買い上げでした。

女性は東京に暮らす画家さんで、建設業界に配布される雑誌の挿絵を生業の一部としているそうです。草履の配色に関心を示されたのが頷けました。角館を訪れたのも、日本建築がテーマの挿絵モデルを探す旅とのこと。確かにそういうテーマなら角館はうってつけでしょう。

女性は二年に一度、銀座で個展を開くのだそうです。二年間描きためた作品数はおよそ30点。その四分の三がご売約となるのですが、撤収のたびに言いようのない寂しさがあるといいます。自分の画が認められ売れていく嬉しさはもちろんでしょうが、一方で手塩にかけた作品が目の前からなくなる寂しさは、毎回消えることがないのだそうです。女性はしみじみと…

『作家って、命を削って作品を世に出しているんだと思うの。売れていく作品は、すべて私の命なのよ』。

当時私は草履職人となってまだ三年目でした。それでも女性の言葉の意味が確かに伝わったものです。あれから十年が経って、一日の製作時間も一年の稼働日数もその頃と同じにはいかなくなってきました。言葉を変えれば、1足編むごとに草履職人としての寿命が僅かずつ縮む現実があるわけです。

「売れていく作品はすべて私の命」。突き詰めるとどんな仕事や活動をしている人も、人様のお役にたつ、人様に喜んでもらう分だけ自身の寿命は短くなります。これからの加齢は急ぎ足ですから、さらにこの気持ちを忘れてはいけないのでしょう。明日から草履実演再開です。
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世の中はご縁だらけ。

2016年07月05日 | 実演日記







今日の草履は、彩シリーズ24cm土踏まず付き[五阡四百円]
夏の新柄の中から茶色基調でまとめてみました。男性色のように思えますが、茶色を好まれる女性は案外多いものです。実際私も茶色の草履はとてもお洒落だと思っています。24cmで作りましたから、どのようなお客様がお選びくださるか楽しみにお待ちしましょう。

JR東日本大人の休日倶楽部乗り放題チケット期間が、本日をもって終了しました。新幹線が函館まで延伸し、また6月25日・26日は青森市で「東北六魂祭」がありました。角館をお訪ねくださる旅人はいかほどかと心配しておりましたが、思ったほどの落ち込みはなかったように感じています。中には函館帰りや青森帰りの途中下車ともお会いでき、私としては楽しい期間を終えられたと思っています。

中で栃木県鹿沼市のご家族旅と、横浜市戸塚区のおばさま二人旅は、まさに「これぞご縁!」を感じた二例と思います。鹿沼市のご家族はお父さんが部屋履き草履のご愛用者で、これまでの布草履にどこか違和感をお持ちだったとのこと。イ草を使う角館草履との出会いをことのほか喜んでくださいました。お父さんは五本指靴下をスポーツ専門店でお求めとのこと。やや高価なためためらっておりましたが、お父さんとの出会いをご縁に私も買ってみようと思います。ご家族三人分の草履は三日後の発送です。

横浜市のおばさまお二人も、角館草履との出会いに強いご縁を感じてくださいました。その日はちょうど雨が降っていて、おばさまたちは雨宿りを兼ねて西宮家へお入りだったとのこと。米蔵をぶらぶらするうち私の姿を見つけたおばさまは、「あれっ、草履…ですか!?」のご質問のあと30分以上実演席に滞在されました。お帰りの際「ここへ入って良かったわね~!」と何度も言ってくださり、私こそおばさまたちとのご縁に感謝です。おばさまお二方の草履は昨日発送しました。

リピーターさんを除く一見さんとの出会いは、すべて「ご縁」の賜物です。中でも強いご縁を感じてくださる旅人との出会いは、その日一日の私の存在がお役にたったという喜びに溢れますよ。世の中はご縁に溢れ、ご縁に生かされているとしか思えませんね。
昨日のブログ「はじめましてからはじめましょう」でカップルとなったお二人は、その最たる例だと思っています。いつかお二人で西宮家をお訪ねくださるのを、とても楽しみにしているところです。

明日から二日間お休みをいただきます。草履実演のご縁はお休みとなりますが、そればかりではないご縁があるかもしれませんね。
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