ぼくの近代建築コレクション
東京の都心と下町を中心に、戦前に建てられた古い建物の写真を投稿していきます。
 




国立予防衛生研究所。品川区上大崎2-9。1987(昭和62)年11月22日

国立予防衛生研究所はJR目黒駅から北へ200mのところにあった。現在はUR都市機構の「シティコート目黒」という4棟484戸という、2002年に完成した大きい団地になっている。
建物は『日本近代建築総覧』では「国立予防衛生研究所本館、建築年=昭和7年、備考=旧海軍大学施設」とあるだけ。海軍大学校として建てられたもので、『帝都復興せり!』(松葉一清著、平凡社、1988年、2400円)には写真のキャプションに「海軍大学校/竣工年=昭和2年、設計者=大蔵省 予防医学研究所に転用されて現存。直線を基調に緊張感のある意匠」とある。大蔵省設計の建物一般に言えるが、特別な特徴がない公共建築の外観に見える。
『ウィキペディア>海軍大学校』によれば、築地から上大崎へ移ってきたのは1932(昭和7)年なので建築年もその年だろう。海軍大学校の以前は「陸軍衛生材料廠」があった。海軍大学校は高校を卒業して入るのではない。海軍に入って10年ほども実務を積んで優秀と認められた士官が選ばれて入学する。募集人員は10〜20名前後という。
『ウィキペディア>国立感染症研究所』によれば、国立予防衛生研究所は厚生労働省の施設として1947年に設立された「予防衛生研究所」が前身。1949(昭和24)年6月1日、「国立予防衛生研究所」に改称。1955(昭和30)年3月23日に海軍大学校跡地に移転してきた。1997(平成9)年、「国立感染症研究所」に改名。1992(平成4)年10月、新宿区の厚生省戸山研究庁舎に移転した。建物は1999(平成11)年に取り壊されたという。


国立予防衛生研究所。1987(昭和62)年11月22日

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