最近のKは、自宅やデイサービスで、ちょっとしたことで怒り出し、叩くなど、
攻撃的行動をみせる。この根本的な原因が「便秘」にあるというブログ記事を読んだ。そのブログ記事によれば、食後うろうろして、落ち着かなくなり、着替や入浴の介護に抵抗が現れた認知症高齢者に対し、排便がなかったので、「摘便」して大量に排便したことによって、症状が治まり、その後、排便コントロールに留意することによって、落ち着いた生活ができているという報告が紹介されていた。トイレに座って、Kは息んでいた。便は出てこない。肛門に触れてみると、今にも便が出そうな状態になっていた。「摘便」をやろう。不思議なことにイヤだとは思わなかった。薄いゴム手袋を手にはめて、指を肛門に突っ込んで、硬くなった便を、かき出した。 . . . 本文を読む
Kとの介護生活は、この8月で7年目を迎えた。6年の歳月が流れ、Kの病状は着実に進行した。言語能力の衰えによるコミュニケーション困難、尿・便失禁の常習化、便秘、食事の全介助、階段が上れない、少し痩せた、脚が細くなった、等々、状況は厳しくなっている。なかでも、この病気がKから言葉を奪い、私との会話ができなくなってしまったことで、介護を一層困難にしているのが最も辛い。この6年を顧みて、介護とは私が試されるリトマス試験紙みたいなものであると思った。
厳しいけれど、現実を生きるしかない。ここから逃げ出すことは考えたことはない。これが私のスタンスである。 . . . 本文を読む
今朝、Kにズボンを履かせようとして、「こんなに脚が細くなってしまって」
と私は思わず口にした。Kはもともと細身タイプの人だったが、歩くことが好きだったので、健康的で美しい締まった脚をしていた。彼女の細くなった足を見て、
「かわいそうなやつだな。おまえは」と、私は心の中でつぶやいた。この脚では、部屋の中で転んでも骨折する恐れがある。私の役目は、骨折を防ぐことである。 . . . 本文を読む