K-World (Kの世界)

アルツハイマー型認知症の妻K、
発病後18年目になります。
現在は介護療養型病院に入院中。
(夫Route463)

現行介護保険制度の問題

2007-06-12 21:22:41 | ケア日記
西村 美智代さんから、彼女がされている
「ぼけても普通に生きられるまちづくり」
の活動について、お話をお聞きしました。

この活動を全国に普及させることを願って、
西村さんは、痴呆症高齢者グループホーム、
デイサービスをご自身で運営されながら、
講演・執筆活動にも奔走されておられます。

冒頭で、現行介護保険制度の問題について、
お話されました。

コムスンのような脱法行為が生まれたのは、
規制緩和で参入した民間企業の利益優先の
考えが、介護の世界に持ち込まれたから。

介護現場では、給料が安い、達成感が少ない、
などの理由で、スタッフの離職率が高い。

国は、介護予防、早期発見を大前提として、
介護保険法の改訂。サービスは低下した。
予防とは、年をとって老いを受け入れるな、
っていうことなのか? おかしい。

高価な有料老人ホームが急速に増えている。
ここに入れるのは、ごく限られた人である。

誰もが、その人らしく生きていけるための
介護保険制度にはなっていない。

西村さんは、厚生労働省に直接出向かれて、
現行介護保険制度の見直しを要望された。
近く、返答があるとのことでした。

私は、介護現場スタッフの離職率が高い、
という問題にいつも頭を痛めていたので、
厚生労働省からの返答が気になります。

西村さんは、グループホームでの経験から
認知症の方は、力では動かない、心で動く、
と熱っぽくお話されました。

私にも思いあたるところが多々あります。

次回は、「人は力では動かない、心で動く」
について書いてみたいと思います。


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3 コメント

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Unknown (ママネコ)
2007-06-13 23:31:59
「人は力では動かない、心で動く」
本当にそう思います。

介護の世界は、若い有能な人材が
他の業界に移りつつあります。

私の職場のデイでも利用者さんに人気があり
よく働く20代から30代の若い方が
立て続けに3人やめました。

年配の方が好き、この仕事が好き・・なのにです。

介護の仕事はやりがいのあるすばらしい仕事なのに
評価はどうして低いのでしょうか?

これからのRoute463様のレポートを
楽しみにしています。
新聞記事から (Route463)
2007-06-14 14:12:00
ママネコ様

今朝(6/14)の朝日新聞のOpinion欄に、
伊藤周平さん(鹿児島大学院教授)の記事。
以下は、抜粋です。

介護保険法施行後、人件費の削減で、ヘルパーなど
介護労働者の労働条件は急速に悪化し、低賃金、
不安定雇用が常態化した。

現場では、人員配置基準も介護報酬も低いため、
十分な職員の配置ができず、過重労働となっている。
サービスの質の低下のみならず、介護事故が増加し、
利用者の安全や生命すらも危険にさらされている。

当然の結果として、介護現場は離職者が絶えず、
人材不足が深刻化しているが、介護報酬は公定価格
のため、労働力不足による賃金上昇という市場原理
が作用しない。

結局。介護労働者の労働条件を改善し、サービスの
質や安全を確保するには、人員配置基準や介護報酬
を引き上げるしかないが、それは介護保険料の
引き上げを意味する。

自分のことは、自分で守っていくというのが、
建前でしょうが、現実問題、それができないので、
介護保険の制度が生まれたと思います。
しかし、介護保険料の引き上げは勘弁してほしい、
かといって、介護の現場から若者が離れていくのは、
なんとしても食い止めたい、そして、利用者が
その人らしく安心して暮らしていける、これを
すべて満足させることのできる妙案があるといい、
身勝手かもしれませんが・・・・。
同感です (CHAN)
2007-07-06 17:28:05
介護職員を雇うには財源が限られているから高い給料を払えず、それだけではなく毎年介護報酬費が上がっていくわけでもないので、昇給なんてまったく無理です。そんな状況を改善する方法としてある新聞記事では、職員をみんなパートタイマーかシルバー人材センターの方たちを雇えばいい、とありました。
志のある若者たちを、今どんな風に育てていくかが、非常に重要だと思うのですがね・・・・・

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