正月からの咳がおさまって父の所に行くのは3週間ぶりだ。
「sakeだよ」と言うと、「sakeか、どこにいるの?」と言う。
目がほとんど見えていないので、「sakeだよ」と言っても忘れてしまう。
とりあえず手を握ってみるけど、これが【sake】の手だと言うことも、分かってないかもしれない。
(sakeが誰なのか、たぶん分かってないと思う。)
私は会話に困った。
もともと自分から率先して話すことが苦手なので、面と向って話すことが何も無い。
普通だったら「天気がいいですね」とか「今日のお昼は何を食べましたか?」とか言いたいところだが、父は目も見えてないし、さっき食べたものは忘れているだろう。
他に話題は何だろう、kekeの事は何て説明すればいいのだろう。
もともと私と父は、父がペラペラしゃべって、私がヘェヘェと頷いている間柄だったのだ。
うーん。。。。
と思っていたら、向かいに座ってる割と最近入ってきたバアさんが隣の人に「アノ人、頭がおかしいんだよ」と指で合図している。
どうやら、父とその隣のじいさんを、頭おかしい呼ばわりしているようだ。
そして、「私達はああならないように気をつけないとね」等と言っている、失礼な。(`´)
同じバアさんでも、いろんな性格のバアさんがいるものだ。
私はどんな風にボケるか想像はつかないが、できれば可愛らしいバアさんでありたい。
私と父の間には歌しか共通の話題が無く、父に「賽銭箱の歌を覚えているか?」と尋ねると、父は
「賽銭箱に、100円玉投げたら、つり銭出てくる人生がいいと、」
と、歌詞をすらすら唱えだした。
両手を合わせ、願えば願うほど、バッチィにけっつまづいてひざをすりむいた、
なるべくなら、なるべくなら、ウソはつかない方がいい、
ウソはつかない、そう心に決めて、ウソをつき続けてオレ生きている、
旋律に合っている様なつぶやくような早口で、最後のランララランラン、ランララランランランと歌うと、ハイオシマイ。と言う。
(1番完唱)
その様子を聞いていた看護婦さんが、「お父様と裕次郎のCDをお部屋で聴かれますか?」と言うので、ハイ、と言うと用意をしてくれた。が、たまたま裕次郎のCDが見当たらず、五木ヒロシのCDをかけてくれた。
すると、歌が聞えるので、何人かのバアさんがやってきた。
皆黙ったまま何も言わず、静かに耳を傾けるのだった。。。。
そして、数曲が終わった後、(父は五木ヒロシには興味が無いようなので)ここからどうするべかなぁ~と思っていると、バアさんの1人が何枚かのCDを見ながら「この【かえり船】が聴きたいわ」と言うので、そちらのCDに変えてスイッチを入れた。
チャンチャカチャンチャン、スチャカチャチャンチャン・・と言うギターの音色がいかにも枯れた昭和と言う感じなのである。
バアさんは「これはあなたも知ってるでしょう、あんなに流行ったのだから・・」と当然のように言うが、分からん。
そのCDはこの何曲かあとに母が良く歌っていた「カスバの女」があったのだが、父はそこまで待ちきれずに「さぁ」と出かけようとするので、その場を去ることにした。。。
次回はウォークマンを忘れないようにしよう。^^
賽銭箱の歌も借りるかなぁ・・・・?
「sakeだよ」と言うと、「sakeか、どこにいるの?」と言う。
目がほとんど見えていないので、「sakeだよ」と言っても忘れてしまう。
とりあえず手を握ってみるけど、これが【sake】の手だと言うことも、分かってないかもしれない。
(sakeが誰なのか、たぶん分かってないと思う。)
私は会話に困った。
もともと自分から率先して話すことが苦手なので、面と向って話すことが何も無い。
普通だったら「天気がいいですね」とか「今日のお昼は何を食べましたか?」とか言いたいところだが、父は目も見えてないし、さっき食べたものは忘れているだろう。
他に話題は何だろう、kekeの事は何て説明すればいいのだろう。
もともと私と父は、父がペラペラしゃべって、私がヘェヘェと頷いている間柄だったのだ。
うーん。。。。
と思っていたら、向かいに座ってる割と最近入ってきたバアさんが隣の人に「アノ人、頭がおかしいんだよ」と指で合図している。
どうやら、父とその隣のじいさんを、頭おかしい呼ばわりしているようだ。
そして、「私達はああならないように気をつけないとね」等と言っている、失礼な。(`´)
同じバアさんでも、いろんな性格のバアさんがいるものだ。
私はどんな風にボケるか想像はつかないが、できれば可愛らしいバアさんでありたい。
私と父の間には歌しか共通の話題が無く、父に「賽銭箱の歌を覚えているか?」と尋ねると、父は
「賽銭箱に、100円玉投げたら、つり銭出てくる人生がいいと、」
と、歌詞をすらすら唱えだした。
両手を合わせ、願えば願うほど、バッチィにけっつまづいてひざをすりむいた、
なるべくなら、なるべくなら、ウソはつかない方がいい、
ウソはつかない、そう心に決めて、ウソをつき続けてオレ生きている、
旋律に合っている様なつぶやくような早口で、最後のランララランラン、ランララランランランと歌うと、ハイオシマイ。と言う。
(1番完唱)
その様子を聞いていた看護婦さんが、「お父様と裕次郎のCDをお部屋で聴かれますか?」と言うので、ハイ、と言うと用意をしてくれた。が、たまたま裕次郎のCDが見当たらず、五木ヒロシのCDをかけてくれた。
すると、歌が聞えるので、何人かのバアさんがやってきた。
皆黙ったまま何も言わず、静かに耳を傾けるのだった。。。。
そして、数曲が終わった後、(父は五木ヒロシには興味が無いようなので)ここからどうするべかなぁ~と思っていると、バアさんの1人が何枚かのCDを見ながら「この【かえり船】が聴きたいわ」と言うので、そちらのCDに変えてスイッチを入れた。
チャンチャカチャンチャン、スチャカチャチャンチャン・・と言うギターの音色がいかにも枯れた昭和と言う感じなのである。
バアさんは「これはあなたも知ってるでしょう、あんなに流行ったのだから・・」と当然のように言うが、分からん。
そのCDはこの何曲かあとに母が良く歌っていた「カスバの女」があったのだが、父はそこまで待ちきれずに「さぁ」と出かけようとするので、その場を去ることにした。。。
次回はウォークマンを忘れないようにしよう。^^
賽銭箱の歌も借りるかなぁ・・・・?
さすがsakeさんのお父さんですね
色んな事が曖昧になっても 歌はスラスラ出てくるって
今のうちにいっぱい唄っておきましょ^^
お父さんもきっと楽しみですょ♪
父はマッチや矢沢永吉も好きで何曲か歌ってるんですよ。^^
私もたぶん、他の全ての事を忘れてしまっても、歌だけは出てくると思うんです。^^
歌が流れてきて、好きなおばあさんは聴きにやってきました。
歌で心と心がつながることってありますよね。
知らない人とも共通の歌で急に仲良くなれるし、いいものだなぁと思います。
こんな趣味を教えてくれた父に感謝です。
夕方sakeさんのブログを読んで、やっぱり
お誕生日のケーキと父の大好きなウィスキーを持って実家に行って来ました。
ブログを読んでよかったです。
読まなかったら実家にいけなかったカモです!
1月29日は知り合いに同じ生まれの人がいました。これから毎年思い出せるかも。
お父さん、ウィスキーがお好きなんですね。
お父さんにとってもいい一日になって、間接的だけど私も役に立ってうれしいです。^^;