K-World (Kの世界)

アルツハイマー型認知症の妻K、
発病後18年目になります。
現在は介護療養型病院に入院中。
(夫Route463)

「便秘」泣き笑い

2008-05-31 15:51:57 | ケア日記
「今朝はうれしいお知らせです。少し下痢気味ですが、12日ぶりの排便がありました。ありがとうございます」これは、昨日の連絡帳に書いたものです。私が余程うれしかったのだと思います。Kは、若い頃から便秘の傾向がありました。この病気になってからは、ますますその傾向が強くなったようです。私なりに思うのは、便意が起きたときに無意識に、過去に起きた排泄の失敗を思い出し、それを恐れ、結果的に我慢してしまうのではないでしょうか。パンツを汚してしまったといった失敗に対しては、極度に恥ずかしいという気持ちを持っています。1週間以上排便がないKを見ていると、さすがの私も苦しくなり、泣きたくなります。「神様~助けて」と、祈りたい気持ちです。それが昨日の朝のように、出てくれると、うれしくなって、二人で笑顔になります。そして、その喜びも一瞬。次の排便に向かって、闘いが始まるのです。 . . . 本文を読む

地に足が着けば落ち着く

2008-05-24 15:12:04 | ケア日記
きょうは、車からうまく降りられなくなることについて、書きたいと思います。 デイサービスの送迎は、マイカーを使って、私がやっています。4時に迎えに行き、マンションの駐車場で、Kを降ろすとき、シートベルトを外してやり、「ちょっと待っていてね」と声をかけ、運転席から降りて、助手席のドアを開け、「降りようか」と云って、手を差し伸べます。しかし、自分で向きを変え、脚を外へ出し、降りようとするのですが、いつまでたっても、降りることができないことがあります。そのときの様子を見ていて、わかったのは、Kの靴が地面に着いていなくて、中ぶらりんになっていたことです。Kの靴と地面との距離は、わずか数センチ。しかし、Kにとっては恐怖を感じる距離です。目は正常ですが、数センチ先には地面があるということを認識できないからです。これは、認知症の中核症状のひとつ「失認」かもしれません。 . . . 本文を読む

理想の介護(ケア)

2008-05-14 21:23:02 | ケア日記
私は、認知症の症状を持つKを介護していて、どうすれば理想の介護(ケア)ができるか、介護のあり方について常に模索しています。香川大学医学部精神神経医学講座教授の中村祐氏は、次のように述べています。「昔担当していた男性患者さんですが、介護者である娘さんと一緒に、歌ったり踊ったりしながら穏やかに過した結果、医師側の予想より大幅に進行を遅らせることができました。この経験から、人と人との触れあいに満ちた介護こそが、最高の薬であると実感しました」根本的な治療効果のある薬が使われるようになるまでには、もう少し時間がかかる現段階では、中村先生のおっしゃるようなことは、私も体験しており、100%同感です。 . . . 本文を読む