劇団ぷにぷにパイレーツ座長日記

劇団ぷにぷにパイレーツ座長・石崎一気が、演劇、パントマイム、音楽等、舞台芸術の情報を、毎日発信!

非日常

2014-04-10 07:26:52 | 演劇
舞台の脚本は、非日常を描くモノです。
ありふれた日常を、ひたすらリアルに描いても退屈なだけですからね。

しかし、非日常の設定には、どこかしら無理があります。
ありえないことが起こるから非日常なのですが、それを観客に「ありえない」と思わせてはいけないのです。
当然の如く、そこには矛盾があります。
その違和感をいかに感じさせないかが、脚本家の腕の見せ所です。

ただ、所詮、ありえないことを描きますから、おかしなところは何箇所か残ります。
「あんな凄い超能力を持っているくせに、なんでこれは出来ないんだ?」
「なんで今、タイムトリップしないの?」
「さっきはあんなに勇気があったのに、なぜ、肝心の時に臆病になってしまったの?」
「そんな絶妙のタイミングで、二人が出会う訳ないでしょう…」

しょうがないんです。
いや、しょうがないと思うしかないんです。
そんなことを気にしていたら、脚本を仕上げることはできません。
矛盾に気付いても、「やむをえん!」と、開き直ることが重要です。
そして、「ごめんなさいね、才能がなくて…」と、心の中でお客様に手を合わせて謝りましょう!
大丈夫!
お客様だって鬼ではありません。
劇場にあら探しに来る方は少数ですから、案外許して貰えるものです。
お客様の優しさに甘えて、無理な設定を押し通しましょう!