ぼくの近代建築コレクション
東京の都心と下町を中心に、戦前に建てられた古い建物の写真を投稿していきます。
 




交通博物館。千代田区神田須田町1-25
2006(平成18)年4月18日(2005.03.31の1枚を除いて全部)

須田町の、あるいは万世橋の交通博物館が2006年5月14日で閉館した。それに伴い、さよならキャンペーンの一環として「旧万世橋駅遺構特別公開」が行われ、見学を申し込んで4月18日に行ってきた。うまい具合に博物館の駐車場に車を入れることができて、それが500円、入場料が310円だった。
交通博物館は1936(昭和11)年4月25日に開業した。写真の建物はそのときに建った万世橋駅も入ったもの。東京駅の北側高架下の鉄道博物館が移転してきたもので、1946(昭和21)年1月に交通博物館と名称変更した。『日本近代建築総覧』では「建築年=昭和11年、構造=RC3、設計=鉄道省東京改良事務所、施工=清水組」。4階は増築によるが、その工事時期は分からなかった。戦後になってからだろうか。



玄関と屋外展示のD51と0系新幹線の頭部。閉館日が近づくにつれて混雑したようだが、その1か月ほど前。



半円形に突き出した階段室。右写真は別館と弁慶号。別館は休憩室のようで、椅子とテーブル、自販機などが置いてあったと思う。写真右下のワゴンが三菱のリベロという車で、我が家のもの。わりとかっこいいと思って買ったのだが、あまり売れなかった車である。



建物西側(2005年3月31日撮影)とその階段室内部。



吹き抜けの天井からはアンリ・ファルマン機が吊るされていた。『日本飛行機100選』(野沢正著、秋田書店、昭和47年、890円)によると、日本で初めて飛んだ飛行機である。1910(明治43)年12月19日、代々木練兵場において、陸軍の徳川好敏工兵大尉の操縦によるが、その飛行機が展示されていたものだ。その時のフライトは練兵場の上空を2周し、高度70m、速度53km/h、距離3280m、滞空時間約4分。同日、徳川大尉の飛行に続いて、日野熊蔵歩兵大尉がドイツのハンス・グラーデ単葉機で約700mを飛んだ。
この歴史的なファルマン機はその後、大正5年頃まで使われていたが、飛行不能になってからは分解されて所沢飛行場の格納庫に保管されていた。所沢に航空記念館ができると復元されて展示されたが、終戦直後、アメリカ軍に持ち去られ、ライトパターソンのアメリカ空軍博物館に収められた。昭和35年、日米修好100年、日本航空50年を記念して返還された。
元の機体は中央部分の一部と動力関係だけで、他は再製されているというが、ぼくはレプリカとばかり思っていた。もっとよく見ておけばよかった。

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