Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

麦酒、不純か純潔か?

2006-08-10 | その他アルコール
ベルギービールにこれほど話題があるとは知らなかった。殆どドイツでは顧みられる事のないビールで、口の端に掛からない。それでもベルギー在住の人などは、これに詳しいので、チョコレートのように日本でブームとなっている事を知る。

先ずは、お土産に頂いた甘いビールを飲んで適当に調べて感想を書いて、ゲリラ的にトラックバックを張ると、大変有り難い事にビールについて詳しくコメントとして教えて頂いた。僅かながらもその人気の一端と魅力を知ることが出来た。

キーワードとしてのランブリックだけでもどうも明確な定義をし難く、それらをベースに特産があると殆どお手上げと言う感じがする。

ドイツのようにピュアーを謳う法律が無かったから当然とは言え驚くほどの多様さである。EU内での牽制や法律改正などがあったが、その肝心のドイツの純潔ビールは大量生産化が進み、10年以上前にあった質を競い合う地方のビールはどんどん姿を消していった。その中に最も美味いビールがあったのは間違いない。

現在のドイツビールはその質は保っているものの多様性と味と言うことでは、日本の地ビールに及ばない。もともとビールに旨味を求めるかどうかは別として、嘆かわしいの一言である。これは町のパン屋の壊滅と同じグローバル化の傷跡である。

それを考えると、ベルギービールの些か如何わしい様な商品は特化されていて、遠く日本にまで輸出されている。そして今回頂いた、ブロンドとして飲んだベルギー修道所ビールも、大量生産品であると言う質とは別に、甘口ヴァイツェンビールである事は否めない。

ドイツでは、「こんなものは飲めるか」とは言わないだろうが、「喉の渇きを癒すヴァイツェンでは無い。」と言えるだろう。こうした泡立ちの繊細さとかその黄金の色合いとかを愛でるビール文化などはドイツにはもともと存在しなかったのだろう。

敢えて差別化を試みるならば、食事においてもベルギー料理などの旨味はドイツ料理にはあまり無くて、文化が違うと言うべきだ。ビールの製造はフランス語地域が主な様だが、ワインの代替としてのビールの消費なども一つの要素として留意しておく必要はある。

そして危惧されるのは、こうした伝統とは違うところで甘いビールが造られて、結局はそうした半端な商品がマーケットを駆逐してしまわないかと言うことにある。ドイツのビール文化は現時点では決して将来的に楽しみな方向に無いが、最終的には伝統を護って行けるのではないかと期待している。

その護らなければいけないのは、決して伝統そのものでなくて、混ぜものの無い純粋な自然食品であるビールと言うことだ。



参照:
甘口ビール飲料に要注意 [ その他アルコール ] / 2006-07-15
減反政策と希少価値 [ ワイン ] / 2006-05-18

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2 コメント

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日本では (seedsbook)
2006-08-10 15:31:27
私もベルギービールを見かけました。高かったですよ!

妹の連れ合いが2本ほど買ってき他のですが、一本400円以上していました。

これがうまい!といって満足そうにしていましたが。。。



甘いビールといえば、最近ドイツもカクテル風ビールが人気ですよね。ドイツも変わりますね。

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甘いビーア (pfaelzerwein)
2006-08-10 16:51:18
やはりそうですか。大きなビジネスになってますね。甘いビーアは、ドイツでも4.6%シェアーとなって来ていますから、馬鹿に出来ない。



ただドイツでの傾向はキッチンドリンカーや若い女性の飲酒量に左右されない限りあまり伸びないとは予想します。なによりも食生活との関係があるんですよね。私は改めてデザートの方が好きですが。



ラドラーを普通は飲む事が無いのですが、イタリアで試してみました。その場で混ぜるレモネードの苦味と甘さを美味く出していて、ラドラーより旨いと言うことでした。
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