魯生のパクパク

占いという もう一つの眼

長子と弟妹 5-④

2008年09月28日 | 兄弟関係

責任感
水の事故で、子供を助けようとした父親が溺れて死ぬことがよくある。
おそらく、愛情よりとっさの責任感だろう。両親がいても父親が死んでいる。
幼い兄弟が溺れて死ぬこともよくある。ほとんどのケースが、下の子を助けようとして上の子が死んでいる。もちろん両方とも死ぬこともある。

泳げる大人でも溺れるのに、まして、子供に子供は助けられない。
長子は、日頃から親にも言われるので、自分が親代わりに、弟妹を保護しなければならない責任感がしみこんでいる。
上の子を助けようと、弟妹が飛び込んだ事故は記憶にない。

親は、長子に、弟妹との能力差を考えて危険なところに連れて行かないことをよく言い聞かせておくとともに、親も長子に任せきりにしない。
親は長子をアテにすることが多く、その結果、起こった留守番事故なども多い。

また、弟妹の起こした事件で、安易に長子を叱らないことだ。
長子は一度でも叱られると、責任感が焼き付く。
叱るなら、とっさの時は、自分を守る責任が優先することも、教える必要がある。
みんな大切な子供だから、まず、あなたの身を守ることが大切だと。
そうでなければ、親は両方を失うことになるかも知れない。

長子は不器用
長子は何事も初めて、独り手探りで成長をするから、無鉄砲ではない。行動の前には色々に予測をし、対処法を用意する。
しかし、考えてもツブされる弟妹は用意をしない。対応だけで生きるから、計画も対処法もない。臨機応変の出たとこ勝負で、窮地に陥れば、たいてい誰かが助けてくれるので、頼り方を知っている。

長子は完璧主義だから、弟妹が思いがけない事を起こすと、自分だけで解決しようとする。臨機応変の弟妹は逃れかたを知っているが、長子は予測外の事態に最後まで関わり、討ち死にする。

失敗した時、打たれ弱く完璧主義の長子は失敗を認めたくないが、弟妹はまず身の安全を考える。
長子が自分のミスを認めないのは、利害より責任とプライドにこだわるからで、その分、最後まで「自分で何とかしよう」とする。

中国が、ミスを認めず、どんなに困っても他国に頼ろうとしないのは、立場メンツにこだわる、まさに長子型の国と言えるだろう。
互恵関係とは言っても、助けてくれとは言わない。まして、お前のせいだから助けるのが当然だ、助け方が足りないなどとは言わない。
一人っ子型の日本の場合、同じように自分にこだわるが、頑固ではない。他人に合わせて自分を変化させることで自分を守ろうとする。

現実的な弟妹は「プライドより身の安全」だ。謝っても、ゴマをすっても、第三者に泣きついても、何とか事態を逃れようとする。
実際、多くの場合、それで逃れる技を身につけているので、失敗では学習しない。何度でも繰り返す。

首相も、長子の橋本、福田の腹切り辞任と、弟妹の安倍の投げ出し辞任が同じではないことは話したが、麻生、小沢という長子対決、どうするか見ものだ。麻生も結局、承知で火中の栗を拾った。(福田と小沢は長子ではないようだ。姉?)

言い方と内容
「それが末っ子(中間児)の悪いクセだ」と言えば、弟妹型はたいてい怒り出すか、必死に反論する。(占いや血液型でも同じ)
しかし、長子に「それが長男の悪いクセだ」と言うと、考え込んだり笑い出したりする。時には「何が?」と意味を確認しようとする。

この違いは、弟妹型が言い方にこだわり、長子型が内容にこだわるからだ。

行動に原理を求め、それに従って計画し、動こうとする長子型は
「長男のクセ」とは、どんなことを言っているのか、それは正論か、を考え、自分でも納得すれば、笑い出したり、どこが違うかを正そうとする。また、その意味を自分の考え方に照らし合わせて理解した上で、逆に相手をからかったり、皮肉を言ったりする。
だから、言い方や勢いで攻撃した弟妹型にとっては、期待しない答えが出てくる。それが失言であったり、KYであったりする。
福田、麻生、橋本、小沢、石破

力関係で生きている弟妹型は、「末っ子のクセ」のような、「響きの悪い言葉」を認めれば、自分が貶められる、立場が悪くなると「感じ」て、即座に反発をする。
その反発の仕方も、意味を吟味するのではなく、反論の用意がなければ、相手に「長男のクセ」のような同じ言葉を投げかける。または、「そっくりあなたにお返しします」のように、内容より、力関係のバランスを取ろうとする。
さらに、負けないために、相手より上位に行こうとする。
「君子の交わり」のように、対等で互いに侵さない関係ではなく、親分子分や、指導者になろうとする。

そうした外見的な立場をつくるために、弟妹型は得た知識を教えたがり指導したがるが、(カンニングも弟妹型に多い)、
自意識の強い長子型は受け売りができないし、自分の発見した知識は独善かも知れないと知っているから積極的には教えたがらない。
しかし、それを信じて生きているから、本音としてポロリと出る。
状況を考慮しない長子の、自分の世界の言葉が、失言となる。

だから、弟妹型が、他人の失言を徹底的に責めるのに対し、長子型は「我関せず」の態度を取る。
面白いのは、弟妹型は、初めは何も気にしていない時でも、他人が失言だと騒げば、自分も一緒になって責め始める。
つまり、長子型が自分の価値観で判断するのに対し、弟妹型は状況や他人の価値観で判断する。            
周囲が黒いと言えば黒い。弟妹型はこの点で民主主義の政治家タイプと言える。
政治が行き詰まると、専制君主論や強いリーダー論が出てくるのは長子型が必要になると言うことだろうが、苦難の時を過ぎると、リーダーは必ず引きずりおろされる。

末っ子の建国
世界の神話の多くもそうだが、日本神話に至ってはすべて、末っ子が建国している。
国産み神話では最初の子は失敗作。スサノオは根の国をつくり、大国主は出雲を建国、神武天皇は大和を建国、ヤマトタケルは兄よりも英雄・・・すべて、弟か末っ子だ  <兄弟関係2