魯生のパクパク

占いという もう一つの眼

この道は(1)

2014年01月17日 | 日記・エッセイ・コラム

この道はいつか来た道
ああ そうだよ
あかしやの花が咲いてる

北原白秋のこの歌は、戦後ことある毎に、「この道はいつか来た道」と、軍国主義復活の例えとして使われた。

この歌を聴いて育ち、戦争を経験した世代にとっては、軍国主義復活の警鐘として、反射的に口をついた言葉だ。
昭和40年代頃までは頻繁に見聞きした。
しかし、それは、厭戦気分に浸る、心地良い節回しでしかなかった。
この歌詞が繰り返されていた頃には、
「いつか来た道」を見ることはなかった。

この言葉に反応する人が減り、この歌もあまり聞かなくなり、戦争が歴史の一頁に記録されるような時代になった今。
天王星は84年の旅をして
本当の
「いつか来た道」に帰ってきた。

84年も経てば、景色も様子も変わっている。自動車が列をなして行き交う8車線道路を、まさか、戦車や兵隊さんが行軍していくとは誰も思わない。
しかし、デザインや呼称は変わっても、道標の行き先は同じだ。

昔と変わったことは、信号機というものが付いたことだ。
少し、向こうに赤信号が見える時、日本人はどうするのだろう。