角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

行く年来る年・・・。

2005年12月31日 | 製作日記
今年は365分の100日を実演販売会に充てることができました。2006年はこれを一日でも多くしたいです。
そしていきなり、明日が2006年実演販売会の初日です。ついさきほど会場設営を済ませてきました。大晦日の午後なのに、結構お客様がいるんですよ。それも明らかに県外からのお客様です。おそらくこの町で新年を迎えるんでしょうね。ナンか、本当にともだちになりたくなります。

いよいよ2005年最後の一日、陽はだいぶ西に傾いてきました。
実感としては「あっと言う間」なんですが、間違いなく365日分の出来事があったはずです。振り返る暇もなく、夜が明ければ新しい年がはじまります。まぁ、若干42歳の私くらいでは、過去を思い出している暇なんかないほうがイイかもしれません。
とにかく、明日この町を訪れ、西宮家にお立ち寄りいただいた方々と新しい想い出を作りたいと思います。

角館へお見えになる予定のみなさま、どうぞお気をつけてお出でください!

そうそう、今日の写真は雪に埋まりそうなわが家です。

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子孫、じゃありませんから・・・。

2005年12月30日 | 実演日記
今日の草履は、リサイクルシリーズLサイズ26.0cm〔写真〕
はじめて手をつけた着物です。なかなか良い出来です。こういうベースは、鼻緒を赤にすると「秋田おばこ調」になって、緑とか青を使うと男性用になるからいろいろ都合がイイんです。

-思い出の実演日記その5-

『失礼ですが、こちらの子孫の方ですか?』。
西宮家で実演していて、これまで3人の方から尋ねられました。もちろん『いえいえ、そうじゃないですヨ~』と答えます。尋ねてくれればこそお答えできるんですが、いつぞやグループで訪れた方々は、『ん~、こうして代々技術を伝えて行くんだよね~、やっぱり歴史のある家柄はそういうもんだよ、ん~』。
こちらに話し掛けるでもなく、その方々だけで納得して通り過ぎました。
もしかしたら、そう思い込んでる観光客がまだまだいるのかも知れません。

もしも私が西宮家の子孫だったら、草履を編むことはなかったんじゃないかナ~と、必要もないことを考えたりしました。(^_^;)
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除雪はお祭り・・・!?

2005年12月29日 | 地域の話
今日の草履は、リサイクルシリーズMサイズ22.0cm〔写真〕
濃紺のベースに鼻緒を黄色にしてみました。鼻緒を黄色にすると、風水がナンとかって販売会でも結構人気なんです。

今日も雪が降り続いてます。ナンでも、昭和48年のいわゆる「ヨンパチ豪雪」を上回る勢いなんだとか。“記録は破られるためにある・・・”ひとつも嬉しくありません。

土建屋さんの社長で、自ら除雪車を運転する友人から電話がありました。『平均睡眠時間が三時間ダ・・・』。
そんな生活を何日も続けて、『お祭りでもあるまいに』と私が言うと、『んだ、こんたに降るんだば毎日お祭りみでったもんダ』。

???
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シッカリ役に立って・・。

2005年12月28日 | 製作日記
今日作った草履は、リサイクルシリーズLサイズ25.0cm〔写真〕
秋田おばこ調のベースに、青の木綿で鼻緒を作ってみました。この草履はネットのお客様からのリクエストでお作りしたものです。今日の便で東京に向け旅立っていきました。

私はかつてサラリーマンでした。角館の伝統工芸品「樺細工」の製造問屋に勤務していた当時、工場の人たちが自分たちで作り上げた商品を出荷する際、品物に向かって『戻ってくるなヨ』と呟いていたのを思い出します。そう、作り上げた人間にしてみると、それは「モノ」ではなく一つの分身なんですね。『戻ってくるなヨ』の意味は、手塩に掛けた娘を嫁ぎ出す親心だったんでしょう。

あれから十年が過ぎて、今は私も作り手のひとりになりました。もちろんまだまだこれからのヒヨッコなわけですが、自ら作り上げた草履に対する可愛さは分かります。私は旅立つ草履に向かって、『シッカリ役に立つんだゾ』とはなむけの言葉を贈ります。
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大台突破・・・。

2005年12月27日 | 製作日記
今日作った草履は、絣(かすり)木綿シリーズMサイズ23.0cmです。〔写真〕
ほかに2足出来ました。
やっぱり絣はイイですね~。やわらかいのに生地の強さが分かるんです。絣草履はいったいどれくらいの期間履けるのか、追跡調査をしたいと思ってます。

いよいよ大台突破です。いえ、雪の量なんですがね、122cmだそうです。前年比で90cmも多いそうですよ。例年1月と2月がいっぱい降るんですから、ホントにどうなるんでしょう。
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教えられました・・・。

2005年12月26日 | 実演日記
今日作った草履は、リサイクルシリーズMサイズ23.0cm。〔写真〕
「秋田おばこ調」の典型的な配色です。実演販売会でも人気が高く、私自身も好きな配色です。

さて、「奥羽山麓まるごとグルメ」に昨日の餅つきをアップしました。さすがに今朝一番は握力が復活してませんでしたが、否応なしに雪よせが待っています。ホントによく降る雪です。角館の積雪量が89cmと発表されていました。横手や湯沢のことは言いませんでしたから、おそらく県内の平地ではトップクラスなんでしょう。嬉しくはありませんが・・・。

-思い出の実演日記その4-

西宮家では、毎年6月に「さつき展」という大きな催し物があります。私の実演場所にも立派な鉢植えの数々が並びます。そこで私は、町に繰り出すことになりました。言ってみれば、草履の“路上ライブ”です。
2005年6月のとある日。ひとりのおばあちゃんが、ニコニコしながら私の実演を眺めています。それまでも何回か前を通った気がしましたが、明らかに表情を浮かべているのはその日がはじめてと思いました。

おばあちゃん:『あんだがこごサ来てがら、こご通るのが楽しみになった』。
私:『はぁ、なにしてだんシか?』

おばあちゃん:『今日はなんた草履が出来だべ、明日はなんた草履だべど思えば、自然と通るのが楽しみになる』。

このおばあちゃんの言葉を聞いて、教えられましたね「店」というもののあり方を。考えてみると、地元の人間がいわゆるウィンドウショッピングを楽しめる店って、案外ないんですよ。日々変わるから何度も立ち寄る、これは「店」にとって必須条件なんじゃないかって。

観光で訪れる方々ももちろん大切ですが、この町に暮らすお年寄りにも楽しんでもらいたいです。来年の“路上ライブ”が楽しみです。(^_^)v
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年末恒例・・・。

2005年12月25日 | 家族の話
今日は朝から晩まで餅つきの一日でした。わが家の年末恒例行事なんですが、なにしろ量が半端じゃありません。もち米2斗6升、重さにして約40kgです。これを二人で10回に分けてつきます。毎年のことではありますが、ヘトヘトです。
それでも娘たちは、思い思いのモチ料理に舌鼓を打っていました。写真は三女が好物の「雑煮」です。

餅つきは「奥羽山麓まるごとグルメ」にアップする予定ですが、今晩は無理です。ヘトヘトだからです。(T_T)

したがって草履も作れません。ヘトヘトだからです。(>_<)
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いったいどっちよ・・・!?

2005年12月24日 | 実演日記
今日作った草履は、リサイクルシリーズMサイズ24.0cm。〔写真〕
足が小さめの男性でも良いように、巾をちょこっと大きくしました。

予測通り、今朝の雪の量は確実に記録更新です。除雪ブルもわが家まで来るのに大変だったんでしょう、今冬一番遅い朝6時でした。

-思い出の実演日記その3-

実演販売会をはじめたばかりの、2004年11月のとある日。西宮家へ4~5人連れのおばさまが訪れました。草履を編む実演というのは全国でも珍しいそうで、ましてカラフルな布地を利用しているので終始ハイテンションのおばさまたちでした。
お喋りの最中、ひとりのおばさまの『記念写真撮ろうよ』の言葉に、ほかのおばさまたちが私の周りに集まります。『は~い、撮るわよ』と言うので私もカメラ目線で軽く笑顔を作りました。そしたらカメラマンのおばさま、『いいのいいの、お兄さんは黙って作ってて!』。

数日して、また同じような場面に遭遇しました。今度は黙って作ってたら、『あら~、お兄さんも顔上げてヨ~』。

写真はよく撮られますが、今でも対応に迷っています。
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おっかしい買い物・・・。

2005年12月23日 | 実演日記
今日の草履は、縞木綿シリーズMサイズ23.0cm。〔写真〕
このオレンジの縞木綿が、なんとも言えず暖かみがあって好きなんです。

それにしてもスゴいです、雪が。今朝除雪ブルドーザが置いてった量が今冬一番でした。そして朝からずーっと降り続いています。明日の朝、また今冬一番と言うのは間違いなさそうです。

-思い出の実演日記その2-

2005年9月のとある日、西宮家に奥様お二人連れが訪れました。布巻草履がツボにはまったようで、真剣な眼差しでリサイクルシリーズの品定めをしておりました。
ふとした瞬間、ひとりの奥様の視線が一点に集中し、『えっ!?こっちのはなに?』。視線の先には、エンジの鼻緒の絣(かすり)草履がひとつ。試験的に作った10足の残り最後の一足でした。
『私、これを買わないと一生後悔するような気がする・・・』。即決でした。

帰り際、その奥様がなにやらケタケタ笑い出すのです。
『いえね~、今そこの直売所で百円の野菜をすっごい吟味して買ったのよ~。それがなんで四千円の草履は簡単に買えるわけ~、おっかしいわよね~』。

私は嬉しいのですが、確かにおっかしいかも知れません。(^_^;)
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個人情報・・・。

2005年12月22日 | 実演日記
今日は結構忙しかった割に3足作れました。久しぶりに降雪ゼロだったので、雪よせがないと草履も進みます。縞木綿シリーズMサイズ23.0cmが、はじめての配色で面白い草履になりました。〔写真〕

「実演日記」というページタイトルなんですが、サイトを立ち上げてからまだ実演販売をしていないので、過去の会話を書きます。

-思い出の実演日記その1-

2005年10月のとある日、西宮家に一組の家族が訪れました。子どもは3歳くらいの女の子、お父さんとお母さんが一緒です。女の子は、私の草履実演を珍しそうに見入っています。お母さんは米蔵の商品を見るため歩を進めますが、その子は一向に動こうとしません。
実はこういうことがしばしばあって、子どもというのは「動くモノ」にとても興味を示します。そのうえ、これまでの人生でおよそ見たことがない草履というものを作っているんですからなおさらです。
私はお母さんに、『ここにいる限りは安心ですから、お母さんはゆっくり見ててください』と言いました。それからしばしの間、実演のお客様は女の子ひとりです。

私:『お名前はなんて言うの?』
女の子:『○○!』

とても元気にハキハキ答えます。

私:『そっか~、○○ちゃんっていうんだ。お家はどこなの?』
女の子『マンショーン!』
私:『・・・・・』

私の訊き方がマズかったようです。確かにお家がマンションというのは間違ってはいません。

私:『ふ~ん、じゃあ今日はどこから来たの?』
女の子:『そこからー!』
私:『・・・・・』

指差したのは、西宮家の出入口。はい、確かにそこから入ってきたのを私も見ました。

個人情報を漏らさない家庭教育ができているんですね。f^_^;
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