ぼくの近代建築コレクション
東京の都心と下町を中心に、戦前に建てられた古い建物の写真を投稿していきます。
 




山根工業所、山本歯科医院。千代田神田須田町1-3。1987(昭和62)年9月13日

靖国通りから斜めに(実際は靖国通りのほうが曲がっているからまっすぐ)交通博物館(今は大宮へ移転)のほうへ入る通り。靖国通りが開通する以前の電車通りである。古い木造3階建ての建物がモデストという会社のビルを挟んで建っている。ストリートビューでは間にあったビルは建て替わったが、古い2軒の建物は残っている。
山根工業所(現在は 山根設備工業所)はHMをもっているので、昭和21年8月の創立であること、平成10年2月に「合資会社山根水道衛生工業所」から「有限会社山根設備工業所」と組織変更したことが知れる。タイル張りの看板建築はわりと数が少ないように思う。現在は壁を改装して、すぐには昭和初期の建物とはみえなくなってしまった。
山本歯科医院は2005(平成17)年2月に国の登録有形文化財になり、外観はきれいに保たれているし医院も続いている。「 千代田区観光協会>観る>山本歯科医院」では「明治30年以前に須田町1-1のあたりに開業、1928(昭和3)年に建築」としている。『近代建築散歩 東京・横浜編』(小学館、2007年)では「1929(昭和4)建築、明治期の開業、上げ下げ窓が特徴」という記述。
『出会いたい東京の名建築』(三舩泰道、新人物往来社、2007年)によると、「最初は靖国通りの反対側に開業、昭和2年に現在地に新築して引っ越した」となる。当書によると待合室と診療室は2階で、客は上という建築当時の考えからという。当時の診療所併用住宅の基本的なつくりかただったそうだ。診療室は天井が高く、外観からもそれが分かる。外壁は建設当時は洗い出し仕上げだったのを後に吹き付け材で覆った。平成18年に創建当時の仕上げにもどす工事をしている。オーナーの建物への愛着がうかがえる。

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